闇より暗き我が祈り (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 早川書房 (2025年2月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784151865015

作品紹介・あらすじ

白人の父と黒人の母を持つ私立探偵ネイサンは牧師殺害事件の調査に乗り出す。彼は事件の鍵を握るUSBを手に入れたことで命を狙われ……

感想・レビュー・書評

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  • 牧師殺害事件の裏にはどんな秘密があったのか…人間関係のエモさに痺れっぱなし! #闇より暗き我が祈り

    ■あらすじ
    アメリカ南部ヴァージニア州、白人の父と黒人の母の間に生まれたネイサンは葬儀社に勤める青年。日々死体を扱う彼のもとに、教会の信者から牧師殺害事件の調査を相談される。

    彼は元保安官補佐であり、今の頼りない保安官では事件解決がされないと思われているからだ。調査を進めると牧師の裏の顔が見え始める、そして遂に命まで狙われることになり…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    2023年度このミス1位『頬に哀しみを刻め』で有名なS・Aコスビーのデビュー作。今回も鬼アツなノワールでしたね~、楽しませていただきました。

    本作の主人公ネイサンは葬儀屋に勤務する青年。彼は白人の父と黒人の母の間に生まれ、田舎町に根付く差別社会の中で生きてきた。元保安官補であり、さらにその前は海兵隊員という経歴の持ち主で、腕っぷしが超強い屈強の男。そんな彼がこの殺伐とした街で、私立探偵よろしく牧師殺害事件の調査していくことになるのです。

    毎度のことなんですが、コスビーが描く人間関係って、超エモいんすよ。ホント胸に沁みるの。主人公ネイサンと両親、ネイサンと仲間、ネイサンと女性。この関係性だけで十二分に読みごたえがあるの。

    まず両親がめっちゃいい人なんすよ、子育てに親の役割がどれだけ大事なのかがよくわかります。親の愛情ってのは重要ですよ、彼の両親がこの人たちでよかったとマジで思いましたね。

    仲間たちも血の通った優しい奴ばかりなんだよね、ただやってることはどうかと思うけど… そして綺麗なお姉さんリサですよ、一度でいいからこんな女性と恋愛してみたかったなぁ(遠い目

    ノワールといえば暴力シーン、今回も迫力満点です。被害者は教会の牧師であり、ネイサンも死体を扱う聖職者に近い職業。やってることはかなり酷いんだけど、生き抜くには仕方ない気がしてくるんですよね。保安官たちも全く信用ならんし。

    正義を振りかざすんじゃなくて、生きるために現実的に戦うってのはこういうことなんですよ。最近のアメリカ見てると、まさにこんな感じがするなー

    物語が後半に入ると事件の真相が見え始め、ケジメを付ける場面がやってくる。想像以上のゲスさと醜悪さにひっくり返りそうになりますが、絆の熱さに痺れましたね。

    ■ぜっさん推しポイント
    ずっと本書のタイトルがピンと来てなかったのですが、最後まで読むと少し理解ができました人間の望む幸せってのは、キレイごとを言ってもどこまでも業が深く、罪深いものです。

    筋が通ったクールなことをしているように見えるけど、やってることはただの醜い争い。でも生き抜くってそういうことなんだよな。

    • ちぃさん
      こんばんは。新作読まれたのですね!
      楽しみにしている作品です。
      ちょっと薄目でレビューを読ませていただきました。
      こんばんは。新作読まれたのですね!
      楽しみにしている作品です。
      ちょっと薄目でレビューを読ませていただきました。
      2025/03/04
    • autumn522akiさん
      ちぃさん、こんばんわですー
      そうなの、すぐに読んでしまったの。期待通りの熱いお話でした^^
      ネタバレはしてないつもりだけど、書き過ぎちゃ...
      ちぃさん、こんばんわですー
      そうなの、すぐに読んでしまったの。期待通りの熱いお話でした^^
      ネタバレはしてないつもりだけど、書き過ぎちゃってたらごめんなさい
      薄目で、なんとなく感じていただくぐらいで読んだってくださいmm
      2025/03/04
    • ちぃさん
      じっくり読みたい気持ちはここではぐっと抑えて…。
      自分が読み終えたらまた伺います〜。
      じっくり読みたい気持ちはここではぐっと抑えて…。
      自分が読み終えたらまた伺います〜。
      2025/03/05
  • あのS・A・コスビーのデビュー作
    そりゃ、読まないとダメでしょ!


