ふたりの証拠 (Hayakawa Novels)

制作 : 堀 茂樹 
  • 早川書房
3.83
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  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 433
レビュー : 56
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152077295

作品紹介・あらすじ

戦争は終わった。だが、見るも美しい青年に成長した主人公の闘いはこれからだった…。前作を凌ぐ驚天動地の続篇、ついに登場。

感想・レビュー・書評

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  • 再読、確か三度目。
    何度読んでも新鮮。
    終わったはずの戦争の影は消えることなく町に残り、その中で縫い合わされていくキルトのようなエピソードの集合体から目が離せない。
    ラストは圧巻。

  • これも傑作

  • はやく三作目が読みたい

  • アゴタ・クリストフ 25年ぶりの再読祭。一気に行く。「悪童日記」はあえてラストにする。

  • “「すべての人間は一冊の本を書くために生まれたのであって、ほかにはどんな目的もないんだ。天才的な本であろうと、凡庸な本であろうと、そんなことは大した問題じゃない。けれども、何も書かなければ、人は無為に生きたことになる。地上を通り過ぎただけで痕跡を残さずに終わるのだから。」”(P.127)

    “「ぐっすり眠れ、マティアス。それからね、自分にあまりに辛いこと、あまりに悲しいことがあって、しかもそれを誰にも話したくない時には、書くといい。助けになると思うよ」”(P.158)


    これらはそのまま著者自身の希求だと思う。書かなければ生きていられないひとの文章はすごみがある。

  • 悪童日記の続編。相変わらず、行動で内面を描く渇いた描写がビンビン響く。読後いろいろと考えたいとこだけど、我慢できずに第三弾へ手を伸ばす。

  • 「悪童日記」の続編です。
    前作では無名だった双子の"ぼくら"は、今作ではそれぞれ名前を与えられています。にもかかわらず、最後まで読み終えた時に、双子は本当に双子だったのか、1人の人間が確かに存在するとはどういうことなのか。深く考えさせられる作品でした。

  • なんだろ、このノスタルジー。夢に出てきそうな涙溢れる感じ。日本には決してないダークな大陸的な匂いがした。

  • 第一作ほどのインパクトはなかった。次に期待。

  • 独特で刺激的な文章で惹きつけられた一作目から、少し読み易くなった一方で、主人公の複雑な心理描写を他の登場人物の言葉によって表現し、別の意味で惹きつけられた。

  • うーん、続編は続編なのだと思うのだが、
    書き方も日記でなくなっているし、
    謎は深まるばかりだし、
    あの生き抜く力の強かった子ども(たち)が、成長し他人の子どもに固執するようになるところもわからない。

