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Amazon.co.jp ・本 (408ページ) / ISBN・EAN: 9784152033444
感想・レビュー・書評
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日本のSF作家の中で誰が一番好きか?と聞かれたら、私は迷わず彼の名前をあげます。
中学の頃、少ない小遣いで、毎月一冊づつ集めたグリーンの背表紙が、本棚の1列を埋めていくのを見るのは、本当にワクワクしました。
当時読んだ本がすでに無くなっているので、新しく出たらしいものを探して、続き物は1巻目だけの登録にしていますが、多分眉村さんの作品は9割は読んでいるはず。
この作品は彼の代表作にあたる作品だと思っていますが、司政官シリーズの中でもかなり読み応えのある作品です。
宇宙に飛び出した人類の活劇は世界にたくさんありますが、活劇ばかりが宇宙への進出じゃない。それをこういう風に書くのが日本のSFなんだよと、語ってしまったことがあります。
今でもその気持ちはあまり変化がありません。
こういう書き方は、日本人の気質にあってると思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
司政官シリーズの中でも最大作。「華竜の宴」を読んでこのシリーズが思い起こされ、古本屋から探し出してとっておいた本作に遂に着手。
様々な植民惑星に派遣された司政官達が遭遇する困難にどのように立ち向かっていくかを描くシリーズです。植民されたばかりの星での原住民とのトラブルに対処したり、超新星化する恒星を廻る惑星から数億の住人を退避させるなか、理解を得るために板挟みにあって苦労する、いわば役人SFなのです。部下の官僚は全員ロボットという実に合理化が進んだ組織の孤独な存在。
今回はさらに厳しいシチュエーション。なんと自分の出身惑星に赴任させられ、内紛を起こさせて疲弊させ連邦への反抗をおさえこもうというミッション。もうこちらが飲まずにはいられないです。
こんなやり切れない仕事をこなしていく姿を地味にみっちりと描いていくのですが、その長さが苦にならないのはなぜ?
またまだ先は長いぞ、ガンバレ、キタ司政官!
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