特捜部Q キジ殺し (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 早川書房 (2013年4月10日発売)
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本 ・本 (624ページ) / ISBN・EAN: 9784151794520

作品紹介・あらすじ

20年前の殺人事件の背後には、政治経済を牛耳るエリートたちの影が。人気沸騰の第2弾

感想・レビュー・書評

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  • 特捜部Qを率いるカール警部補がどんどんまともに見えてくるアサドと新しい秘書ローセ
    はみ出し者の警部補のはずが二人のペースに巻き込まれていく様がすごく楽しい

    今回気になった(実は前作から)のはカールと襲撃事件により半身不随となったカールの元同僚ハーディのカウンセラーの心理学者モーナです
    彼女無能すぎません?
    彼女に絶賛片思い中のカール目線では彼女の魅力的な唇について語られることが多いので気付きにくいかもしれませんがカウンセラーとしては相当役立たずだと思うんですがこれってゆくゆくは何かの伏線になるんでしょうか?

    ラストは新しい展開も迎えて次作への期待も増し増し!

    それにしてもカールって人が良すぎると思うんですが…
    クールでタフで他人を寄せ付けない組織のはみ出し者と思ってるのは本人だけかもw

    • 土瓶さん
      めろんさん、こんばんは~^^
       
      って、早っ!
      もう読んでる~(゜o゜)
      めろんさん、こんばんは~^^
       
      って、早っ!
      もう読んでる~(゜o゜)
      2022/08/02
    • ひまわりめろんさん
      土瓶さん
      こんばんは!

      内容次第ですが文庫本600ページ程度なら半日かからないですよん
      おびさんに仕事行けって言われましたが今日はお休みだ...
      土瓶さん
      こんばんは!

      内容次第ですが文庫本600ページ程度なら半日かからないですよん
      おびさんに仕事行けって言われましたが今日はお休みだったしw
      2022/08/02
  • 未解決事件を掘り返すデンマーク警察の活躍。シリーズの2作目。
     
    未解決事件を扱うはずが、なぜか犯人が服役中の解決済み事件がデスクの上に。
    調査を始めてみると。

    うん。今回は正直いまひとつでした。
    大きな展開や謎やドキドキもなく600ページはキツい。
    次作に期待しとこう。

  • デンマークの警察小説、特捜部Qシリーズ第二弾。

    いつの間にか置かれていた資料には、数十年前に解決し、犯人も収監中の兄妹殺しのことが。調査を開始するカールとアサドだったが、捕まらなかった者たちの存在を知る。

    うーん、疾走感とハラハラ感は前作の方が上か。カールたちの捜査パート、ホームレスの女性のパート、逃げ切り社会的に成功した三人のパートの視点があるが、逃げ切った三人のパートが胸糞すぎて…捜査パートも、前回ほど犯人をじわじわ追い詰めるものでもなく。
    更には、ラストもそこまで爽快感のあるエンディングではないので、総じて一作目が良かったなと。次作はガラスの鍵を受賞したとのことで、楽しみにしている。

  •  途中で空いた時期がありましたが、読了しました。

     警察側以外の登場人物は、ほぼ胸糞悪いひとばかりで、早く捕まるか、痛い目に合わないかなぁと思いながら、読み進めていました。
     しかし、キミーだけは、同情してしまう背景があり、読んでいて辛かったです。

     海外ミステリのシリーズ物は大好きですが、このシリーズは一旦ここで保留にしようかなと思います。

    • きゅうさん
      こんばんは。はじめまして。いつも胸糞悪い内容ばかりですが、次のPからのメッセージまでは読んでみていただきたいと思っています❗️
      こんばんは。はじめまして。いつも胸糞悪い内容ばかりですが、次のPからのメッセージまでは読んでみていただきたいと思っています❗️
      2025/02/28
  • 『特捜部Q』シリーズ第2巻。今回は20年前に起こって既に解決してしまった事件を、再捜査する話し。

