IQ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 早川書房
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本棚登録 : 710
感想 : 74
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151834516

作品紹介・あらすじ

LAの若き青年探偵〝IQ〟は、音楽界の大物が命を狙われている事件に挑むが……。ミステリ賞を多数受賞した、鮮烈なデビュー作

感想・レビュー・書評

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  • 数年前に評判になった一冊。途中までは面白かったんだけど、だんだんよくわからなくなる。黒人版ホームズを期待すると、ある意味そうなんだけど、ミステリーというよりはクライムノベル。

  • IQかっこいい!知性だけでなく生き方も。続編読みたい。

  • アイゼイア・クインターベイ。
    貧困街で兄と暮らす天才。
    ある日敬愛する兄を交通事故で亡くす。
    一人で生きねばならない彼は稼ぐ道を探し始める。


    方々で評価の高いこの作品ですが。
    通勤中に細切れ読み、途中で他の作品はさんで読みまくりという読み方が悪かったとも言えますが、それにしても退k(ry。そういう読み方になっちゃったんですよ。だって面白くないから読み進められないんですもの。原語で読めばライムなんかも堪能できたのかもしれない?
    ギャング、ラッパー、売人、そういう貧困層の生活が描かれているんですが、どうにもそれがまとまって像をつくらない。(これも読み手の想像力や経験値のなさと言ってしまえばそれまで)
    途中アイゼイアの鮮やかな推理などが披露される部分は感心しながら読んだのですがねー。
    もう一回きちんと読んで堪能してやろうと思っています。
    だって、きっと面白いはずだから!

  • 読みやすそうな表紙だけど、スラングや
    人種独自の感覚、場面の切り替わり方とか
    翻訳物初心者には少し読みづらいかもしれない。
    (読む価値はある)

    「低所得者と犯罪の多い地区のシャーロックホームズ」
    読む前はラッパーが絡むし、黒人なので勝手にラップを聴く明るめの探偵なのかと思い込んでいた。
    ジャズを聴くし、常にクール(冷静)
    観察眼も冴えるIQという名前の探偵が主人公

    事件はラッパーが殺し屋に狙われるよくある感じの設定なんだけど、命を狙ってくるのが「猛犬使いの殺し屋」ってのもなかなか面白かった。

    ただ場違いな環境に生まれた天才が活躍するって話ではなく、「何故、彼は探偵をしているのか?」がわかる過去パートを間に挟み
    つつ進む。
    兄の死を乗り越えるために前に進んでいく話でもある。

    厄介な相棒と組んで犯罪に手を出すの
    はちょっと…とか思ったけど
    シャーロック・ホームズもまあ薬物中毒っぽかったから、まあいいか…
    あと元ギャングの相棒ドットソン(ワトソン役)よ…下手な商売をしないで、料理の店でも開けば、大儲けできるぞ兄弟

  • ハードボイルドなストイックさ
    作者は自分の理想を描いてみせた。

    同じ理想を持った自分は、それを読んで、少し救われた。
    毎日の新鮮さに気づくことが出来た。
    ありがとうの思いとして、これからも読み続けたい。

  • ギャングの跋扈する地帯で両親を早くに亡くし、年の離れた兄に育てられた異常に頭の良い青年の謎解きミステリー。
    相棒役は、高校時代から薬物ディーラーをしていて家なしが故にお互いに嫌々ルームメイトをしてきたドッドソン。著名人にはヘコヘコするし金で動くしなんもわかってないのにクライアントの前ではパフォーマンスだけするし基本的には嫌な奴なのに、料理の鉄人のファンでめちゃくちゃ凝った料理作ってくれるとかちょこちょこ憎めない設定が入ってる。
    頭の良い黒人が主人公という小説は初めて読んだ。オバマ大統領の後から、段々と成績も良いけどクールな黒人というジャンルが開拓されてきた(あるいは、日本人にも可視化されるようになってきた)気がする。主人公の感じはなんとなくケンドリック・ラマーと思わせる。いつか映画化されそう。
    書き手が還暦近い日系人てとこもびっくり。
    結局お兄さんの復讐劇と小児性愛のヘンタイの話は次巻以降にお預けなのね。

