バベルの薫り

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 36
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (523ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152034922

感想・レビュー・書評

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  • ベストSF90年代年5位

    mmsn01-

    【要約】


    【ノート】

  • 本当は文庫上下巻で発売後大分経ってから読んだが、
    個別にコメントする気になれないので、こっちを登録。
    物凄く雑に言ってしまえば、
    硬質なSF世界を構築し、文明批判をブチ上げつつ、
    エロ要素を盛り込んだ――といった印象。
    そのノリは、実は初期作品から一貫している風なんだけど、
    初期は美青年・美少年同士の恋愛要素が入っていても
    描写がさりげなかったので「まあそういうもんか」といった調子で
    楽しんで読めた……が。
    ここまでクドクなっちゃうと、もう、SF&文明批判に色気づけ、
    というより、エロ描写がメインじゃないのかと思えてしまって、
    正直げんなり。
    そんなこんなで、この作品より後に出た本は一切読んでいない。
    いや、決して、エロや、
    延いては男色モノを否定する気はないのです。
    それはそれでいいんだけど、
    自分が読みたい小説とは違うからなぁ……という意味。
    で、長らく、
    レモン・トロツキーシリーズ最終編「Trial And Terror」の発表を
    待ち望んでいる身ではあるけれども、
    漠然とした不安を覚えてしまうのでありました(笑)

  • 野阿梓の最高傑作といえばこれになるんじゃないのかな……レモンシリーズのほうがいいという人もいるかもしれないけど、バベルはこの分厚い一冊で世界のすべてが完結しているという意味で、これかと。天皇制と後天性免疫不全症候群をテーマにしていると野阿氏のサイトに書かれていて、ものすごくびっくりした。天皇制はわかるんだけど、エイズ……! 気づかなかった。舞台となる井光市は学園都市であり、そこに古来からの澱の沈殿した血族が存在し、外部からの侵入者(ヒロインとその義弟)によってそこで行われていたバランスの免疫系が不全となり崩壊してゆく。……というのがエイズ部分らしいけれど、なかなか理解できない。SFは世界ではなく都市を造形するものだ、とわたしは思っている。野阿梓はそれが顕著だと思うし、だから好き。展開した事象がさながら塔の先端にむかって収斂してゆく様子がともかくすばらしい。

  • バベルの薫り

  • ●エロシーンが長いー、長すぎるぅ〜〜。(←ってひどい感想だなあこれ。)

    ●世代柄、菊地秀行や夢枕獏のエログロバイオレンス巨編(笑)はそれなりに読んでたんですが、その自分の目をもってしても長かった、しみじみ。
    ストーリー的には必要なシーンなんでしょうけどねえ。むう。
    おかげさんで、その展開までに培われた神話学(?)文化人類学(??)的な衒学的部分(・・・)とか、月面のネオ上海のイメージが、どっかに吹っ飛んでしまったのでした。
    私としては、ずっとネオ上海で展開してくれた方がよかったんですけどね。呂大人の庭園はカッコいいよ。戦時中の魔都上海的イメージが炸裂です。
    “新上海電影の天勝理事長”って、おステキ〜♪(←いちおうこのキャラも大×栄もどきを暗殺しているようです・・・そういや『甘粕大尉』の文庫持ってたな・・・。)

    ●しかしこれの読者層って、いちおうSF者を想定してるんでしょうかね?
    てか、帝都×語や幻×大戦あたり??
    隠れターゲットは、なつかしのJ×NE読者あたりだったりすると見た。
    そう言うイメージで読んでよし。(断言)

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著者プロフィール

1954年福岡県生まれ。西南学院大学文学部卒。短篇「花狩人」が第5回ハヤカワ・SFコンテスト入選第1席を受賞してデビュー。主な作品に、『武装音楽祭』など美貌のテロリストを主人公とする『レモン・トロツキー』シリーズ、『バベルの薫り』『月光のイドラ』『ソドムの林檎』『伯林星列』などがある。

「2018年 『月夜見エクリプス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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