    S・A・コスビーと言えば、、、

    強盗稼業から一度足を洗った男がまた犯罪に巻きこまれていく話で、アンソニー賞、マカヴィティ賞、バリー賞というミステリ主要三賞のほか、数々の受賞を果たした『黒き荒野の果て』


    ゲイのカップルを惨殺された父親たちが犯人を捜して復讐する話で、『黒き荒野の果て』と同じ三賞を二年連続で受賞した『頬に哀しみを刻め』


    黒人保安官がひと癖もふた癖もある部下を率いて連続殺人犯を追う話で、アンソニー賞やエドガー賞に輝いた『すべての罪は血を流す』


    これらの作品があり、もうどの作品も面白い!

    『黒き荒野の果て』の原書刊行が2020年ということで、わずか4年あまりでこれだけの業績をあげたのは異例中の異例らしいです

    そりゃ、このデビュー作も読まないとダメでしょ!


    コスビー作品の一番の魅力は登場人物
    特に、暴力的でとにかく強い主人公が最高にカッコいい!
    本作の主人公ネイサン(ネイト)・ウェイメイカーの怒りから解き放たれた暴力も最高に痺れる

    そりゃ、このデビュー作も読まないとダメでしょ!


    コスビーの作品が好きなあなたも、まだ読んだことないあなたも、そりゃ、読まないとダメでしょ!

    • yukimisakeさん
      その2作を抑えてるあたりが流石ですね!
      その2作を抑えてるあたりが流石ですね!
      2025/04/03
    • 1Q84O1さん
      ユッキーさん

      そうそうあのコスビーさんですよ!
      3作目も、これも、そりゃ読まないとダメでしょ!w
      ユッキーさん

      そうそうあのコスビーさんですよ!
      3作目も、これも、そりゃ読まないとダメでしょ!w
      2025/04/03
    • 1Q84O1さん
      ultramanさん

      翻訳本の有名どころは何にも読んでません!w
      ultramanさん

      翻訳本の有名どころは何にも読んでません!w
      2025/04/03
  • S・A・コスビー『闇より暗き我が祈り』ハヤカワ文庫。

    ハーパーBOOKSから刊行された『黒き荒野の果て』と『頬に哀しみを刻め』、『すべての罪は血を流す』の3作は非常にレベルの高い作品だったが、ハヤカワ文庫から刊行された本作はどうだろうか。

    デビュー作のようだ。主人公は白人の父親と黒人の母親との間に産まれたネイサン・ウェイメーカーという名の葬儀社で働く青年なのだが、ウザいくらいにジョークを飛ばすので、せっかくのハードボイルド・ピカレスクが台無しになっている。

    やはり、『頬に哀しみを刻め』、『すべての罪は血を流す』の2作には到底及ばないようだ。無論、『黒き荒野の果て』にも劣るような出来栄えだった。しかし、これがデビュー作であることを思えば、まずまずの出来てはないだろうか。


    従兄弟が経営する葬儀社で働く主人公のネイサン・ウェイメーカーに拳銃自殺した教会牧師イーソー・ワトキンスの死に疑問を抱く2人の高齢女性信者が真相の解明を依頼する。

    かつて保安官補を務めていたネイサンは古巣の保安官に教会牧師の死に関して質問をするが、既に自殺として決着したと袖にされる。仕方無く、別ルートから調査を進めるネイサンは次々と暴力の渦に巻き込まれていく。

    やがて辿り着いた死の真相とは……

    本体価格1,300円
    ★★★

  • デビュー作から一貫してたとこれを読めば分かる。頬に悲しみを刻めが1番好きで、これが2番目かな。
    主人公が暴力のスイッチを入れられる瞬間がかっこいい。お母さんの言葉も素晴らしい。景色が真っ白になって、痛みを無視して暴力をふるう。
    91ページで主人公に完璧に感情移入させられた。
    1番ムカつくヴィクターを生かしておくのがフェアなとこだなって感じた。

