- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151843518
作品紹介・あらすじ
推理小説好きの文学少女・陸秋槎と、孤高の天才数学少女・韓采芦の2人の謎解きを描く連作短篇、全4篇を収録! 解説:麻耶雄嵩
感想・レビュー・書評
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華文ミステリーですが、あとがきによるとこの作者は、1988年生まれで、日本のミステリーを読んで育った作家のようです。
影響を受けた作家として、法月倫太郎、氷川透、麻耶雄嵩、三津田信三、柄谷行人、井上真偽、綾辻行人、米澤穂信他、現代人気作家の名が挙げられていました。
「ガール・ミーツ・ガール」の物語ということを除くと、派手な事件はなく、日常の謎的なゆるい展開です。
ミステリー好きで犯人当て小説を書く女子高生陸秋槎と同級生で数学の天才少女韓采蘆が主人公です。
秋槎の語る物語の犯人を采蘆が推理します。
第一話 連続体仮設
第二話 フェルマー最後の事件
第三話 不動点定理
第四話 グランディ級数
のうち、四話ではとうとう本物の殺人事件が起こりますが、本格推理の短編集なので、ストーリーの説明は難しいです。
最初の二話はなんとか意味がわかりましたが、後の二話は理解が難しかったです。
本格推理や数学は大の苦手なので、私にはちょっとハードルが高かったようです。 -
皆さんのレビューから読みたかった本。帯に載ってる通り「華文青春本格ミステリ」だがそれだけでなく、数学と百合的要素など私の不得意分野ばかりなのにとても面白かった!キャラクター達や作中作をめぐる推理など読みどころいっぱい。
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2時間スペシャルで崖っぷちの場面になっても犯人がわからないほど推理は苦手ですが、作者の趣向は楽しめました。提示された小説と全く同じかたちで事件が起こります。これを作中作というのですね。また、数学理論を推理の道具にするのも面白い。天才数学少女韓采蘆(かん・さいろ)と推理小説好き文学少女陸秋搓(りく・しゅうさ=ちなみに作者と同名)と陸のルームメイト陳姝琳(ちん・しゅりん)の三角関係じみた友情物語の行方も楽しみ。せっかく、韓と陸が打ち解けてきたので、もう少し見守りたい気分です。作者の日本好み・日本通も好感度アップです。
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この作者の本を読むのは三冊目。これも百合要素あり。
推理作家になりたい女子高生(作者♂と同名)と友達のいない数学の天才少女が主人公の華文青春ミステリー。四つの短編からなる連作集で、作中に「犯人当て」のエピソードがあり、そこが面白い。 数学なんて苦手という人は、難しく考えずに読むこと。
ただし、中国人の名前に馴染みがないので、男女の区別とかよくわからない。「秋槎」は男女ともに使われる名なのでしょうか? 例によって登場人物表が挟みこまれているのだが、性別も表記してほしい。 -
表紙が可愛いという理由だけで手に取ったら
なんと華文ミステリー。しかも本格。
自身が書いた推理小説に自信がない高校生・陸秋槎
(りくしゅうさ)は学校で数学の天才と有名な
韓采蘆(かんさいろ)にアドバイスを求めようとする、
すると采蘆は…。
全4篇、すべて作中作を読み解き(?)かつ
現実の問題も解決(?)していく物語。
なぜ(?)なのかというと、ミステリの超初心者読者
の私としては「なんで?」「それはアリなの?」
「どうしてそうなった?」「ところで○○は?」
と(?)の連続だったからです。
数学が分からなくても(いい意味で)浅く楽しく読めました。
数学が大好きなら深く楽しく読むことができそうです。
パズルの解き方を教えてもらうような読書、
中国の(たぶんちょっとお金持ち)学生さんの
生活も体験できました。
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中国は学生服というとジャージが一般的だそうで
この表紙のセーラー服はとても珍しいのでは
ないでしょうか。 -
“数学”が物語に組み込まれたミステリ小説。ミステリ好き・数学好き必読。第一話『連続体仮説』における韓采蘆の論理的推理は圧巻。数学者・カントールの『数学の本質はその自由性にある』という言葉は、そのまま推理小説にも当てはまるもので、数学と推理小説はとても似ている。
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作中作形式で描かれる犯人当てとそれにまつわる議論の全てが数学的知識をモティーフにしているすごい推理小説。
数学的厳密さが悪魔のようにミステリを解体してくその先に自分がミステリを大好きな理由が現れたりした。
見たいものを見ることこそがエンタメの本質なのかも。
第一話で科学捜査に拠らない古式ゆかしいミステリの限界がこれでもかと突きつけられ、もちろんその話の中でも解決は見られるけども
それがさらに最終話の流れと呼応するようで楽しかった。主人公の成長が見れたようで。
と同時に幕引きは主人公のある種の卒業を示唆してるようで切ない。でもこれはただの僕の勘違いかも。麻耶雄嵩っぽいなと思えて好きやが。 -
今年のこのミスで知って気になったので読んでみた。
華文ミステリははじめてで、思ったより読みやすくて驚いた。数学の難しいことはわからないが、純粋にミステリとして楽しく読めたし、麻耶雄嵩的なおもしろさがあるとこも高評価したくなる。ただ、最終話がやや尻切れとんぼに終わったので、もう一話ほしかった気もする。 -
2014年から2019年までに中国の雑誌などで発表された連続体仮説、フェルマー最後の事件、不動点定理、に書き下ろしのグランディ級数を加えて、2019年4月中国で出版。翻訳して2020年12月ハヤカワミステリ文庫刊。タイトル通りの少女達が作中ミステリをややこしく楽しく面白く考察するお話。少女達の会話としぐさにある華の部分と会話内容にある面倒な考えに翻弄されてしまいます。面白く不思議で、ちょっとついて行けないような世界でした。
著者プロフィール
陸秋槎の作品






数学は好きですが、算数は苦手な猫でした。って何の話、、、
カバー画から想像したのとは、全く違うみたいですが、どんな読者層を想定し...
数学は好きですが、算数は苦手な猫でした。って何の話、、、
カバー画から想像したのとは、全く違うみたいですが、どんな読者層を想定しているのかなぁ、、、
本格推理以外のお話の部分は、割と若い人向けだと思います。「ガールミーツガール」です。本格推理好きな若者向けかな~?
それから...
本格推理以外のお話の部分は、割と若い人向けだと思います。「ガールミーツガール」です。本格推理好きな若者向けかな~?
それから、猫丸さん、いいね!たくさんありがとうございました。いっぺんにお返しできないので、日を追ってお返ししますね。
納得、若い読者層開拓の本なんだ(短絡的?)
いいね!は趣味なので、お気になさらずに、、、
納得、若い読者層開拓の本なんだ(短絡的?)
いいね!は趣味なので、お気になさらずに、、、