生は彼方に 新装版

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152035288

作品紹介・あらすじ

いかにして人は詩人になるのか、いかにして革命家になるのか?恐るべき問題提起をする瑞々しい芸術小説。仏メディシス賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 亡命先のフランスで出版されたミランクンデラ1973年の代表作のひとつ。
    共産化の嵐が吹き荒れるチェコスロバキアにおける若き詩人ヤロミールとその母親の悲劇の物語。著者自身もそうであったように母子も時代に翻弄され、その生と自我に悩み抗う。
    愚かさは悲劇を生み出すが、果たしてその愚かさはその人個人の責任だろうか?丁寧に描かれる母子の心情に読者は親愛と同情を持って寄り添う。
    チェコを代表する文化人であった著者はプラハの春、その後の激烈な共産化に翻弄されたその数奇な運命によっても大いに関心を引くが、作品にもイデオロギーへの強烈な批判と人間への情愛が溢れている。本著は一部自伝的な作品だが、主人公の無垢で愚かなキャラクターは過去の自分への自虐でもあるのだろうか。
    本書を読み始めたときに著者の逝去のニュースをみて驚いた。合掌。

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著者プロフィール

1929年、チェコ生まれ。「プラハの春」以降、国内で発禁となり、75年フランスに亡命。主な著書に『冗談』『笑いと忘却の書』『不滅』他。

「2020年 『邂逅 クンデラ文学・芸術論集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ミラン・クンデラの作品

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