    会話の楽しさはこれが1番。
    1ページに1つくらいウィットに富んだやり取りがあってそれだけでもう最高ですね!
    次作が今年の6月に本国では出るらしいのでそれまでに2作目読みたい。

    とにかくできるだけ地獄に近くなるように深く埋めて

    大好きだったことをしている最中に亡くなったんでしょうね

    毎年クリスマスになると、家をライトで飾りまくり、そのあまりのまぶしさで、月を通りかかったエイリアンの眼が見えなくなるほどだ。

  •  S.Aコスビーの最新刊。が、作品としては彼の長編デビュー作である。
    既に刊行されている前3作を通して描かれる圧倒的な暴力と黒人社会の悲哀の原点ともなる作品である。
     黒人として必要悪である暴力と共に生きる男の切なさ、やるせなさが、読む者の胸に迫ってくるのがコスビーの作品だが、本作を読むと、一作ごとに彼の筆力がアップしていることを感じる。そのため、本作は辛口で星一つ減らしているが、興奮する作品には違いない。

     アメリカの南部精神と黒人の魂を持つ、コスビーの描く男達から血と涙と汗が飛び散る。今、私の中ではもっとも気になる作家である。

  • 葬儀社ではたらくネイサンが主人公のノワール。
    南部ヴァージニアでの話しだから何でもありかなとは思ったけど、さすがに良かった。

  • 去年から少しずつ読んでいるS・A・コスビーのデビュー作。最新作かと思っていたらデビュー作だった。最初に「頬に哀しみを刻め」を読んでしまったので、これがやっぱり今の最高地点かなと思うけど、デビュー時からノワール小説の旗手として評価されているのもうなずける内容だった。

    アメリカ南部の田舎町でいとこと一緒に葬儀屋に務めるネイサンが主人公。この作品でもアメリカ南部、黒人への人種差別が背景にあり、暴力と家族をはじめとした人間関係が鮮やかに緻密に描かれているのは後続の作品と共通している。残虐性では前回に読んだ「すべての罪は血を流す」が一番きつかったが、こちらではネイサンむき出しの怒りが暴力として現れる。綺麗事ではどうにもならない感情、衝動と暴力の結びつきを克明に描けるのはコスビーならではなのだと思う。

    一つの事件からその背後に隠れた闇が見え隠れしながら、やがて真相にたどり着く過程はミステリーとしての醍醐味も味わえる。腐敗と差別の渦巻く街で殺伐とした人間模様だけでなく、家族との絆や今回は恋愛要素もあって、生きることのリアリティを情感豊かに楽しめる作品。今回の作品も読めてよかった。

  • S・A・コスビーのデビュー作。
    田舎町で葬儀社に勤める元海兵隊で元保安官補のネイサンは、イーソー・ワトキンス牧師死亡の調査を信徒から依頼される。表向きは自殺と噂されるが、腐敗した保安官事務所は詳細を語ろうとせず何か怪しい。調査を進めると、牧師周辺のきな臭い関係が明らかになってくる。

    デビュー作だけあり、コスビー作品のエッセンスが濃縮されている。片田舎の中だけで物事が進むので物語のスケール感は小さく、後の作品で見られる社会問題まで盛り込むストーリーの深みみたいなものはあまりない印象で、わりとサラッと読めてしまうのだが、展開の面白さはさすが。ネイサンの相棒スカンクがあまりにも無敵で、都合の良い便利屋すぎるのが少し気になった。

  • ヴァージニア州の田舎町で葬儀社に勤めるネイサンは、イーソー牧師殺害事件の調査を信徒から依頼される。腐敗した保安官事務所があてにならないからだ。調査のなかで次第に、牧師に裏の顔があったことが判明する。有権者やギャングからの多額の寄付は何を意味するのか。町を支配する暴力から目を背ける神と保安官に代わり、自分の力だけで解決しようとネイサンは決意するが...現代ノワール小説の俊英の鮮烈なデビュー作。

