ボリス・ヴィアン全集〈4〉北京の秋

  • 早川書房
3.33
  • (1)
  • (7)
  • (8)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 74
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152002549

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 4-15-200254-9 390p 1998・3・31 5版

  • 再読時にはこういう状況で読みたい:
    盛夏、閑静というよりは辺鄙、な山荘で。
    珍しく家人より早起きして朝食を作る。食後、おもむろに「今日は『北京の秋』、読むから」と宣言。「あ、そう」
    木陰。ベランダの隅。太陽に合わせて移動。「お昼だよー」「んー」生返事。家人も見越して用意していなかったりする。日が翳り始めた頃、読了。
    なーんてね~。
    恩田陸「MAZE」の神原恵弥を仲間に入れてやりたいと思った。

  • 更新が滞り、さうかうしてゐる内に早くも年末がやつてまゐりました。巷の人々は皆浮かれ、街に繰り出してゐるのであります。
    先達ての金曜日には、名鉄豊田市駅前もごつた返し、タクシーの客待ちが東口・西口とも100人超といふありさまでした。さう、このわたくしも、その浮かれる群衆に混じる一人であつたといふ訳であります。

    かうして見ると、三河線のやうなローカル線でも、立派に人様の役に立つてゐることが分かります。しかし、砂漠の真真中にもし鉄道があつたら...? そんな鉄道に誰が乗る? そもそも砂漠に鉄道を敷設しやうなどとは、普通の堅気人なら考へないでせう。
    ところがボリス・ヴィアンの世界では常識は通用しないのでした。それが『北京の秋』であります。

    アマディス・デュデュはバスに乗らうとしてゐました。しかし様様な妨害に遭ひ、中中乗れないのであります。やつとのことで乗つたバスは、エグゾポタミーなる土地へ向つて走り続けます。
    クロード・レオンは心ならずも殺人を犯し、世捨人になるべくプチジャン師に導かれてエグゾポタミーを目指します。
    アンヌ(男)は偶然知り合つた男の代役としてエグゾポタミーへ赴く契約を結びます。そして友人のアンジェルと、アンヌの彼女・ロッシェルも一緒に行くことに。
    医者のマンジュマンシュ教授も、キャンプの主任医師として招かれます。助手のインターンともども、エグゾポタミーへ。

    主要人物が続々とエグゾポタミーへ集結します。エグゾポタミーとは、巨大な砂漠。そこに立派な鉄道を建設するといふのが、『北京の秋』の粗筋。文字通り粗筋ですが、まああまり筋は重要ではないみたいです。
    登場人物たちは、常に読者の意表をついた行動を起します。読者は読みながら迷宮に迷ひ込む自分を感じ、不安に苛まれますが、まあ言つてみれば心地良い不安ですね。

    説明するより読んでもらふのが一番ですな。残念ながら文庫化はされてゐないやうですが、ま、古本屋でも覘いて見てくださいな。

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-139.html

  • 北京も秋も関係のないお話。 のっけからボリス・ヴィアンらしい、突飛なヘンテコワールド炸裂です。
    そんな彼の小説についついはまってしまいます。

  • 北京の秋 所収

  • どっかの砂漠に鉄道を作るってのが一応の筋。季節はたぶん夏。北京でも秋でもないじゃん!内容も不条理ワールド全開で終始一貫して意味不明。けど、面白い。
    メモ。①若いインターンが椅子に睡眠薬を大量投与する、ていう医療ミスを犯すとこ。②砂漠でライオンを捕まえるためには、砂漠をふるいにかければいい、てとこ。

  • 北京の秋

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

(Boris Vian) 1920年、パリ郊外に生まれる。エンジニア、小説家、詩人、劇作家、翻訳家、作詞・作曲家、ジャズ・トランペッター、歌手、俳優、ジャズ評論家など、さまざまな分野で特異な才能を発揮した稀代のマルチ・アーチスト。第二次大戦直後、「実存主義的穴倉酒場」の流行とともに一躍パリの知的・文化的中心地となったサン=ジェルマン=デ=プレにおいて、「戦後」を体現する「華やかな同時代人」として人々の注目を集め、「サン=ジェルマン=デ=プレのプリンス」 とも称される。1946年に翻訳作品を装って発表した小説『墓に唾をかけろ』が「良俗を害する」として告発され、それ以後、正当な作家としての評価を得られぬまま、1959年6月23日、心臓発作により39歳でこの世を去る。生前に親交のあったサルトルやボーヴォワール、コクトー、クノーといった作家たちの支持もあり、死後数年してようやくその著作が再評価されはじめ、1960年代後半には若者たちの間で爆発的なヴィアン・ブームが起こる。

「2005年 『サン=ジェルマン=デ=プレ入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ボリス・ヴィアンの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ドストエフスキー
レーモン クノー
三島由紀夫
ボリス ヴィアン
岡崎 京子
トルーマン カポ...
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×