    前作に比べると、少し面白味に欠ける感はありましたが、ラストは息つく暇も無い位展開で、楽しく読むことが出来ました❗

    今回から新たにローセ・クヌスンという女性アシスタントが加わり、ますます目が離せないシリーズとなっています♫秋の夜長にオススメのデンマーク産ミステリーです❗

  • 【全欧ベストセラー 警察小説第2弾】

    北欧ミステリーの人気シリーズ、『特捜部Q』の第2弾。

    今回は犯人がわかっている中、どう追い詰めて行くのかハラハラしながら読んだ。

    この作品の映画は読む前に観ていたのだが、映画と原作では内容が結構違っていたので驚いた。

    感想としては、事件の内容と犯人にとにかく胸糞悪くなった。
    動機に共感できることが何一つなく、犯人にとって自分の周りの人間全てが狩りの獲物だということ。
    そこにはただ快楽しかないのだ。
    そんな人物の表の顔は有力者なのだからゾッとする。

    イヤミスではあるものの、主人公カールと仲間の掛け合いとカールのツッコミが面白くいいバランスになっている。

    今回から新メンバーも登場し、何ともいいキャラなので今後の活躍に注目していきたい。

    人間の恐ろしさをあらためて感じる1冊だ。


    こんな人におすすめ .ᐟ.ᐟ
    ・北欧ミステリーが好きな人
    ・イヤミスが好きな人
    ・海外ミステリーが好きな人
    ・刑事ものが好きな人
    ・倒叙ミステリーが好きな人

  • 未解決事件を掘り起こし解決する正義の組織「特捜部Q」とは名ばかりな
    厄介者刑事を地下に閉じ込めるために即席で、上司の予算目当てで作られた。
    そして変人助手しかいない部署のメンバーが活躍する
    シリーズの二作目

    シリーズ全体の中でも、評価が低いらしい
    (平均点は高い)
    読んでみて、解説にもあったが、すぐに話の全体像がわかる。

    一作目は過去と現在が入り組み、徐々に絡み合っていく構造だったこと。
    社会的に地位のある人物たちが裏で結成した凶悪なグループと、それに復讐しようとする人物、そして主人公たちという構図が他の本でも出てくるパターンだったことでかなり困惑した。

    前作のように期待してた劇的な展開はなく、本当に地道に真相を追うカール。
    変人アサドくんの、暴走にツッコミを入れる。入れてるうちにもう一人の新人(こちらも変人)に悪態をつかれると行った具合。

    楽しめたんだけど、真相がわかる分長く感じてしまった。
    それでも主人公が重要な決断をしていた。
    最後の一文が、全てを語ってる

    • ikezawaさん
      ようやくわかった。
      クセの強いヤツ二人を引き連れてる
      感じが
      「幸せの黄色いハンカチ」だわ。
      ようやくわかった。
      クセの強いヤツ二人を引き連れてる
      感じが
      「幸せの黄色いハンカチ」だわ。
      2019/08/31
  • 北欧ミステリーの代表といえばスウェーデンの「ミレニアムシリーズ」とこのデンマークの「特捜部Qシリーズ。

    「ミレニアム」のリスペットほどの強烈な個性ではないが、主人公カールやアサドといい、初登場のローセといい、なんだか少しマンガチックな人たちがいっしょうけんめいに奮闘するミステリードラマ。
    テーマは重くテンポは軽く、シリアスとコミカルが絶妙なバランス。

    うん、このシリーズ、きっとハズレは無いね。

  • あっと言う間に読み終わった。全編通してとにかく胸糞悪い案件。事件関係者が全員クズ。真相に近づくにつれて出てくるクソなエピソードの数々。ラストもとてもスッキリ、とは言い難いし、結局キーになってる登場人物もクズの極みなんだけど、何でこんなにも感情を揺さぶられるのか。ラストで主人公がある重大な決断をするんだけど、「どういうことかわかってるの?」という問いに「イヤ全然」て…。主要キャラの設定も常軌を逸してるし、そういうある種無茶苦茶なとこがツボ。

  •  前作は池上冬樹解説をベタ褒めしたが、本書の解説を見て首を傾げた。恩田陸という作家(ぼくは一冊も読んでいない)が、劇画のように面白い、と褒めているのだが、ぼくは劇画のようにと言われれば、けなされているかのように感じてしまった。今どきの作家は、劇画のように面白かったと言われて嬉しく思うのだろうか? 

