天国でまた会おう(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫 ル 5-1)

  • 早川書房
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感想 : 70
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151814518

感想・レビュー・書評

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  • 戦場でプラデルの悪事を見てしまったアルベールは、そのプラデルに生き埋めにされてしまう。エドゥアールがアルベールを助けたがそのせいで爆弾を浴びエドゥアールは顔に大怪我を負う。
    戦後パリに戻った2人は貧しく暮らす。プラデルの出世を知った2人は落胆。国を相手に壮大な詐欺計画を企てるものの、エドゥアールはその成功を見ることなく、自分の父親が運転する車に飛び込み命を絶ってしまう。

    エドゥアールの父の描写が印象的でした。息子が生きている時は父親らしいことを全くしなかったのですが、息子の死を知って、失意と遺恨に悩む父親像が見てとれ、とても悲しい気持ちになりました。

    悪事を働いたプラデルが結婚し幸せに暮らす様を見て、貧乏暮らしのアルベールが、「僕のこの不幸な人生は一体何なんだ?」と嘆く場面。人生の不条理さを感じ悲しさを感じました。

    貧乏のアルベールがどうにか着飾ろうと靴だけピカピカの安物を履き、そんな自分を滑稽に思う場面。取り繕おうとする人間の性とその虚しさに気づいた瞬間が印象的でした。

    「プラデルさえいなければ僕の人生は変わっていた」と個人を恨むアルベールに対し、「戦争が悪い、戦争がなければプラデルののような奴も生まれない」とエドゥアールが言う場面。怒りの表われが違く、広い視点で捉えるエドゥアールに共感しました。

    「どんなことでもいつかは慣れる。でも悲しみだけは昔のままだ」とエドゥアールが嘆く場面。感情の中でも深い悲しみは心の中に残ってしまうんだと思いました。その失意が、投身自殺に繋がったのかなと思います。

    全体的に悲しさの残る物語でした。




  • 状況がどんどん悪くなっていく‥破滅に向かう道なのか、救いはあるのか。下巻に期待。

  • 第一次世界大戦の終戦間際。一旗あげたいと思った将校がとった行動に翻弄される一兵卒の二人。不思議なつながりで絡み合う人々。つい先が読みたくなる物語。まだ全貌が見えない前半が終わった。

  • フランスは戦勝国であるが、苦労している描写に驚いた。
    (主人公二人が特殊な状況であだからかもしれないが・・・)

  • 初読

    読む進めるのに
    かなり時間を要して、いつ面白くなるのかなぁ
    と思ってたら上巻が終わってしまったという。

    アルベール君の人の良い無能さだったり
    貧乏辛いよね、お金持ちとの対比の描写上手いね、
    というくらい…下巻で面白くなるんでしょうね!?

  • 下巻でまとめて

  • 悲しみのイレーヌの気分で読んだら中々読み進まない。かったるいなーと思いながら読んでると後半で面白くなるという素敵なマジック。

  • アルベールとかエドゥアールとかラブラダンとか登場人物の名前が覚えられない。ゆっくりした展開の割に先に先にと読みやすいが、盛り上がりが結局分からないまま上巻が終わってしまった。。

  • 読んでいて、どんどん不安が高まる1冊。

  • 読み始めた途端に「え!?どういうこと」となって、上巻を読み終わった時点では物語の終結がどこにいくのか全くわからない。主人公がハッキリとするまでは少々読み進めにくかったけれど、いったんハマルと一気にに読んでしまう。

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