罰と罪 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 早川書房 (2025年1月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (480ページ) / ISBN・EAN: 9784151864018

作品紹介・あらすじ

22年前、美しい女子大生を殺したのは誰だったのか――ソウル警察庁凶悪捜査チームは再捜査を決定するがそこで見えてきた真実とは

感想・レビュー・書評

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  • 初めは読み難かった。エンタメに特化せず、ドストエフスキーの世界観が随所に描かれていて、現場を仕切る新米刑事のジヘさんの影が薄くなっていたような気がして、下巻はないかな、と思った所、どんどん面白くなった。下巻楽しみ。

  • たまたま本屋でタイトルと帯をみて、ドストエフスキーが好きな私は読まずにはいられなかった。

    ドストエフスキー作品についてかなり書かれているので同じドストエフスキー好きと語り合っているような気持ちにもなれたし、単純にミステリとしても先が気になる展開で一気に読めた。
    ドストエフスキー作品を読んでいないとちょっととっつきにくいところもあるかもしれないけど、作中である程度の説明はしてくれるので全然ついていけないってことにはならないのじゃないかなと思う。

    下巻も楽しみ。

  • 感想は下巻で。

  • ん?罪と罰?と思って手に取ったら、罰と罪、だった。タイトルも面白そうだし、書影もそそられるしで、上下巻ほとんど迷わず買ってしまった。韓国のミステリー小説を読んでみたい、という気持ちもあった。
    もちろん、ドストエフスキーの罪と罰を反対にしていて、本全体の中にもところどころ、この作品の犯人と罪と罰の主人公とは反対であるようなことが語られる。犯人の独白というか手記というか、そういうものと主人公の刑事・ジヘが、事件の真相に近づいていく過程が交互に出てくる構成が面白い。
    個人的にはなんか犯人この人じゃないかなーと途中で思ってしまったので(根拠はなかったけど当たっていた)、ミステリー的なワクワクは少なく感じてしまったけど、犯人の動機の部分は虚を突かれた感じだった。この年月はなんだったのかと、思わずにいられないオチ。
    なんかこういう人間の欠損というか、実は最初から抉られているような部分を見せられる体験が、韓国の本を読んでいると多い気がして、そのなんともいえない心地よさがある。
    一気に読んでしまわされる、強さのある本だった。

  • 韓国の警察小説。
    22年前の事件を追う3人の刑事の動向と、犯人の独白が交互に続く。
    この巻の後半、被害者が所属していたドフトエフスキー小説を読む読書会のメンバーへの刑事のインタビューが始まるあたりから、犯人に近づいているような雰囲気が出始めるが、まだわからない。
    下巻を読むのが待ちきれない。

    内容とは別に、韓国語を勉強しているので、登場人物の名前や、ところどころに出てくる韓国語もとても興味深かった。
    ・アイゴ---女刑事ヨン・ジヘの口癖 「ああ、まあ、はあ」という意味の感嘆詞
    ・ノ・ナ・シロ---被害者の口癖 「あなた、わたしのこと、嫌いでしょ」の意

  • まさか韓国ミステリで『デミアン(デーミアン)』の痛烈な批判が読めるとは…痛快でした。

    ドストエフスキー好きなわたしとしてはまさかの韓国警察小説との融合を楽しんでいますが、そうでない人は戸惑うかもと心配になります。

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著者プロフィール

チャン・ガンミョン 張康明/장강명 1975年、ソウル生まれ。延世大学都市工学科卒業。建築関係で就職したが肌に合わず、新聞社「東亜日報」に入社し新聞記者となる。2011年、長編小説『漂白』で作家としてデビュー。現在は退職し文筆業に専念している。社会批評からSF まで幅広い作品で知られ、韓国文学に新しい活気を吹き込んでいる。ハンギョレ文学賞、秀林文学賞、済州4・3平和文学賞、文学トンネ作家賞などを受賞。
邦訳書に、『韓国が嫌いで』(吉良佳奈江 訳、ころから)、『我らが願いは戦争』(小西直子訳、新泉社)。そのほかの主な作品に、『コメント部隊』、『大晦日、またはあなたが世界を記憶する方式』など。

「2022年 『鳥は飛ぶのが楽しいか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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