スーラ (トニ・モリスン・コレクション)

  • 早川書房
3.44
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本棚登録 : 28
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152079299

作品紹介・あらすじ

ボトムと呼ばれる丘の上で育った二人の黒人の少女、奔放なスーラと敬虔なネル。正反対の性格を持つ彼女たちはそれゆえ固い友情で結ばれた。そしてネルの結婚式の行なわれた日スーラは町を出ていった。十年後たくさんのコマツグミがボトム中を飛び交うなかスーラは突然帰ってきた。すっかり大人となった二人は再会を喜んだが-。対照的な二人の黒人女性の友情とその破綻を黒人社会のなかの善と悪という視点から描いた全米図書賞候補作。

感想・レビュー・書評

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  • ファンタジー要素は一切ないのに比喩に比喩を重ねた文体で、わりと作中で不幸なことが起きてもマイルドにされてしまう。
    集団に馴染めなかった女とかつての親友を中心にした女たちの話だった。

  • ネルとスーラはお互いを通して自分を見つめている感じがした。ボトムには多種多様な悪、嫌悪みたいなのがあって、これは日本人には非日常な理解しがたい背景があって、読み進めるのが困難。善悪と友情がテーマだったけど、普通だったらしないよね、常識的に考えて〜、みたいな悪でわかりにくい。そもそもそれも善なのか?という気もする。ただこんなに違う価値観ならわかり合うのは難しい、どれだけ好きな友達だとしても

  • オハイオの川辺、谷間にあるメダリオン市を見下ろす丘の上の黒人の居住地ボトム。
    1922年に12歳だったネル・ライトとスーラ・ピースは出会い、親友になります。
    母エレーヌに堅苦しく躾られたネルと祖母エドナと母ハナの奔放な家系のスーラは対照的でしたが、共に孤独。
    ネルの結婚後一時付き合いが途絶えますが…
    祖母の代からの魔術的ともいえる家族の転変、戦争の影響も含めた熱気溢れる描写、女達のこまやかな感覚が面白い。
    トニ・モリスンは1933年オハイオ生まれ、コーネル大学で博士号を取得。
    1970年に「青い眼がほしい」でデビュー、これが73年の2作目。
    1993年にはアメリカの黒人作家として初めてのノーベル賞を受賞。
    この作品は1979年に一度「鳥を連れてきた女」として訳されています。

  • 女性の友情が書かれていて、心に残りました。
    文章の描写が幻想的で、鮮やかです。

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著者プロフィール

1931-2019。アメリカ合衆国の作家。小説に、『青い眼がほしい』(1970)、『スーラ』(1973)、『ビラヴド』(1987)、『ジャズ』(1992)、『ホーム』(2012)など。彼女の長編小説はすべて日本語に翻訳されている。絵本に、スレイド・モリスンとの共著『子どもたちに自由を!』(1999、長田弘訳、みすず書房、2002)『どっちの勝ち?』(2007、鵜殿えりか・小泉泉訳、みすず書房、2020)、『いじわるな人たちの本』(2002)、『ピーナッツバター・ファッジ』(2009)、『小さい雲と風の女神』(2010)、『カメかウサギか』(2010)、『ほんをひらいて』(2014、さくまゆみこ訳、ほるぷ出版、2014)など。写真絵本『忘れないで――学校統合への道』(2004)はモリスンの単著。ノーベル文学賞(1993)のほかに、全米批評家協会賞、ピュリツァー賞、大統領自由勲章など数々の賞を受賞。プリンストン大学などで教鞭をとった。

「2020年 『どっちの勝ち?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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