  • 貧困層で暮らしている超絶頭脳を持つ主人公が、自分の周りの世界を守るために推理・行動をしていく、という物語。

    過去と現代が交錯する物語である事に加え、登場人物がかなり多いこともあり集中して読まないとついていくのが大変ですが、その苦労に値する内容でした。過去の物語が進む中、主人公が何故この生活をしているか、という事がわかった瞬間、非常な切なさに包まれたのも事実。このため過去の章は読むのが割とつらかったです。

    ただ主人公と推理力と行動力がずば抜けているため、読んでいて非常に爽快でもありました。一方、推理小説成分が思ったより多くないため、濃厚な推理小説を読みたい人からすると肩透かしを受けるのも事実だと思う。ミステリーというよりは、アクション・ハードボイルドよりの作品というか。

    全般的に人間ドラマとして読むと非常に良くできた作品でした。登場人物にダメ人間が多いけど、ラストの小切手のくだりは本当に素敵だし、最後の最後で出てくる車の件も見事。ラストが良い小説って本当に印象に残るよなぁ、と思わせてくれた作品でした。

  • なんか合わなかった。読みづらい、翻訳かな?

  • またまた渡辺由佳里さんのオススメから。(まだまだ続きます)

    著者の地元、犯罪多発地帯として知られるロサンゼルスのサウス・セントラル地区を舞台にした犯罪小説、ということで、勝手に重厚な社会派ドラマかと思ってたけど、意外にもハリウッド的アクション満載な軽い物語でちょっと驚いた。

    うーん、こんなことは言いたくないのだけど、訳がひどい。
    すごくおもしろい話なのに、訳文が、一度読んだだけでは意味が分からなくて、3回くらい読んでやっと理解できる、ということが多々あった。5回読んでも結局意味が分からない、という文章も数回あった。とにかく読む勢いを削がれるったらない。
    これは担当編集者の怠慢じゃないのかしらん。

    あと、意図がよく分からない謎のルビも多かったなぁ。
    (例えば、「落書き」にグラフィーティ、「私道」にドライブウェイ、などとルビがある。そのルビ必要?)

    お店の名前は100%カタカナ語で処理、もいかがなものかと思った。例えば「トップ・ノッチ・アプライアンシズ」とかは何の店か分かるように、日本語混じりで訳せるんじゃないの?などと思ってしまった。まあこれは好みの問題ではあるけれども。

    ということで、なんというか、元がおもしろい作品だったから最後まで読めたけれど、訳のせいでひどく疲れた。
    本来はもっと評価が高くてもおかしくない作品だと思う。

    ブラザー版ホームズ、というのがとても新鮮だった。
    ワトソン役のドッドソンがとても良いの。
    欠点だらけのほんとにしょーもない奴で、たぶんホームズ焼き直し史上、最低のワトソンだと思うけど、これまた欠点の多い主人公、ホームズ役IQの弱点をばっちり補完してもいる。
    ドットソンが料理するシーンが特に好きだった。
    特性サンドイッチ、すごくおいしそうだったなぁ。
    読んでいて私まで料理したくなった。
    ハーブ入りのマヨネーズって、なんのハーブ入れてたんだろう・・・映画では彼の料理シーンは詳細に描いてほしいなぁ。

    1冊の本の中にたくさんの事件を詰め込み過ぎかな。読み終わるとかなりおなかいっぱいになる。
    サービス精神が溢れすぎて、盛り過ぎる作家、という印象。
    映画化されるときっとそういう過剰な部分がそぎ落とされて、すごく面白くなりそう、と思った。

