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本 ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784151836015
作品紹介・あらすじ
幽霊屋敷で行われた交霊実験。だがその最中に密室殺人が発生し……。名探偵があまりにも意外な真相を暴く、本格ミステリの名作!
感想・レビュー・書評
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初ポール・アルテでどんな作家なのか知らないままに読んでいましたが、なかなか凝ったプロットとアジな演出な作品でした。
次々と起きる事件やおどろおどろしい物語背景から、なんかあの人の作風のモノマネっぽいなあと思っていたら、これはオマージュだったんですね!(^-^)
後半のトリックの種明かしで題名がそのまんまやんけ!と心のなかで叫んでいましたが(笑)、どうりでこれもオマージュっぽさを出していたんですね!(^-^)
最後はそのオマージュも勢い余って飛び出していて、これまたびっくり!!
半分ニヤニヤもんのラストなだれ込みでした!(^-^)
読み終わってみて、警部がみんなを集めての推理披露とか、一人称の語り口なんかは、もうひとりへのオマージュも入っていたんですかね。
第二次世界大戦が終わって間もない頃、イギリスはオックスフォード近郊の田舎村で事件は起きた。
舞台は、ある古屋敷の女主人が密室で惨殺されていたという暗い過去を背景に、その古屋敷にある夫妻が引っ越してきたところから、また新たな謎が巻き起こる。
怪しげな降霊会や男女関係の錯綜も重なり誰もが不安になるなかで、再び事件が…。
昔ながらの本格推理小説の醍醐味を味わえるともに、一捻りも二捻りもある意外な展開に、物語構造の妙も楽しめる一作となっています。
作者の本格推理小説に対する思い入れの深さにも頭が下がります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
次から次へと事件が。一気に読んだ。
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良質などんでん返し!
古典ガチ勢がしっかり伝統芸の型を継いで書いてくれてるタイプの作品ほんと安心する -
フランス人作家ポール・アルテの1987年のデビュー作。
フレンチなのにノワールではなく本格ミステリーなのは、本人がジョン・ディクスン・カーのファンだから。
洋館、屋根裏部屋、夜響く足音、奇術師、密室殺人、
……怪しげな霊媒師の女
私にとって、どれも江戸川乱歩の香り漂うものばかり。
こんな古風なムードでありながら、起きる事件はハチャメチャ。
いつものように犯人のめぼしをつけようとしても、そのあとすぐゴチャゴチャにされてしまう。
なぜこんな展開なのかは、読み進めるとわかるのだが、ネタバレなので✖
実際あのまま終わっていたら、「なんじゃこれ!」に……危ないところでした。 -
2019/6/2読了
現代の本格ミステリの書き手として、有栖川有栖『有栖川有栖の密室大図鑑』に名前が上がっていた(作品としては取り上げられていない)ので、興味をもって購入。新進作家とおもいきや、本作でのデビューが1987年。追々、続刊が出ることを期待している。 -
フランスの作家ポール・アルテの長篇ミステリ作品『第四の扉(原題:La Quatrieme Porte)』を読みました。
ここのところフランスの作家の作品が続いています。
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3年連続で〈本格ミステリ・ベスト10〉第1位を成し遂げたフランスのミステリ作家、ポール・アルテ。
その代表作がついに文庫化!
オックスフォード近郊の小村に建つダーンリー家の屋敷には、奇妙な噂があった。
数年前に密室状態の屋根裏部屋で、全身を切り刻まれて死んだダーンリー夫人の幽霊が出るというのだ。
その屋敷に霊能力を持つと称するラティマー夫妻が越してくると、さらに不思議な事件が続発する。
隣人の作家アーサーが襲われると同時に、その息子ヘンリーが失踪。
しかもヘンリーは数日後、同時刻に別々の場所で目撃される。
そして、呪われた屋根裏部屋での交霊実験のさなか、またもや密室殺人が…。
犯罪学者アラン・ツイスト博士が、奇怪な事件の真相を暴く。
解説/麻耶雄嵩
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1987年(昭和62年)に刊行されたツイスト博士シリーズの第1作… コニャック・ミステリ大賞を受賞した著者デビュー作品です。
密室で夫人が自殺して以来、奇怪な噂の絶えないダーンリーの屋敷… 幽霊が歩き回るというこの家に移り住んできた霊能者の夫妻は、関係者を集めて交霊実験を試みる―それは新たな事件の幕開けだった、、、
死体を担ぐ人影、別の場所で同時に目撃された男、そして呪われた部屋に再び死体が現れる… 密室犯罪、幽霊屋敷、交霊会、分身、奇術。
めくるめく怪奇趣味と不可能犯罪奇術のごとく繰り出される謎また謎! 各探偵の語る最後の一行が読者にとどめを刺す! 犯罪学者アラン・ツイスト博士が、奇怪事件の真相を暴くシリーズ第1作、、、
1987年度コニャック・ミステリ大賞受賞… フランス本格推理の歴史的傑作。
ジョン・ディクスン・カーに憧れて創作活動を始めたというだけあって、イギリスを舞台にして、密室殺人や怪奇趣味、不可能犯罪といった要素がギュッと詰め込まれた作品で、本格推理小説への敬意が感じられる作風でした… カー作品の良さというか、雰囲気が滲み出てましたね、、、
密室のトリックは、まずまずでしたが… 作中作というフィクションを扱うと見せかけて現実に引き戻される終盤の展開や、最後の一行で驚かされる(騙されていたことに気付く)叙述トリックの展開は好みでしたねー 次もポール・アルテの作品を読んでみようと思います。 -
古典ミステリ好きな自分にとって楽しんで読めた。
先に読んでたアルテの作品とはちょっと趣が違くて、こちらの方が読みやすかったのだが、訳の違いなのか年月の違いなのか。
いずれにしてももっとこの著者の作品を読んでみたいなと思わせてくれて嬉しい。 -
紹介文の「歴史的傑作」は随分盛ったなぁと思いながら読み進めたけど、確かにこれはその名に恥じない大傑作…!
こんな構成のミステリーは読んだことがない。小説ならではの仕掛け。最後は畳み込むような真相解明で動揺してるところに、ラスト1文で打ちのめされます
著者プロフィール
ポール・アルテの作品





