熊と踊れ(上)(ハヤカワ・ミステリ文庫)

制作 : ヘレンハルメ 美穂  羽根 由 
  • 早川書房
3.76
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本棚登録 : 691
レビュー : 66
  • Amazon.co.jp ・本 (561ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151821516

作品紹介・あらすじ

軍倉庫から銃を盗み出した青年レオは、弟たちとともに、恐るべき連続銀行襲撃を計画する。果たして彼らを待ち受けるものとは……

感想・レビュー・書評

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  • 過剰な暴力がテーマだが特に痛々しい描写もなく軽く読めた。上下巻ある割には台詞のみ追っていけば内容が汲める文章というか、乱暴に言ってしまえばラノベっぽいので読みやすい。
    強盗の描写も、刑事が暴力的だと着目するほどの異常さは感じず、強盗といったらこんなもんだろうくらいの程。描写と受ける印象とのギャップに戸惑った。
    刑事がレオとヴィンセントの親密な一瞬の映像を見てすぐ兄弟と決めつけたのも推理というよりエスパーっぽくて腑に落ちない。
    そもそもこの刑事パートのラブコメ、いったいなんの意味があるのか?刑事のキャラが退屈で苦痛だった。

    能力はあるのに頑張る方向を間違えてしまった人達の物語。
    父親もレオも健気で哀れ。男らしさ・マチズモというプレッシャーで自縄自縛に陥った犠牲者でもあるのではないか。

  • やっと読了。
    レビューは「下」を読んでから。
    ただ、「上」を読んだ限りで言えるのは、めちゃめちゃ面白いということ。

  • 日本ではスウェーデンのもつイメージは、デザインと高度な文化をもつ洗練された国。同時に最近よく見かける北欧ミステリーの供給地でもある。描かれる社会は極東から伺い知られる印象とは違い、社会格差と暴力とが根底に流れる複雑な現代の矛盾を多く抱えた複雑な世界だ。この作品も移民の流れを汲む家族の物語である。家族であるが故の結束や葛藤、愛情と憎しみなど普遍性を持つが故に圧倒的な分量をよみ進めさせる圧力をもつのだろう。人間は暴力で体を支配し、心を支配していく。その仕組みを表す「熊と踊れ」。言葉の印象とは裏腹に畏怖の念を持つ。
    現金輸送車の襲撃、銀行強盗など犯行そのものの描写は大変淡白だと感じたが、その用意周到さをの表現は大変しつこい。特に、個々の登場人物の機微が。そのしつこさがないとこの作品を書く目的だったことを訳者あとがきをもって知った。

  • 父親の暴力に対し、結束した絆は銀行強盗を生み出した。きっと、また父親が絡んでくるのだろう。

  •  わけのわからないタイトルだが、作者はあの三秒間の死角のルースルンドということで、これも警察小説というよりは犯罪小説か。レオ、フェリックス、ヴィンセントの三兄弟が友人のヤスペルと組んで軍の銃器強奪と一連の銀行強盗を引き起こす。兄弟それぞれの生い立ちにまつわる人間描写がうまく、決定的な人格形成に影響を与えた厳格凶暴な父親とのエピソードもあいまって、家族小説のような色合いも漂わせる。いや、強盗事件は単なる舞台装置で、父と子の葛藤こそが主題といったほうがいいかもしれない。それがあったればこそ最後の襲撃は自滅に終ってしまったのが、あれだけ沈着冷徹だったレオの悲劇というか限界だったのだから。一方、事件を捜査するヨン・ブロンクスもいかにもという北欧警察小説的魅力ある警部なのだが、事件解決という点ではほとんど何もしていないに等しいのがちょっと残念。

  • お父さんの説得力、ある意味すごい。守るためには必要なことかもしれません。それを刻み込んだレオがリーダーになり、圧倒的な結束を築いていくのには深く頷けました。

  • 実際にあった銀行強盗の話をモデルにした小説。心凍る冷めた現実と生活。淡々と紡がれていくストーリー。今回、熊と踊れのタイトルはどういうことなのか、この話のキーワードの意味が下巻で更に明らかになっていくと思う。これぞ北欧サスペンス!読み応えのある長編作品。

  • 長い。
    読み終わるまでにかなり時間がかかりましたが、スリリングで面白いです。
    終始、ギリギリの精神状態な男たち。
    少しずつ明らかになる登場人物の背景。
    海外テレビドラマが好きな人はわかってくれると思います。

  • 凶暴な父によって崩壊した家庭で育ったレオ、フェリックス、ヴィンセント三人兄弟。独立した彼らは、軍の倉庫からひそかに大量の銃器を入手する。その目的とは史上例のない銀行強盗計画を決行することだった―。連続する容赦無い襲撃。市警のブロンクス警部は、事件解決に執念を燃やすが…。はたして勝つのは兄弟か、警察か。スウェーデンを震撼させた実際の事件をモデルにした迫真の傑作。最高熱度の北欧ミステリ。

    というわけで、ようやく一昨年の話題作に到達。警察側はおなじみの方々ではないが、似たようなメニューを食べていたり、同じようなソファーに座っていたりするので、登場人物名を確認してしまった。

  • 実際の事件をもとにした連続銀行強盗の話。 とにかくヤスペルが癌。あと親父。それと刑事が殆ど事件解決の役に立ってない気がするんだけど… (一般人も含め)誰が死んでも嫌だなあと思いながら読んでたけど、誰も死なずに済んでよかった。実際の事件でもそうだったんだろうか。だったら凄い。 あと、儲けを考えると銀行強盗はやっぱり割に合わなそうだ。

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