青い眼がほしい (TONI MORRISON COLLECTION)

  • 早川書房
3.71
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本棚登録 : 107
レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152078551

作品紹介・あらすじ

黒人の少女クローディアが語る、ある友だちの悲劇-。マリゴールドの花が咲かなかった秋、クローディアの友だち、青い目にあこがれていたピコーラはみごもった。妊娠させたのはピコーラの父親。そこに至るまでの黒人社会の男たちと女たち、大人たちと子供たちの物語を、野性的な魅惑にみちた筆で描く。白人のさだめた価値観を問い直した、記念すべきデビュー作。

感想・レビュー・書評

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  • 初めて読んだトニ・モリスン作品。

    美しさと醜さについて、黒人と白人について、男と女について、大人と子どもについて。
    完全な善人も完全な悪人もいない。

    眼を凝らして見えるのは、何色?

  • 西加奈子さんがトニ・モリスンをベタ褒めしていたので。

    題材が重い…というかどうしても嫌悪感を覚える。
    まあ一旦そこは横に置いておいて…

    白人に押し付けられた価値観の下
    屈辱と劣等感を味わって生きる黒人社会。
    その中で青い眼が欲しいと願う少女ピコーラ。
    皆が可愛いと言う金髪碧眼を破壊した少女クローディア。

    著者はあとがきで自分の美しさを受け入れないことに対して
    何かを言おうとしたと書いていた。
    きっとクローディアがトニ・モリスンなのであろう。
    社会の価値観に反撥し闘える女性。
    1970年当時この考え方は黒人女性の啓蒙を後押しするものだったと思う。
    それに対し押し付けられた価値観に甘んじている象徴のピコーラ。
    だからって彼女に嫌悪感覚えるような悲劇をもたらすのはあんまりだわ!って正直最初は思った…
    とはいえ同胞に眼を覚ますように強く訴えるのには
    インパクトある内容が必要だったのかも。
    つまりそこまで強く訴えなければ変えていけない世の中だったのかもしれないと
    感想をまとめている時に思い当った。

  • 青い眼がほしい。

    世の中がかわいい、とするもの。青い眼をした肌が白いベビードール。
    それを素直にこれが正解だと鵜呑みにせずに、自分には理解できないが世間が「かわいい」とするその秘密を探りたいと人形をバラバラにする主人公の姿は、とても人間的で実直だ。

    あの子がかわいいということが正しいとすれば、わたしは可愛くない。
    どんなに努力しても絶対的に到達することができない、違う次元に立っていることを世の中がさも当たり前の事実として突きつけてくるような感覚。地獄だと思う。自尊心を踏みにじられる想いに口の中が苦くなる。みんなちがって、みんないいはずなのに。

    彼女はなぜ、自分の持っている美しさがわからなかったのか。
    根本的に自分を変えたいと、何の疑いもなく願ったのか。

    黒人の少女が主人公の話で人種差別が多く描かれているが、お涙頂戴ではなくとにかく淡々と語られていることで、自分とは関係ない「ある黒人少女の可哀想な物語」ではなく、とても客観的に眺めることができた。余計な演出がないからこそ、じわじわと苦しさが残る。誰も極悪人ではなく普遍的であり、その状況に陥ったら自分がどの立場になり得ると思うと背筋が伸びる。

    外国の作品は、日本語への訳に違和感を持ってしまいどうも入り込めないことが多いが、この本は、何度も読み返してしまうほど美しい表現が沢山あった。
    丁寧に味わいながら読みたい本。

    ———————————————————————
     外に出ると、ピコーラは説明しがたい恥かしさが引いていくのを感じる。

     たんぽぽ。たんぽぽに向かって愛情が矢のように飛びだしていく。しかし、たんぽぽは彼女のほうを見もせず、愛に報いてくれようともしない。彼女は考える。「たんぽぽは醜い。雑草なんだから」。その新発見に気を取られて、ピコーラは歩道の割れ目につまずく。怒りが心の中でうごめき、目をさます。それが口をあけ、口の熱い仔犬のように、恥にまみれた傷口を丹念になめてくれる。
     怒りのほうがましだ。怒りには生きている感じがあるから。現実と存在感。価値の自覚。怒りは、すばらしい感情の湧出だ。彼女の思いは、ミスター・ヤコボウスキーの眼と、痰がからまった声に戻る。怒りは持続せず、仔犬はあまりにも簡単に満腹してしまう。のどの渇きはあまりにもあっけなく鎮まり、仔犬は眠る。すると、ふたたび恥かしさが湧き上がり、その泥で濁った小川が眼のなかに浸みこんでくる。涙が出ないようにするには、どうすればいいのだろう?

  • 一時間半で。
    原文はどうだか分からないけれど、
    この訳では漢字・ひらがな・カタカナが印象的に使い分けられている。
    人種とは何か・美とは何なのかを考えさせられる。

  • PDF
    2014/3/15 神保町
    原題:The Bluest Eye , 登録1970
    1993 ノーベル文学賞
    黒人の著者が描いた黒人社会、家族の様子と白人に対する気持ちというものが、正直に語られる。何か哀しい気分が覆っているが、著者の眼は優しい。永く読まれる理由があると感じた。

  • 少女の切な願いが痛かった

    2009/02/14

  • Searching for the BEAUTY<海外編>:2
    黒人女性作家が贈る「美と生」

  • It's worth reading!!
    と色んな人に伝えたくなった本。

    日本の生活ではなかなか馴染みのない、肌の色による人種差別のお話。


    だけど、実際の私たちの生活の中には、
    無意識的に、もしくは意識していないふりをしながら
    様々な差別の心や、集団に対する優劣をつけた態度が存在していると思う。

    その”ふとした”態度や観念が、
    人の生活や人生にここまで大きく影響してしまうんだなぁと思うと、やるせなくなります。

    でも、「そこに目を背けては、改善はないんだよなぁ」と自分に言い聞かせながら本を読み進めました。


    翻訳本は苦手ですが、日本語に違和感を感じず、でも英語的な表現・思想も感じられて、読みやすいと感じました。

    さすがは、ノーベル平和賞受賞者の著者です。
    本当に、一読の価値ありです。

  • 「青い眼」を欲しがっている黒人少女ピコーラ。
    彼女の友達のクローディア視点で物語は語られる。
    黄色い肌と黒い眼を持ち生まれて30年にも満たないワタシがこの物語に移入するには幼すぎる。

  • こんなせりふを面と向かって言われると、言葉を失い、ただ茫然とするしかない…。

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