     劇画をどうのこうの言うつもりはないが、荒唐無稽とか、誇張がすぎるとか、展開が派手だとか、活劇アクションが楽しい、という意味で、恩田陸氏はこの表現を使ったのだろうか。それであれば、いろいろな小説が、劇画のように見えると言われても仕方がないことなのだろうな。でも確実に言えることは、小説は劇画ではなく、劇画は小説ではない。似て非なるものは、あくまで非なのである。小説を褒めるときには、誤解を招くような幼児的メタファーではなく、ましてや作家を生業としている人ならば、小説家としてのプライドを持って小説評論というべき文章にて作品を取り扱って頂きたかった。何だか、とても残念な解説であった。

     さて、本書が劇画のようにと評されたのは、多分二つの要素にあると思う。狩猟趣味が嵩じて人間狩りを楽しむようになったサディスティックなグループ。しかもそれらがエスタブリッシュメントの人間たちであったらというケース。さらにはそこから絞り出されたたった一人の女性メンバーが、獲物を求め藪の中に潜伏する獣のように、都会の闇の中に身を潜めて牙を研いでいたら。

     実際、本書ではそうした二種類の無法側の陰の世界が、関連性を明確にせぬままにストーリー世界の幅を広げてゆく。一方で、陽の部分は、相変わらずカール・マークというくたびれた冴えない中年男と怪しげなシリア人がホンキートンクで噛み合わない交流を繰り返しながら請け負ってゆく。いや、本書ではさらに黒づくめの女性秘書ローセが登場する。一年中喪に服したような根暗女で、社会性に乏しいというあたりが伺え、特捜部Qはさらにネガティブ要因を抱えたままであくまで人間的に陽の部分を引き受けてゆくのである。

     この作品の犯罪要素を構成するいわゆる特権階級のマン・ハントであるが、この手の物語の原型と言えば、ギャビン・ライアルの名作『もっとも危険なゲーム』である。殺しをゲームとして遂行する、というバイオレンスの極地のような犯人像。その亜流となった物語は、小説でも映画でもたっぷり存在する。人間の暗闇に向かったネガティブなエネルギーがこうした方向に向く物語は、まるで神話と同じようにあるべきストーリーとしてもはや社会的に認可されているようなものではないか。外人部隊や傭兵などの戦争なくしては生きられなくなった人間の存在が実際にあることも、残念ながら人間として受け入れざるを得ない真実ですらあるのだ。

     しかし、なぜ女性ハンターであるキミーが組織を抜けねばならなかったかの物語は、また別の女性特有の悲劇にある。女性の場合恋と青春を奪われた男によってその後の人生の選択が影響されることが、物語においても実際の人生においても多いのではないかと想像される。パートナーがどんな人間であったかは男女別なく重要な人生の要素ではあるけれど、どちらかと言えば劇的被害を受ける確率は女性の方が遥かに多いように見える。かくして生まれた悪魔のような女性キミーは、一面において天使のようでもある。女性の母性を抱え込み、失われた愛情への一念で彼女の生命エネルギーは彼女の失われた未来を生かしているかのように見える。

     特捜部Qの人間模様と、それを上回るほどの犯罪者、あるいは被害者を取り巻くドラマとが交錯したときに、白熱する物語エネルギーを、このシリーズはどうやら売りにしているようだ。追われる者も隠れる者葛藤する地獄を抱え込んでおり、それらが北欧の国を舞台にぶつかり合う様子を、今回も素晴らしい力技で活写してみせた作者の変わらぬ力量に、今、ふたたびの拍手を!

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