    圧倒的な暴力描写。

  • フッドのトラブルシューターかと思って読み始めたらパニッシャーだった。作家も過ごしたのであろう南部の狭いコミニティを舞台に、「デビュー作には作家のすべてがあらわれる」という言葉通り、体験した、そこにあったはずの闇も暴力や差別も、音楽や文学、カルチャーも、土地の情景や暗黙のルールも言葉に文章にして、主人公の学んだ哲学に沿って言えば、血と一緒にスピットされる。過剰とも言えるほど盛り込まれて少し歪にも感じられるけれど、暴力的に色々なものを薙ぎ倒しながら突き進んでいく、めちゃくちゃ読ませる小説。サザン・パニッシャー・ノベル。最高だった。

    暴力で「解決」しようとすることは「最高」とは言いづらい気もするけれど、他の方法と同じようにそれで改善することも悪化することもあるし、どんな方法でも解決することができないことは人生と同じようにある。それでも何かせずに、足掻かずにはいられない人々の姿というのは、小説が描くべきもので、それがリアリティをもって描かれている小説はやはり最高だと言いたい。

    主人公がまだ暴力に目覚める前、少年時代に「マーベル・コミックのパニッシャーが出てくる一冊」を読んでいるのは、主人公と物語の行く末を暗示しているし、主人公が海兵隊に入隊するのはパニッシャーことフランク・キャッスルの影響もあるのではないかと、と思い込んでいる。
    この小説もそうだけれど、アメリカの小説では海兵隊に所属していたことが登場人物の強さを担保していることが良くある。それは少し安易な気もするけれど、海兵隊(「は一生海兵隊だ」)を描くことはアメリカを描くことにもなる、というような気もしている。そういえばジョン・バーンサル版の『パニッシャー』は敵味方殆どが海兵隊員というアメリカを描いた凄まじいドラマだった。傑作。

    そんな感想と妄想と連想に、まだ言葉になっていない色々を誰かとの会話のなかで前のめりでスピットしたい。わたしの話を聞いてくれ。そう、わたしは今テンションが上がっているのだ……一旦落ち着いてもう一度読み直してそんな機会に備えておこう。

  • S・A・コスビーのデビュー作。
    『暗き荒野の果て』『頬に哀しみを刻め』『すべての罪は血を流す』という、その後の作品同様にアメリカ南部の田舎で暮らす黒人の社会と生きづらさ、そしてその社会の闇が描かれている。

    主人公ネイサン・ウェイメイカーはかつて保安官として働いていたが、ある事件をきっかけに保安官を辞め、現在は従兄弟が経営している葬儀屋で働いている。
    バプテスト教会の牧師イーソー・ワトキンスが死体で見つかり、警察は自殺として処理される。しかし、その処理に不審な点を感じた信徒からネイサンに実際には何があったのか事件の調査をしてほしいと頼まれる。
    イーソー・ワトキンスを調べていくと牧師が働いていた教会に異様に高い寄付が定期的に支払われていることを知り、イーソー・ワトキンスが裏で何かをやっていたということも掴む。
    しかし、その情報を知ったことでネイソンは命を狙われはじめる。

    デビュー作にしてこのクオリティはさすがS・A・コスビーだと驚いた。
    それ以降の作品はより鋭さが増している印象を受け、本作は少し荒唐無稽さを感じた。とは言っても馬鹿らしいとかそういうものではなくてエンタメ性が高いというか、ちょっとズルいキャラクターのスカンクという人物がいる。
    このスカンクという人物が何者なのか気になってしまって、スピンオフをくれ、という気持ちになってしまった笑


    つい先日、最新作の『King of Ashes』も刊行された。既にかなり高い評価で、こちらは早速NetflixでスピルバーグのAmblinとオバマ夫妻の製作会社はHigher Ground Productionsでドラマ化が決まったらしい。
    邦訳も楽しみだが、映像化も楽しみだ。

  • 最新作にしては荒削りだなと思いながら読んだらそれもそのはずで長編デビュー作が後追いで翻訳された作品だった。
    ただ後々の作品の主人公に受け継がれる性質を複数もった主人公や、お馴染みの容赦ない暴力描写と艶のある愛情表現描写が既にあって楽しめた。

