ユー・アー・マイン (ハヤカワ・ミステリ文庫 ヘ 17-1)

  • 早川書房
3.42
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (525ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151810510

作品紹介・あらすじ

夫、妻、双子の男児、そしてもうすぐ女児が生まれる幸せな家。そこに一人のベビーシッターがやってきた-33歳のゾーイは、巧みに反抗的な双子をてなずけ、夫は彼女を信頼するようになる。が、妊婦のクローディアには何かがひっかかる。ひそかに家の中の何かが微妙に変わっていく。その頃、街では妊婦が残忍な手口で惨殺される事件が起き、さらに同様の事件が…全世界の女性をうならせた、衝撃の結末が待つサスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • サマンサ・ヘイズ『ユー・アー・マイン』ハヤカワ文庫。

    今一つのサスペンス。今や海外翻訳ミステリーは文庫でも平気で千円超えなので、選択には余程慎重にならないと、つまらない本を読み終えた時のショックは計り知れない。

    裏表紙の紹介文でお茶を濁す…

    夫、妻、双子の男児、そしてもうすぐ女児が生まれる幸せな家。そこに一人のベビーシッターがやってきた―33歳のゾーイは、巧みに反抗的な双子をてなずけ、夫は彼女を信頼するようになる。が、妊婦のクローディアには何かがひっかかる。ひそかに家の中の何かが微妙に変わっていく。その頃、街では妊婦が残忍な手口で惨殺される事件が起き、さらに同様の事件が…全世界の女性をうならせた、衝撃の結末が待つサスペンス。

  • スピードよく読めたが、ロレインとアダム夫妻の家庭のごたごたの話いるのか?夫妻の娘グレースが彼氏の家に住むから家を出るのどうのって…そんな話どうだっていいです

    石女の凄まじい情念の恐ろしさはよく描かれていたが、彼女の決して他人には計り知ることのできない悲哀の深淵をもう少し深く描いてほしかった 
    グレースの反抗期話にさくよりかさw

    表紙&タイトル(原題まま)はすごく好き

  • 家にベビーシッターがやってくる事から始まるサスペンスだが、意外性が全くなく残念だった。3人の女性からなる「私」視点も分かりづらく、今どのキャラクターが語っているのか混乱させられた。あらすじには「全世界の女性をうならせた」とあるが、本当だろうか。衝撃の結末という文言に身構えすぎたせいもあるかもしれないが、そこまでの衝撃はなかった。

  • イギリスの作家「サマンサ・ヘイズ」の長篇ミステリ作品『ユー・アー・マイン(原題:Until You're Mine)』を読みました。

    「ディック・フランシス」(「フェリックス・フランシス」との父子共著含む)、「ミネット・ウォルターズ」に続きイギリスのミステリ作品です。

    -----story-------------
    夫、妻、双子の男児、そしてもうすぐ女児が生まれる幸せな家。
    そこに一人のベビーシッターがやってきた―33歳の「ゾーイ」は、巧みに反抗的な双子をてなずけ、夫は彼女を信頼するようになる。
    が、妊婦の「クローディア」には何かがひっかかる。
    ひそかに家の中の何かが微妙に変わっていく。
    その頃、街では妊婦が残忍な手口で惨殺される事件が起き、さらに同様の事件が…全世界の女性をうならせた、衝撃の結末が待つサスペンス。
    -----------------------

    臨月の妊婦が腹を裂かれ胎児を取り出すという猟奇的な殺人事件が発生… ちょうどその頃、社会福祉事務所のソーシャルワーカーで、まもなく女児が誕生予定の「クローディア・モーガン-ブラウン」と、その夫で軍人の「ジェイムズ」は、双子の「オスカー」と「ノア」の住み込みのベビーシッターを求人したところ、「ゾーイ・ハーパー」という女性が応募してきた、、、

    「ゾーイ」は優秀なベビーシッターだったが、夫婦が不在時に家の中を嗅ぎまわっている気配があり、「クローディア」を不安にさせる… その頃、妊婦の殺人事件については、「ロレイン・フィッシャー」と「アダム・スコット」の夫婦刑事が捜査にあたっていた。

    「ロレイン」は「アダム」の浮気に苦しみながらの捜査を進める… そして、別な妊婦が同様な手口で襲われるという事件が発生、、、

    妊婦は命を取り留めたものの、胎児は助からなかった… 「ゾーイ」が「クローディア」の家族に近付いた目的は? 「ゾーイ」は、猟奇的な殺人事件に関わっているのか? 物語は、「ゾーイ」と「クローディア」、「ロレイン」の三人の女性の視点を切り替えながら、真相に近付いて行きます。

    うーん、終盤のまさかの展開、不可解な「ゾーイ」の行動は、殺人事件とは関係ない詐欺事件に関する潜入捜査だったとは… 「ジェイムズ」と、亡くなった「ジェイムズ」の先妻「エリザベス」の家族が大規模なマネーロンダリングシステムを構築していたとはね、これは読めなかったなぁ、、、

    叙述トリックにまんまと騙されました… 「クローディア」の出産への執念、過去の流産・死産した子どもたちの写真等が、事件の動機のヒントになっているのですが、真相には気づけませんでしたね。

    そして、他の犯行も示唆する最後の一行にゾクッ としました… 怖いわぁ、、、

    子どもが欲しくても授からない、子どもは欲しくないのに妊娠しちゃった、出産しても育てられない(放置、虐待)、そして、育てたのに、子どもが離れていく… 等々、妊娠や出産、子育てに関する、社会での問題がテーマになっていて、親の立場として色々と考えさせられましたね。

