グレアム・グリーン全集〈15〉ハバナの男

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152003157

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  • 「ハバナの男」キューバに住む冴えない掃除機販売代理店を営むワーモルド。妻に逃げられ、美しいがわがままな娘だけを生き甲斐にしている彼に、イギリス諜報部の男が多額の報酬と引き換えにスパイになれと言う。何故彼が選ばれたのか分からず唐突だが、娘の為に金が欲しかったワーモルドは引き受ける。だがスパイする気なんてさらさらなく、苦し紛れに次々と架空の諜報員をしたて、偽の情報を作り出す。冴えない中年男が意外にも素晴らしい創作を作り出すのもおかしいし、イギリス本部の人間も、欲している情報であれば頭から信じてしまうのも笑える。次第に収拾つかなくなってワーモルドが真実を告白してるのに、信じてもらえない会話とかはコメディだ。ワーモルドのロマンスも良い味を添えている。

  • トム・ハーディへのインタビューで、映画インセプションで彼が演じた役(イームス)のモデルの一人であるというのを知って読んだ。
    最初はホーソンがそのモデル?と思ったけど、最後まで読むと主人公の方かなぁと。old manって言ってたしやっぱりそっちか。

    内容は最初はなんだか展開が読みやすい昔の小説という印象で正直あまり面白くなかったんだけど、途中から怒涛の展開、主人公の変貌…いや変貌は寧ろ見事にしておらず終始一貫しているんだけどそのブレなさがどんどん得体の知れない印象を与え、この周りの登場人物や読者がいかに主人公を見誤っていたかに気づくという。こういう騙され方はとても面白い。
    そして感情描写が少ない分想像が掻き立てられて良い。

    恋愛物としても、こういう実は最初から一目惚れだったんですみたいな展開ツボ。
    キャラクターもみんな個性的で一筋縄ではいかない感じ、グリーンのその土地の描写の巧さ、全体的にとてもハマったのでこれはまた読み返してしまうタイプの本だな。多分読む度にダイキリを飲みたくなるね。

  • ハバナの男という小説。キューバ革命の舞台を茶化した小説であるが、分かりやすいハバナの舞台である。

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著者プロフィール

Henry Graham Greene (2 October 1904 – 3 April 1991)

「2012年 『なぜ書くか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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