子供たちは森に消えた

  • 早川書房 (1993年11月10日発売)
3.23
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本棚登録 : 69
感想 : 11
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  • 本 ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152078230

感想・レビュー・書評

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  • 小さな文字で1頁にびっしりと文字が詰め込まれ、ページ数も340ページある。おぞましい内容ながら興味を惹かれてそこそこはまりけっこう熱心に読んだけれどほぼ4日かかった。
     静寂した世界でもあった。文中にずっと緊張感が漂っている。なぜ、こんな凶悪で猟奇的な犯罪が50件を超えるほども繰り返されたのか。当時のロシアという国の未成熟さが各所に述べられている。そして悲しいほど貧しいお国柄が露呈されている。国自体が病んでいるからこそ起こった事件でもあるといえそうだ。
     読み終えて一件落着というよりも何かやりきれなさが残る。今も昔もロシアという国は未成熟なのでは?
     犯人はだれ?どこにいる?という一種推理小説的な読み方もあったが、中ほどに犯人が写真付きで紹介されてたのは肩透かしでもあった。犠牲者や警察官の写真はともかく、犯人の写真は捕まってからでよかったのでは?
     訳者の腕も良かったのか読みやすいとも思った。

  • ・妻の書架に置いてあったのを見つけたので読んでみた。なんでこんな本持ってんの?
    ・アンドレイ・チカチーロ!稀代の殺人鬼。50人以上もの人間をむごたらしく殺し内蔵を取り出した、その事件について捜査の開始から裁判が決心するまでを書いたノンフィクション。
    ・何しろロシアだわ。これ、西側諸国で起きてたら50人以上犠牲者が出ることは絶対なかったと断言できると思う。崩壊寸前の社会主義国家でだからこそ起こり得たんだと思う。特に科学捜査の遅れはひどくて、そのせいで一度は逮捕したチカチーロを追い詰められずにまた犯行を再開せたりしてる。
    ・もう少しチカチーロの内面について知りたかったけど、逮捕までにかなりのページ数を割いててそこが残念。ここまでの事を引き起こしたチカチーロの闇とか狂気、どういった衝動があったのかがあまり良くわからなかった。それともそういうわかりやすい狂気を持たずにここまでやったって所が狂気なのか。

  • ロシアで本当にあった事件
    レポートとお話の間くらいの書き方なので
    なかなか読み進まず
    犯人が見つからない中、被害者は増えていく
    犯人は誰だ
    って思ってたら、まさか中程にある被害者たちの写真ページで犯人が書いてあると言うネタバレをくらいました

  • 大量殺人!くらいになると、大概は精神鑑定とかして、責任能力がなかったとかなんとか、言ったりするわけだけども、何十人も人を殺す人が現代社会の枠に当てはめて普通なわけもなく、精神的におかしいと判断されるのは当たり前とも思う。

    じゃあ頭がおかしいから人を片っ端から殺すのか、大量に人を殺したからその人は頭がおかしいと判断されるのか、これはニワトリかタマゴかみたいな話だわね。でも責任能力ないから人を殺しても良い、もしくは情状酌量されるってのは、考えてみるとなかなかスゴイな。

    とはいえこの旧ソ連の警察が恐ろしく無能なのか、それとも小説みたいに簡単に犯人なんか捕まるわけがないのか。そういう意味では80年代あたりの旧ソ連の暮らしみたいなのがリアルに分かってそれもまた興味深い。やっぱ共産主義は難しいわね。

  • まさに悪魔の所業。知ってはいたけど、どうしてそうなったのか、背景などをより理解したく手に取った。
    ここまで細かく調査して著したことは素直に凄いなと思うし、おそらく非常に貴重な資料として伝えるべきなのでしょう。
    ただ、これはどうしようもないのかもしれないけど、チカチーロ逮捕後の情報がそれまでに比べて少ないようで残念だった。
    本書は大きく、事件(犠牲者、捜査)、逮捕・その後に分けることができると思うけど、後者の内容を期待するだけにどうしても尻窄み感が…。また、前者が初っ端からとても長いのも気になる。チカチーロ登場が全頁の3分の1か半分近くになってから。犠牲者の情報は必須だし、時代背景も大切だけど、読み物としてはすこしダレてくるかも。
    逮捕後は内容によってネット情報(あるいは他書)のが詳しいところも。コストエフや裁判長アクブジャノフへの(著者による?)の批判についてはとても重要な指摘だと思う。悔いの残る内容だし、なるほどと共感できた。
    また類似の書籍も読んでみたい。

  • 人とは何か
    被害者 加害者 温厚 残虐 殺戮 優しい 遊園地 メリーゴーランド ナイフ 内臓

  • '94当時の読書メモより抜粋。

    図書館で借りてきた。
    ソビエトで起こった50人以上の連続殺人事件を追ったドキュメンタリー。
    誤認逮捕は当たり前、警察の捜査・鑑識などがお粗末で、更にその保守的過ぎる内政も絡んでこういう結果を招いたことに驚いた。いったい何をしているんだ。

    メモを見返したら、【そういう】を【そうゆう】と書いていた自分。若かったのかバカだったのか(笑)

  • 映画化されるというので読む。53人もの殺人を実行できたというのも旧ソ連の体制が産んだものだというのだが。
    それにしても、人は時として獣に回帰するものかもしれない。タイに行く飛行中、ずっと読んでいた。1冊目読破

  • ソビエト連邦で起こった連続猟奇殺人事件のノンフィクション

  • ロシアにはこんなにアル中のおとうさんがいるんかいな

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