  • 素直にカッコいいと読めればいいけど。倫理観次第。

  • コスビーのデビュー作ではあるけれど、正直これを先に読んでいたら他の3作品に手が伸びていたかどうか微妙なところだったかな。
    ただ、結果的に日本では3作品が先に翻訳されたことでお気に入りの作家さんとなり、その流れでこのデビュー作を読めたのは良かった。コスビーの良さはこの後どんどん磨きがかかっていったんだろうけど、ルールに縛られない主人公の魅力が詰まった本作でした。

  • 初めてこの作家さんの作品読みましたが、暴力的すぎて私には合わなかったです…。
    ストーリーはおもしろかったです。

  • S・A・コスビーのデビュー作。
    本当にデビュー作?と思える面白さ。これまで読んだ主人公たちと比べて軽快で明るい。海外ドラマでも見ているようなウィットに富んだジョークというやつがとにかく多くて、日本人的には意味がわからないものもあるけど、なんかとにかくカッコいいと感じる。この、とにかくカッコいい、は読書へのとっかかりとして大事だなと感じる。
    テーマはこのミス受賞作や最新作なんかと比べるとそこまで重くはないけど、主人公の家族や血縁への関わり方には愛があり、愛があるから彼を暴力に走らせるんだなと思った。
    個人的には『頬に哀しみを刻め』を超えるものではなかったけど、読後感は爽やかで(こんなに人が死んでて汚物の描写もあって爽やかでいいのか?とも思うけど)読みやすい。良い本でした。

  • 面白かった。S・A・コスビーの「頬に哀しみを刻め」と「すべての罪は血を流す」の2作を混ぜて、ギュッ!と簡略化した様な、ストーリー展開。
    既視感は否めないものの、相変わらずの読みやすさと面白さ。長編5作目も英語圏で出版されており、邦訳されるのがとても楽しみ。

  • 作者のデビュー作。主人公のネイサンは、生まれ故郷の田舎町で葬儀社に勤めている。過去に保安官補だったが、両親が死んだ事故を不当に扱われてブチギレ、退職していた。ネイサンは、町で人気の牧師が殺害された事件の調査を信徒から依頼される。昔の知り合いに話を聞く程度でお茶を濁そうとしたが、生前の牧師の裏の顔が徐々に明らかになり、さらに調査を進めていく。
    黒人である主人公は、理不尽な目にあい権力者たちから不当に扱われる状態に、屈せずに暴力を使ってでも抗おうとする。その暴力は激烈でいっそすがすがしく、主人公のタフな陽気さとあいまって、ノワールではあるけれど陰気な感じはしない。そこが長所でもあるが、一方で人を殺すことが軽く扱われることに違和感も感じた。

  • 先に読んだ3作が良すぎて、これはあまりにも平凡で残念。最後の方は飛ばし読みをしたくらい。
    新作はどうなんだろう。翻訳されるのが楽しみな作家が出来て嬉しかったのだけど、少し心配になってきた。
    しかし、年がら年中卑猥な単語をホントに言っているのかな。
    それが知りたい。

  • SAコスビーのデビュー作。何故かハヤカワから刊行されている(ハーパーは版権を抑えれんかったか?)

    この後の作品の原点なんだから当然だが、コスビーらしい、犯罪と暴力と差別まみれのアメリカで、それでも芯を通して生きる男の物語。

    いわばバタ臭く作り直した。健さんの任侠映画っぽい感じ、主人公は常人とは思えないくらいにケンカが強く、やたらと女性にもてて、敵もそれなりにいるけど友達も多く、辛い過去を背負っているとはいえ、以降の作品の主人公ほどには不幸な人ではない。

    その設定が、とにかく書きたいように書いた小説なんだろうなと思われて、その気分に乗れると小説を読むスピードもモチベーションも上がってくる。

    エエ奴とは仲良く、ヒロインとは情事に溺れて、悪いヤツをやっつけるカタルシスもたっぷり。余韻の残るラストまで、やりたいようにやりやがって、エエなぁコスビーと思えてしまう、暴力的な割に気持ちよい小説

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