  • LAのロングビーチで探偵を営むアイゼイア・クィンターベイは、頭文字をとって“IQ”と通称されるほどのキレ者。とある事情でまとまった金が必要になったIQは、かつて同居していた腐れ縁のドッドソンと共に、〈ラッパーを襲う巨大ピットブル事件〉の謎を追うことに。18歳のときに目の前で兄を亡くし天涯孤独になったIQは、ドッドソンの誘いで“悪さ”に手を出し、取り返しのつかない事件の加害者になってしまった過去を持つ。罪を犯した2005年と、償いのため街の人びとの悩みを解決しようと奔走する2013年のエピソードが同時進行し、IQという探偵が生まれたわけを解き明かす、ポップな探偵シリーズ第1作。


    「現代アメリカの黒人文化に造詣が深い作者によるヒップホップ小説にして、シャーロック・ホームズに倣った思考術を操る探偵小説である」とか、「スキップのあだ名“マゴット”って元ネタ『ハマースミスのうじ虫』かな?」とかは言い尽くされているだろうから、私はアイゼイアとドッドソンの関係性が最高なBLとして読みましたよという話をします。
    アカデミック・デカスロンの地区チャンピオンで、ゆくゆくはハーバードに進学するはずだった優等生のアイゼイア。対して、地元のギャングに所属する若きクラックの売人ドッドソン。同級生ながら本来は交わるはずがなかった二人が接点を持ったきっかけは、アイゼイアの兄・マーカスの死だった。両親が死んでから兄と二人で暮らしてきたアイゼイアは、一人になっても今のアパートメントを離れたくないばかりに、家賃をアテにしてドッドソンを同居に誘ってしまう。
    ドッドソンはすべての元凶であり、こいつのせいで何人もが血を流すことになった正真正銘のクズなんだけど、なんとも言えずカワイイやつ。162cmのオシャレさんで、服道楽に金を費やすかと思いきや、料理が趣味でフードチャンネルのアイアン・シェフやチョップドをよく見てたり、アイゼイアの予測に反して綺麗好きだったりする。アイゼイアに初めて食べさせた手料理のチキンガンボを、8年後にまた作って出したのに気づいてもらえずがっかりしちゃうんだよ? 完全に萌えキャラじゃん。アイゼイアにいつも推理を先回りされて悔しく思っているが、他人の感情を汲み取るコミュニケーションの面ではドッドソンのほうが優れていたり。兄の死から目を逸らしたいと思っているアイゼイアの気持ちを察して、優しい労わりから強盗をやろうと持ちかけるやり口なんかサイテーでサイコー。このドッドソンのワルなんだけどお茶目なキャラ設定のおかげで、二人の同居生活が「悪質だけどていねいな暮らし」になっていく、その描写がほんとうにツボ。
    2013年時点では殺し屋にも一目置かれるような探偵になっているアイゼイア。2005年のまだカッコ悪い頃の姿を記憶しているのはドッドソンとデロンダくらいだ。ドッドソンはアイゼイアは常に上から目線で自分をバカにしていると感じているらしいが、同居時代のアイゼイアはドッドソンの世慣れた振る舞いに少し憧れていたような心中の描写があり、それを表に出さないようにしているところにニヤついてしまう。ドッドソンお手製のBLTサンドで、兄が死んで以来失っていた、食べ物を美味しいと思う気持ちがアイゼイアに蘇ってくるくだりもすごくない? BLじゃないっていうほうがおかしいよ、こんなの。2013年のドッドソンの家に行ってテレビの録画見ながら「なぜここで鑑賞することに同意したのか、そもそも、なぜそんなものを鑑賞すると言ってしまったのか、アイゼイアは自分でもわからなかった」って一文もなに? ありがとうね。
    ドッドソンがやらかしたド級のバカ失態のために、アイゼイアが不本意ながらピストルを握ってしまうクライマックスは心で感謝の涙を流しながら読んだし、二人の和解の会話はもう…こんなに気が利いてていいのか。ここまで全然触れてこなかったけど、ピットブル事件をめぐる推理と音楽業界の裏事情も勿論めちゃくちゃ楽しみました。ネットフリックスとかでドラマ化したらすごい流行るんだろうなぁ。その前に表紙にドッドソンも描いてくれ。たしかに全くバディものを期待しないで読んだ私はものすごいお得感を感じられたけど、絶対アピールしたほうがいいでしょ。

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