カルテット

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152033710

作品紹介・あらすじ

1920年代、ジャズの鳴り響く黄金時代のパリ。冬霧に濡れたモンパルナスの石畳に、紫煙たなびくカフェに、アールデコの衣裳をまとった人々が群れ集う。そんな華やぎをよそに、ひっそりとパリに流れてきた女マリヤは、ある日突然ささやかな安寧をも奪われた。ポーランド人の夫ステファンが、美術品窃盗の罪で逮捕され、刑務所に入れられたのだ。そこへ手を差しのべてきたのは、同じ英国人のハイドラー夫妻-パリの芸術家のパトロンとして有名だった。マリヤは夫妻の自宅へ引き取られ、カフェへ、ナイトクラブへ、三人で繰り出す夜が続いた。やがて、ハイドラーがマリヤに言い寄ってきた。はじめは拒絶して出て行こうとしたマリヤだが、夫の浮気を黙認する妻ロイスに引きとめられ、よるべなさについハイドラーに身をまかせてしまう。そして引きずりこまれていく愛の罠-。ジェイムズ・アイヴォリイ監督が惚れこんで映像化した、英国女流作家の秀作。

著者プロフィール

1890-1979年、カリブ海に浮かぶイギリス領ドミニカ島に生まれる。16歳のときにロンドンのバース女子校に入学するが、1年あまりで退学。演劇を志し、アカデミー・オブ・ドラマティック・アートに進むが、中途で挫折。シャンソン歌手でフランスのスパイとされるジャン・ロングレが最初の夫で、結婚は計三度。
1927年のデビュー作『セーヌ左岸およびその他の短篇』の刊行はモダニズムの立役者の一人フォード・マドックス・フォードの尽力によるものだった。『カルテット』など長篇の評価は高かったが、次第に忘れられた作家となる。40年代後半に『真夜中よ、おはよう』がラジオドラマ化されて、それを期に復活。60代で代表作『サルガッソーの広い海』を発表し、作家としての評価を決定的なものにする。
終生波乱と困窮と飲酒に彩られた人生を送った。現代文学の基礎を作った作家の一人である。

「2022年 『あの人たちが本を焼いた日 ジーン・リース短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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