    でも、意外性があって面白かったです。




    以下、主な登場人物です。

    「クローディア・モーガン-ブラウン」
     社会福祉事務所のソーシャルワーカー

    「ジェイムズ」
     クローディアの夫。軍人

    「オスカー」
     ジェイムズの子

    「ノア」
     ジェイムズの子

    「ゾーイ・ハーパー(ヘザー・ペイジ)」
     ベビーシッター

    「ピップ」
     クローディアの友人

    「ロレイン・フィッシャー」
     警部補

    「アダム・スコット」
     警部補。ロレインの夫

    「グレース」
     ロレインとアダムの娘

    「ステラ」
     ロレインとアダムの娘

  • この物語のベビーシッターのゾーイと『ゆりかごを揺らす手』のベビーシッターのペイトンのイメージが重なっちゃったまま読んでた。

    なんで「ホンモノのベビーシッター」じゃないのに、それまでの経歴をうまくごまかせるんだろう。
    それができるなら身分の保証なんてムリってことだよねー。

    っていうのが、この小説とかゆりかごとかに抱きつづけてたギモン。
    だけど、この小説ではそこの「ナゾ」もちゃんと解明されてた。

    この物語を展開させていくのは女性3人の視点。
    ひとりは、海軍のエリート軍人の後妻となったクローディア。
    前妻とのあいだの双子の男の子の継母となりながら、じぶんも女の子がもうじき生まれる臨月。
    ケッコンした家はお金持ちでものすごい豪邸。
    仕事は福祉事務所のソーシャルワーカーで、出産後も仕事を辞める気はない。

    もうひとりは、3人の子持ちになっても働きつづけるつもりのクローディアに雇われたベビーシッターのゾーイ。
    ちゃんと過去のシッター歴の保証もあるし、すぐに双子の男の子を手懐けちゃったほどの腕前。
    だけどいろいろ怪しくて、クローディアはゾーイにいろんな違和感をいだいていく。

    もうひとりの視点は警察官のロレイン。
    警察官の夫といっしょに、臨月の妊婦のお腹を切り裂いて胎児をとりだす妊婦惨殺事件を捜査してる。
    ティーンズの娘がふたりいて、長女はカレシとケッコンするからと家出しちゃうし、次女もそんな姉を支持してて、「親子」関係の危機真っ最中。

    ロレイン視点は三人称だけど、クローディアとゾーイは一人称で、この視点の切り替えにさいしょはちょっと戸惑ったりしてた。
    読みにくいかんじがしたんだけど、でもストーリー的にはぐいぐい読めちゃって。

    読んでると、いろんな伏線が散りばめられてるのに気づく。
    どの伏線もなんとなく回収法が予測ついていくんだけど、ある伏線だけなかなかその回収の予測がたたないから、「あれはなにー?どんな意味ー?」っていう「ナゾ」がじぶんの中にはりつき続けてた。
    結果的にこれが衝撃のラストに繋がる伏線だったねー。

    だけど、いろいろ次々出てくる人たちが、いろいろ繋がってることが明らかになっていくから、読んでてラストの予測が混乱して、そのニンゲン関係をまとめようと働いてしまう。

    わたしのあたまでは相関図が必要になったぐらい。
    あきらかに『ゆりかごを揺らす手』みたいなラストだとおもってたのに、複雑なニンゲン関係がぜーんぶちゃんと繋がってることに気づいてくると、「警察官が犯人にたどり着く」行程がおもしろくなってくる。

    ただ出産の予定がある女主人とベビーシッターのごたごたじゃなくて、警察が殺人事件の犯人を追いつめていくミステリ仕立て。

    このおかげで、ベビーシッターのゾーイがクローディアに隠していたことが明らかになってくる。

    最後まで読み終えると、この小説、あのラストの衝撃を読者にたのしませる工夫がうまくされてたねー、って感心しちゃう。

    予測できる人もいるとおもうし、冷静にかんがえるとカンタンに予測できちゃうラストなんだけど。
    途中にいろんな方向に話を膨らませていろんな伏線を散りばめていくせいで、冷静になる間もなく一気に読み進めちゃったわたしは、このラスト、「え!?」ってなった。

    おもしろかった。
    途中でいくつか抱いた違和感も、ちゃんとその解明のオチがつけられてたし。

    でも。
    ものすごい残忍な犯行を思いついたのに、その犯人の計画じたい、ものすごいムリがあるすぎる気がする。
    被害者選びもぜんぜん慎重じゃないし。
    肝心なとこが杜撰。
    それがこの小説のちょっと残念なとこ。

  • 2016 2.3

  • 海軍の父、女の子を身籠っている母、双子の男の子、という家庭。
    そこにベビーシッターがやってくるが、どうもこの女性が怪しい。
    並行して、妊婦の腹を掻っ捌くという殺人事件が発生する。

    物語は母親、ベビーシッター、刑事の3人の女性の視点が切り替わりながら進行していく。
    母親の過去、ベビーシッターや刑事のプライベートも徐々に描かれて、少しずつ雲行きが怪しくなっていく。

    サスペンス調のシーンだけ一人称視点にしたりすると、海外ドラマっぽくて映像化しやすそう。

    出産、母親というのが前面に押し出された作品で、人によっては毒になるかもしれない。
    というかそういう毒が回った3人が主人公と言えるか。関係者の方が楽しめるとは思うが、妊娠期間は避けた方が無難かも。

  • 後半唐突に話が進んだような。
    エピローグがやるせなさすぎ。

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