天国でまた会おう(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫 ル 5-2)

  • 早川書房
3.55
  • (32)
  • (80)
  • (85)
  • (13)
  • (6)
本棚登録 : 735
感想 : 89
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151814525

作品紹介・あらすじ

『その女アレックス』著者が放つゴンクール賞受賞の傑作サスペンス長篇

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • うーん、なんだかなあ

    下巻早々にプラデルへの復讐を誓うマイヤールだが特別なにをするって訳でなく流されて堕ちて行きます
    一方プラデルは数々の悪事が露呈して自滅していきます

    うーん、なんだかなあ(2回目)

    最終盤はスピード感がぐっと上がって多少はハラハラさすがのルメートルという感じもみせましたが

    うーん、なんだかなあ(3回目)

    それにしても結局最後まで愛すべき人物はひとりも出てきませんでした
    こういう救いのない物語って苦手なんでね
    これで三部作ってどうすんの?って興味はちょっとあるけど続編の優先度は低いかなぁ

    • ひまわりめろんさん
      うーん、高評価してらっしゃる方もたくさんいるんで決めつけは良くないけど、はっきり評価が分かれる作品なのは確かかな
      うーん、高評価してらっしゃる方もたくさんいるんで決めつけは良くないけど、はっきり評価が分かれる作品なのは確かかな
      2023/02/15
    • 土瓶さん
      外したね( ̄ー ̄)ニヤリ
      外したね( ̄ー ̄)ニヤリ
      2023/02/15
    • ひまわりめろんさん
      そういうこともある
      土瓶さんと違って外しにいってないのでショックです
      そういうこともある
      土瓶さんと違って外しにいってないのでショックです
      2023/03/02
  • カミーユ警部シリーズや『監禁面接』のようなミステリー・エンターテイメントを得意とするミステリー作家のルメートルが、純文学作家のルメートルに。
    本当にこの小説を読み終わって、上質な古典文学を読んだような満足感を味わうことができた。
    話の展開はミステリー的要素もあるが、あえてそこはほどほどにし、第一次大戦直後のフランスを舞台にしっとりとした人間模様を描き切ったところが秀逸。
    今後もミステリーだけじゃなく、このような普通の人たちの内面を描いたルメートルの小説を読んでみたい。

  • さすがもさすが!もうやっぱり最高!
    ピエールルメートルほんっっっと好き!登場人物全てに愛着が湧くし結構登場人物多いのにすごいわかりやすい。しかも読む手が、まぁ止まらんくなる。
    手に汗握るというか、人の焦った時とか恐れているときのやばいやばいやばいっていう焦りの表現がすごすぎる。最後は,大尉も悪行がバラされて主人公二人はなるほどな…という終わり方をして、ちゃんと全員がなるほどすぎる終わり方だった。
    色々深読みすることも考えたけど、ピエールルメートルにかぎってはそのままを受け取って読むのがいっちばんおもしろい!最高の時間でした。

  • 「その女アレックス」を中心としたヴェルーヴェン警部シリーズとは全く趣向の違った作品でした。

    後書きでは冒険小説とのワードもありましたが、それもしっくりこない。

    舞台はまさに第一次世界大戦が終わろうとしているフランス。

    そこで戦った兵士(アルベール)が戦場で見た光景と自身の体験。

    命を救ってくれた戦友(エドゥアール)と、その際におってしまった人生を狂わせる大怪我。

    その後、始まった共同生活の中で彼等が取り戻す日常は、国中を巻き込む一大詐欺事件へ...

    後半に入り、少し世界観には入り込めたが、暗いイメージは今までの著者の作品と同じとは言え、期待していただけに全体を読み終えても残念な気がしてならない。

    説明
    内容紹介
    膨大な犠牲者を出して、大戦は終わった。
    真面目な青年アルベールは、戦争で職も恋人も失ってしまう。画才に恵まれた若きエドゥアールは顔に大怪我を負い、家族とのつながりを断つ。戦死者は称揚するのに、生き延びた兵士たちには冷淡な世間。支え合いながら生きる青年たちは、やがて国家を揺るがす前代未聞の詐欺を企てる!
    第一次世界大戦後のフランスを舞台に、おそるべき犯罪の顛末を鮮やかに描き上げた一気読み必至の傑作長篇。ゴンクール賞受賞作。
    内容(「BOOK」データベースより)
    第一次世界大戦直後のパリでのしあがる実業家プラデルは、戦没者追悼墓地の建設で儲けをたくわえていく。一方、アルベールは生活のため身を粉にして働いていた。そんな彼にエドゥアールが提案したのは、ある途方もない詐欺の計画だった。国をゆるがす前代未聞のたくらみは、はたしてどこにたどりつくのか?日本のミステリ・ランキング一位を独占した人気作家が放つ、スリルと興奮に満ちた群像劇。一気読み必至の話題作。
    著者について
    1951年、パリ生まれの作家、脚本家。2006年にカミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズの第一作となる『悲しみのイレーヌ』でデビュー。2011年に発表したシリーズ第二作『その女アレックス』は、リーヴル・ド・ポッシュ読者大賞、英国推理作家協会賞インターナショナル・ダガー賞に輝いたほか、日本では『このミステリーがすごい! 』、「ミステリが読みたい! 」、「週刊文春ミステリーベスト10」、本屋大賞(翻訳小説部門)などのランキング一位を独占し、ベストセラーとなった。2013年に発表した初の文芸作品である本書は、フランスで最も権威ある文学賞ゴンクール賞を受賞した。現在フランスで最も注目される作家である。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    ルメートル,ピエール
    1951年パリ生まれの作家、脚本家。2006年にカミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズの第一作となる『悲しみのイレーヌ』でデビュー。2011年に発表したシリーズ第二作『その女アレックス』は、リーヴル・ド・ポッシュ読者大賞、英国推理作家協会(CWA)賞インターナショナル・ダガー賞に輝いたほか、日本では『このミステリーがすごい!』、「ミステリが読みたい!」、「週刊文春ミステリーベスト10」、本屋大賞(翻訳小説部門)などのランキング一位を独占し、ベストセラーとなった

