- Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152077141
作品紹介・あらすじ
。そこでは、バイオテクロノジーを駆使して現代に甦ったティラノサウルスをはじめとする15種類の恐竜たちが、コンピュータで管理された環境の中を闊歩していたのだ!オープンをひかえて、創設者のハモンドは視察のための顧問団を島に迎えることになった。古生物学者、古植物学者、数学者-それにハモンドの係である二人の子供たち。さっそく園内ツアーに出発した彼らは、奇跡を目前にして驚嘆した。ところが、完璧にコントロールされているはずのシステムは、じつはひそかに破綻していたのだ。そして、人類がいまだかつて体験したことのない凄じいパニックが、彼らを待ち受けていた!
感想・レビュー・書評
-
▼推薦科目/推薦者
地球生物圏と人間/佐藤圭先生
▼推薦理由
同作を原作とした映画は、世界で初めてCGを本格的に駆使した作品として映画界のマイルストーン的存在となっている。目の肥えた今の若い世代は当時のインパクトのことをもしかしたら理解できないかもしれないが、それでも本作が凡百のモンスターパニックと一線を画しているといえるポイントは、本作が(当時としては)最新鋭の生物学の知見をもとに緻密に構成されたSF作品であるという点にある。そしてこれが本作を推薦する理由だ。
例えば小説版では、恐竜のDNAをどのように抽出・複製したのか、恐竜の個体数をどのように管理しているのか、といった点について、映画版より遥かに詳しく、図を交えつつ、詳しく説明が書かれている。一連の記述はさながら生物の教科書のようだ。もちろんその説明には正しい箇所とフィクションを交えている箇所が混在していて、特に肝心の恐竜像については今日否定されている描写も少なくはなかったりもするが、学問への入り口は、何よりワクワク感が大切だと思う。だから、そのあたりはまあご愛嬌という感じだ。そして、ジュラシックパーク執筆当時夢物語だった化石DNAの研究は、今日目覚ましく発展を遂げている。つまり今まさに大学生のみなさんであれば、ジュラシックパーク、とまではいかないだろうが、それに近いことが大学で研究できるような時代なのだ。そんなことを想像しながら、この本を読んでみるのはいかがでしょう。
▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BN06557927詳細をみるコメント0件をすべて表示