    解説にある通り、無駄な装飾や説明のない「白い」文体はそのままだが。
    私は「透明な」文体と言いたい。

    早く第三部を読まねば。

  • テープ起こし終了。
    あ、いえ、こっちの話です。
    えーと、昨夜、感動と共に読了しました。
    処女作「悪童日記」ですっかりノックアウトされて、すかさず図書館で借りて読み始めたのが、その続編である本書。
    「悪童日記」は、双子の悪童の壮絶ともいえる経験を、双子自身の日記という形式で書かれた作品。
    2作目は、その双子の一人である「リュカ」を主人公に、彼を取り巻く多彩な人物との関わりを通して愛と絶望の深さを描いています。
    私は「悪童日記」の一切の感傷を排した文体に魅了されましたが、「ふたりの証拠」でもそれは健在。
    この文体はホント、中毒になります。
    ここで個人的な話をさせていただきます。
    私は下手くそな小説を書きますが、最近の個人的なテーマは「文学的香気」をいかに漂わせるか。
    そのためには、技巧を尽くして丹念に描写することが必要不可欠と考えていました。
    でも、「悪童日記」と「ふたりの証拠」を読んで、どうも勘違いをしているのではないかと思い至りました。
    というのも、これら2作は実に素っ気ない文体で書かれているのです。
    丹念な描写どころか、描写や説明といった類は徹底的に削ぎ落とされています。
    それでいて、「文学的香気」はむせ返るほどの濃密さで漂っています。
    どういうことなのでしょう。
    作品それ自体に読者をひきつけてやまない力があり、その根底には作者の小説にかける真剣さ、もっというと生き死にに関わるような切実で強い動機があると思うのです。
    もちろん、著者の技量は相当なもので、技量なしではこれだけの小説世界を構築することはできなかったでしょう。
    でも、それ以前に、やはり作者の創作に向き合う姿勢があると思うのです。
    本書の終盤で、リュカが自らの子どものようにかわいがっていた(「悪童日記」の双子の一人がこんなに成長するなんて!)マティアスが死ぬ場面があります。
    読者である私も大変ショックを受けた場面です。
    リュカは、マティアスを置いて出て行った実の母親と一緒に行かせるべきだったと激しく後悔します。
    そんな彼の姿を見て、リュカの友人であるペテールは言います。
    「われわれは皆、それぞれの人生のなかでひとつの致命的な誤りを犯すのさ。そして、そのことに気づくのは、取り返しのつかないことがすでに起こってしまってからなんだ」
    胸にずしりと響く言葉です。
    先日、私のブログで「自己啓発本」に対する、ある種の批判を展開しました。
    実のところ、自己啓発本には、このペテールの言ったような言葉がたくさん載っています(あんまり読まないから知らないケロ)。
    でも、胸にずしりと響くのは、その言葉自体が重いからだけではありません。
    小説という作品に浸り、登場人物と一緒になって考え、経験し、感情を揺り動かし、その上で出合う言葉だからより一層重く胸に響くのです。
    次は3部作の完結編、「第三の嘘」を読みます。
    楽しみです。

  • 訳者あとがき「私は日頃から、一方では、募金にも献血にも地球環境保護にも「愛」の一字をかぶせずには気がすまないとか、また政治に公平さより「肌のぬくもり」を期待するといったわが国に特徴的な「庶民」的感傷のたれ流しにうんざりしており、同時に他方では、権力と大衆への見えすいた迎合でしかない反ヒューマニズム的言辞が一見居丈高なポーズとともに吐かれると、昨今の日本ではそれがたちまち歯に衣着せぬ「過激な」正論であるなどと無批判にもてはやされることに、あきれ返っている。」がまるで今の日本のことを言ってるようで驚く。これが書かれたのは1991年のようだ。

  • 双子は実在したのかとかあれは本当にヤスミーヌなのかとか第三の骨もマティアスなのかとか色々気になって、いやもうこれ完結してて良かった...まだ最終巻手元にありませんが。マティアス...。

  • (1999.10.10読了)(1999.10.03購入)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    戦争は終わった。過酷な時代を生き延びた双子の兄弟の一人は国境を越えて向こうの国へ。一人はおばあちゃんの家がある故国に留まり、別れた兄弟のために手記を書き続ける。厳しい新体制が支配する国で、彼がなにを求め、どう生きたかを伝えるために―強烈な印象を残した『悪童日記』の待望の続篇。主人公と彼を取り巻く多彩な人物の物語を通して、愛と絶望の深さをどこまでも透明に描いて全世界の共感を呼んだ話題作。

    ☆関連図書(既読)
    「悪童日記」アゴタ・クリストフ著・堀茂樹訳、早川書房、1991.01.15

  • 前作「悪童日記」を読んでから、だいぶ日が経ってしまいましたが、やっと読みました。
    前作同様、読み始めたら止まらず、一気に読んでしまいました。読み始めた頃は前作の記憶が曖昧なもので、読み進めて大丈夫だろうかとも思ったのですが、実際は読んでいくうちに前作の記憶を鮮明に思い出して読むことが出来ました。