    平岡/敦
    1955年生、早稲田大学文学部卒、中央大学大学院修士課程修了、フランス文学翻訳家、中央大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • じわじわ高まっていく緊張感と、物語が結末に向かいはじめてからのスピード感は秀逸。クライム小説なんだけど、時代の描き方や、人物の描写が頭抜けているからか読み終わった後の満足感が凄い。

  • フランスの作家ですが、日本ではミステリー作家として有名なようです。私は初めて彼の小説を読みました。

    あとがきで知ったのですが、題名は第一次世界大戦で敵前逃亡の汚名で、見せしめとして銃殺された兵士が妻に宛てた最期の手紙の中の言葉、とのことです。

    著者自身が言うように、戦争で人生を踏みにじまれた若者たちへのオマージュがこの作品の基調にあります。一方で主人公のエドウアール、アルベールによる社会への反抗が結末で達成され、主要な登場人物それぞれの物語が決着を迎えるところ、活劇のクライマックスのような高揚感を感じました。

    ”どんな問題にも結末は必要だ。それが、人生の定めだろう。耐え難い悲劇だろうと、馬鹿馬鹿しい喜劇だろうと、いつかは決着をつけねばならない。” という一節がとても印象に残りました。

  • 悲惨な戦争を潜り抜けた戦友たちが主人公となり物語を繰り広げ、そこに戦争を経て肥え太った元兵士も絡んでくる…といった図式から、オールスンの「アルファベット・ハウス」が髣髴された。

    「その女アレックス」で一躍我が国では有名になったピエール・ルメートルの作で、ミステリー仕立てではないが、行く末が気になって焦れてくる巧みな筆運びはさすが。
    生々しい負傷の描写などをぼかさず、直截的に書き切るあたりも、"らしい"。

    作中世界がとにかく濃厚で、読者は知らないうちにそこにどっぷりと引き込まれてしまっているので、カウントしてみると僅か1年余りのスパンの物語なのだが、なんだか長大な大河作品を味わったような気にもなる。

    優しさ、弱さ、狡猾、悲哀、怒り、誇り、孤独、家族、愛情、理不尽…、戦争とその後の世相という舞台をギミックにして、"人間"というものを巧く浮き彫りにしている小説だと思う。

  • 最後の方は一気に読んだ。絶望と希望の案配、物語の緩急や息を飲む展開だった。この作者の作品をまた読みたい。

  • 傑作では?
    そりゃアレックスやイレーヌを読んだら否が応でも期待しますよね。でもいい意味で裏切られます。
    青年2人が時代に翻弄される。但し片方が芸術家はだしの破天荒な人物であった為、フランスを揺るがす一大詐欺事件に発展していく。
    それに絡む悪徳上司と、それぞれに絡む女達がまたいい。マドレーヌもポリーヌもルイーズもみんないい。小説なんて「美人であった。」と書けば誰でも美人になるのに、マドレーヌは敢えて不美人であった。ポリーヌは可愛らしかった、でも婚約者を戦争で失った25歳。ルイーズに到っては12歳だ。三者三様の設定が上手い。
    最後にプラデルを見捨てるマドレーヌの男前な事!最後にあっさり詐欺に加担するポリーヌの潔さったら!そしてひたすら献身的なルイーズ!
    三者三様の男の運命と、その男達に絡んだ女達の三者三様の運命。読ませますね〜、手に汗握りますね〜。エドゥアールは死んでしまいますが、一応ハッピーエンドでしょうか。そう、アレックスの様に、なんとなく落ち着かない、少し捻ったハッピーエンドです。
    最後の最後にメルランのその後まで描かれる。
    これがまたいい余韻を残してます。
    この作者は凄いですよ。早く全部翻訳して欲しいです。

  • 今までで一番良かった。。
    もやもやも、しなかったし。みんな、落ち着くところに落ち着いた感じ。
    全体的には暗い空気を感じるのに、読み終えた後は幸福感が広がった。不思議。
    そしてタイトルの切なさが、ひしひしと…

    待ち合わせしていたのに、エドゥアールが来なくて、アルベールが泣いてしまったシーンで、私もうるうる(T_T)
    ペリクール氏の安らかな最期も、ほっとした。
    そして、最後の最後に、メルランの退職後にほっこり。報われてよかった。

    エドゥアールって、本当に天使だったのかも。純粋…
    美しい死に様。映画のワンシーンのように、私の頭の中に映像が流れたわ。

全89件中 1 - 10件を表示

ピエール・ルメートルの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三浦 しをん
米澤 穂信
トム・ロブ スミ...
フェルディナント...
ピエール ルメー...
朝井 リョウ
トム・ロブ スミ...
ジョー・ウォルト...
ミネット・ウォル...
又吉 直樹
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×