- 早川書房 (2016年2月24日発売)
本棚登録 : 76人
感想 : 12件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (656ページ) / ISBN・EAN: 9784151816017
作品紹介・あらすじ
村を離れ都会で生きる、部族の女性ジャナ。だが彼女は殺人事件に巻き込まれていき……
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
エグい描写もありながら、テーマは人間の残酷さを抉る所から、マプチェ族の血を引くヒロインと探偵が権力と戦うハードボイルドを描く。闇を抱えながらも再び立ち上がった人間は強い。せこい倫理観を超えた所に、真の生命力があるのだろう。
-
侵略者による先住民の大虐殺および軍事独裁政権による反体制派の弾圧(誘拐・拷問・殺害)というアルゼンチンの負の歴史が正面から扱われていることに伴って暴力描写も凄惨を極めており、恐ろしくはあったが大変勉強になった。「女装のゲイ」という翻訳は妥当なのか、原語でどのような言葉で表現されているのか気になる。
-
軍事政権による残虐行為の犠牲者。その犠牲者も、そもそもネイティブを虐殺して土地を奪った侵略者の末裔だったりしちゃう。深く考えさせられるアルゼンチンの闇を舞台とした追いつ追われつのアクション&バイオレンスにハラハラドキドキ。ジャナとルベンが心を通わせるシーンには涙腺崩壊。オススメされたときは分厚さに怯んだけど、読んだよかったです。
-
アルゼンチンにおける過去の圧政、軍事独裁政権、あるいはファシズム時代の負の遺産の発掘と同じく先住民族に対する差別をテーマにしたミステリー。フィクションには違いないが、アルゼンチンの暗黒部分が圧倒的なスケールで押し寄せてくる。
次の殺人を防ぐための事実の調査が、結局次の殺人を生み出してしまうという負のスパイラルの連続。読んでいて気が重くなる一方だ。しかもその合間に触れられるアルゼンチンの酷い歴史とそれに紐づく警察や宗教界の対応。
しかし、それでも次々読み進めてしまうのは場面転換や、ジャナやルベンが遭遇する少しの光が前向きに展開していくからだろうか。 -
国の歴史に関わる事件といい
マプチェ族の女、探偵の男
深い傷を持つ二人が惹かれ合う構図
あれ?オカシイな〜
やだなぁ〜コレもしかして…
探偵は女にモテるし…
女は闇を抱えて強気だし…
コレって「ドラゴンタトゥーの女」
の縮小版かな…とか、序盤は嫌な汗を
かいていたのですが
作者に失礼でした。すみません。
600ページというボリュームですが
なんとも読み進めたくなる。
第3部のタイトルページで鳥肌が立ちました。
「ミレニアム」に手を出しづらいと感じてるあなたは是非コチラをどうぞ。 -
カリル・フェレ『マプチェの女』ハヤカワ文庫。
珍しいアルゼンチンを舞台にした冒険小説。全く期待はしていなかったのだが、まるで、アンデシュ・ルースルンドの『熊と踊れ』を彷彿とさせる非常に面白い作品だった。
その土地の匂いまでも感じるような小説には、なかなか出逢う機会は少ない。かつて、船戸与一という作家が居たが、彼は日本で唯一、砂漠の匂いを感じさせる小説を書いていた。本作は船戸与一が書いた砂漠の匂いをも感じさせる熱い小説だ。650ページに及ぶ大作なのだが、独特の荒々しい雰囲気と手に汗握るストーリーを最後の最後まで堪能出来た。
かつてアルゼンチンで起きたスペイン人入植期の原住民虐殺と1976年の軍事クーデターから開始され、1980年代まで続いた『国家再編成プロセス』を背景に、マプチェ族の血を受け継ぐジャナと探偵ルベンが戦争犯罪者を暴くという復讐の物語。-
2017/09/15
-
2017/09/15
-
-
激烈。一言で表すとこの言葉かしっくりとくる。
しかし、そうであるが故の儚さと美しさがあった。
気概と闘志、どんな状況でも目を逸らさず、真っ直ぐなジャナ。軍事政権時代に弄ばれ、壮絶な拷問に耐えながらも憎悪を糧に生き続けたルベン。
2人の生きる姿は、荒々しく獰猛であるのに、どう見ても美しかった。
久々に読み応えのある本で、ズブズブにのめり込んだ。 -
久しぶりにドップリ漬かる小説だった。近年はエンターテイメント・ミステリーと言えどもプロットの面白さだけでは成立せず、歴史や政治、恋愛、性風俗など様々な要素を重層的に積み重ねて、アクションあり、サスペンスあり、ラブロマンスありとサービスし放題にサービスしないとなかなか評価される作品には仕上がらない。
『マプチェの女』はまさにそのようにして成功した作品で、アルゼンチンを舞台にスペイン人入植期の原住民虐殺と、1976年の軍事クーデターから開始され1980年代まで続いた『国家再編成プロセス』(国家権力による左派勢力の大量誘拐、失踪)を背景に、マプチェ族の末裔ジャナと探偵ルベンが戦争犯罪者を暴くというストーリー。文庫で 650ページほどの大著で、ボリュームもたっぷり。最後の 200ページほどは手に汗握るクライマックスが延々と続くイメージで、堪能した。 -
なかなか掘り出し物。南米舞台は新鮮やし筋はオーソドックスやし理解しやすい。
表紙の女性はもうちょい胸なくてもいいんちゃう(描写的に)
