めぐり逢う朝

  • 早川書房
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本棚登録 : 43
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152035448

感想・レビュー・書評

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  • 読んだあとから、細部を反芻してじわじわっとする話だった。短いながら、ゆっくり読むのがふさわしいような。物語のあらすじよりは、音楽とは何か、何のためにあるのか、をしばしば考えさせられる。答えは小説内で語られ、表現されていても、それはサンド・コロンブ氏の考えであって、ひとつの正解を導き得ることは到底できないだろうが、少なくとも彼の答えから大きく外れては、音楽の恩恵にあずかることはできないだろう、と思われた。感動ではないけれど、じんわりする本だった。

  • こちらのバージョンが図書館であったので。
    文体も読みやすく、ページ数も少なく苦労なく読む事のできる本。
     しかしながら、主人公の音楽への向き合い方等後で考えされられる作品

  • 17世紀仏蘭西、ヴィオールを弾く男の物語。サント・コロンブ氏の不器用ながらも音楽に真摯で妻への愛を謳う姿に心を打たれた。キニャールらしい無駄の無い簡潔な文章がまたサント・コロンブ氏の素朴さと相まって良い。ラストは本当に美しいと思った。

  • 復刊しないかな、、、
    対談 パスカル・キニャール + 津島佑子(司会=川竹英克) | Institut français du Japon - Tokyo
    本からスクリーンへ:パスカル・キニャール原作 『めぐり逢う朝』 | Institut français du Japon - Tokyo
    http://www.institutfrancais.jp/tokyo/events-manager/feuillesdautomne/

    早川書房のPR
    「17世紀、絢爛たる宮廷音楽の時代。ヴィオールを弾く二人の天才は、妻や恋人との悲劇を超えて、厳粛で官能的な音の織りなすバロックの世界へ旅立った。そして―世界のすべての朝は二度と戻ってこない。 」

  • 読んだはずなのに登録していなかった。また読もう。

  • 時の経過や17世紀の生活が、美しく繊細に彩られた物語だった。
    読後いまだ脳内にあるのは、静謐な室内で響いているヴィオールの低音(かは聴いたことが無いので知らないが想像)と一人の天才の愛するが故の無念の悲しみ。そしてどういうわけか、常に夜を重ねてしまう。闇の中に浮かぶろうそくの火の揺らめきが、悲しみだったり音だったりを彷彿させるのだと思う。官能的描写も美しいのだが、それはこの小説において昼を思わせる気がする。

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著者プロフィール

1948年、ノルマンディー地方ユール県に生まれる。父方は代々オルガン奏者の家系で、母方は文法学者の家系。レヴィナスのもとで哲学を学び、ガリマール社に勤務したのち、作家業に専心。古代と現代を縦横無尽に往来し、時空を超えたエクリチュールへ読者を誘う作品を精力的に発表しつづけている。

「2022年 『楽園のおもかげ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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