    前作との大きな違いとしては、主人公の名前、その他の人物たちの名前がちゃんとあることと、文の進行も「ぼくら」ではなく、人物の名前で進んでいくことでしょうか。
    今回で初めて双子の名前が明らかになり、前作で国境を越えなかった方の少年、リュカがメインの物語でした。
    前作同様、無感情に物事を進めるリュカが、マティアスや他の人々と触れ合うことで、少しだけ人間味があるように感じました。
    しばしば、体調を崩したり、意識を失ったりしたのは、双子のもう片方と離ればなれになったことが起因しているのだろうか、など色々と推測しながら読んでいました。

    物語のクライマックスも衝撃的ですが、主人公を取り巻く人々の人生も衝撃的なものが多く、印象的でした。

    この本は、もともと寝る前に少しずつ読もうと思っていたものなのですが、一気に読んでしまうわ、衝撃的なラストで目が覚めてしまうわで、改めてこれは寝る前に読むものではないなと、思いました...。
    続きも気になるので、「第三の嘘」も是非読もうと思います。

    最後に書くのもあれですが、ふと出版された年を見て、古い作品だけど、全然新鮮みを失わない作品だと思いました。

  • 再読。

    悪童日記に続いて、読んだ筈なのにまったく覚えていない!!
    悪童日記はかろうじて、おばあちゃんの家や、森、川の描写は
    うっすらと覚えていたのだけど、
    今回は全く覚えていなくて、自分の読書の質の低さにうわちゃー、となりました。

    悪童日記の時の「ぼくら」の一人称から
    三人称の文体に変わったのだけど、あやふやな内面の描写はしない、というのは変わらず、そこから
    推測される登場人物の内面、というのは悪童日記の頃よりは難しくなったけど
    それも第三の嘘でつまびらかになるのだろうか。

    そして、今回も「大きな帳面」が媒介する世界がぐらりと一変する
    !?が巻末に。
    もう、これされたら結局三部読むしかないじゃん!(笑)

  • 悪童日記の続編。「悪童日記」が強烈だったので、「ふたりの証拠」はインパクトの面では多少劣ると思う。でも内容は濃い。

    またしても感情を削ぎ取った単調な文で構成されているが、「悪童日記」よりは多少主人公の人間らしさが表れていた。

    この本には「双子の兄弟」と別れたリュカのその後が描かれているが、果たして「双子」は本当に存在したのかどうか、謎の残る終わり方。次の「第三の嘘」も絶対に読まなければ!

  • 離れ離れになった双子の、おばあさんの家に残ったリュカのほうのお話。

    奇形の赤子を抱える少女、冤罪で夫を失った未亡人、
    小説家をめざす男、同姓愛者の幹部、などなど相変わらず濃ゆい人々と出会い別れ。
    リュカは苦難にまみれながら、双子の片割れの帰りを待っている。

    1巻の、徹底的に単調な文体から滲み出る残酷さは薄れて、
    2巻は人間味や感情を読み取れる文体でした。
    1巻とはまた違う衝撃が楽しめます。

    早く続きが読みたい!!

  • 念願の本作を入手して、期待に期待で読んだけど、面白かった。
    「悪童日記」が面白かったから、多少はがっかりするとおもってたけれど、あまり続編という感じがなく、がっかり感はなかった。確かに続編だけど、あんなに冷徹だった少年が、どうして急にこんなに愛にあふれた青年になったんだろう。あの残酷さがよかったけれど、あたたかいところもどこかまがまがしくて良かった。さらに続編があるらしいけれど、機会があったら読みたい。

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著者プロフィール

1935年オーストリアとの国境に近い、ハンガリーの村に生まれる。1956年ハンガリー動乱の折、乳飲み子を抱いて夫と共に祖国を脱出、難民としてスイスに亡命する。スイスのヌーシャテル州(フランス語圏)に定住し、時計工場で働きながらフランス語を習得する。みずから持ち込んだ原稿がパリの大手出版社スイユで歓迎され、1986年『悪童日記』でデビュー。意外性のある独創的な傑作だと一躍脚光を浴び、40以上の言語に訳されて世界的大ベストセラーとなった。つづく『ふたりの証拠』『第三の嘘』で三部作を完結させる。作品は他に『昨日』、戯曲集『怪物』『伝染病』『どちらでもいい』など。2011年没。

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