ドゥームズデイ・ブック (夢の文学館)

制作 : Connie Willis  大森 望 
  • 早川書房
4.15
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本棚登録 : 85
レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (619ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152079664

感想・レビュー・書評

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  • 近未来のOxfordから、歴史の実地調査のため1320年へ飛んだ歴史学科の学生が、手違いで1348年(おお!)に飛んでしまい……という時間ものSF。雰囲気もまあまあいいし、人物の描き込みがすごくよかった(特にローシェ神父とキヴリン)。けっこう調べてはあるなという感じはしたけど、何となく中世のOxfordshireの農村という「風景」が見えないのが物足りないというか変だなと思っていたら、アメリカ人だったのね。ま、仕方ないか。
    とても面白かったのだけど、やはりアメリカ的というか……ラストも、あそこにストンとはまってしまうところが、よくも悪くもアメリカ的かなと思う。単純で前向き、問題を残さない。でもほんとに、人物とかとてもよかった。

  • ネビュラ、ヒューゴー、ローカス賞のトリプル受賞作品。
    この作家にとっては、珍しくない。
    それくらい、面白い。
    すごく長いけど、無駄がない。
    シリアスもユーモアもたっぷり。
    史学部シリーズはかなり堪能した。
    最後の中編、味わいにいこうか。

  • 長い!でも面白かった。
    目当ては「犬は勘定に入れません」なのだ。

  • 航時史学生シリーズを読み始めるなら今作から(または短編「見張り」から)をおすすめする。続作に比べて、ネットのしくみ等が比較的丁寧になされているので。
    他シリーズよりも読後感や一作としてのまとまりが良い気がする。前半は未来パートが気になってしょうがないが、後半は一転して過去パートが加速し、いずれにしてもページを繰る手が止まらない。一度読み終えた後は、冗長に思えた全編が輝きを放つようになる。再読必至。

  • 途中むずかしかったりもしたけどそれでもおもしろすぎるしすごすぎる。

  • ブラックアウトとオール・クリアを制覇した勢いでこのシリーズの最初のこの本に挑戦。
    結論的には、同じ感想。最後まで行って、ようやく面白かったと思えるのだけど、とにかくこれも冗長。1/3でもっと面白く書ける火がいくらでもいるよねえ~。
    話としては、バンデミック物なんだけど、ハンパじゃない。
    と文句ばかり云いながらシリーズのもう1冊も読むんですよねえ・・・

  • 犬は勘定に入れません、を先に読んだので、ドタバタ愉快かと思いきや。

    くすぐりを重ねる現代(じゃないが)パートに元気をもらいながら読み進めていたら、どんどん過去も現代も酷いことになって泣いた。
    ラストの「きっと助けにきてくれると思ってました」は原文で見てみたい。過去形なのか、完了形か、目的語はあるのか。もっと早くきて欲しかったのか、来てくれても帰る気になれなかっただろうか、今来てくれたことは助けあるいは救いなのか。

  • 21世紀の女子大生が14世紀に送りこまれるSF。

    コニー・ウィリスは「航路」といい「犬は勘定に入れません」といい大著ばかりで疲れるが、やめどきがわからないほどに面白いことは共通している。

    まるで著者自身が14世紀に行ったことがあるような、言語、服装、食事、住居、礼儀作法等の描写は、それを知るために実行した読書量を想像するだけで気が遠くなる。そして、中盤以降のスペクタクル、これの内容自体がある意味どんでん返しなのだが、すさまじい迫力だった。

    日本人で言えば南北朝時代に送り込まれるようなものだが、よくは知らないけれど、そのころには古語の文語と同じような言葉は少ないと聞いたことがあるので、キヴリンほど苦労はしないかもしれない。日本と比べると、意外とイギリスは中世と文化が断絶しているのかもしれないと思った。

    日本で同じような作品と言ったら、戦国自衛隊だろうか。

  • 1850 馬場北

  • 2054年オックスフォード。すでに科学的に解明されているタイムスリップによって歴史家は時代を遡ることができるようになっていた。新米のキブリンは中世のオックスフォードに万全の準備をして旅立つ…。

    タイムスリップものというのは今までさまざま読んできたけれど、たいていご都合主義なものが多くかったような。「目覚めたら昔の世界に?」「美形がいっぱい」とか「なぜか言葉が通じる(外国語話せないのに)」「王族と仲良くなる」「最初に出会った異性と恋に落ちる」…とか(ちょっと読んできた私の好みの偏りもありますが)。これはそんなに甘くない!
    時代考証により服装・身分・名前の設定は当然。同じイギリスでも中世では現代英語は全く通じないから翻訳機を使う。それもすんなり通じるとも限らない。衛生・疫病対策もかかさない。地理・地名も現代とは違うし。時代人とかかわることのパラドックスの設定も説明されているし。あといろいろ。

    国語辞典並みの文字の小ささで2段組600ページの長編なので手に触れるのに慄くかもしれないけれど、読み始めるとあっという間! 途中でくじけるのが多い私でも大丈夫でした。最初は特有の用語とかに慣れなくて状況がよく分からなかったりするけれど、そこを過ぎれば…。

    歴史家として当時の状況を手首に埋め込んだボイスレコーダーに記録していくだけなら良かったけれど、現代の2054年でも中世の1320年(…)でもえらいこっちゃな問題がもちあがって、現代でキブリンを見守るはずのダンワーシー教授もキブリンもさあ大変! という話です。
    あ~おもしろかった! 
    キブリンがあれだけかかわると時代人に情を移していくのは当然だろうと思いますが、帰らないと言いだすんじゃないかとちょっと気が気でなかったです(気分はもうダンワーシー教授。)
    そして終わりに進むにつれ、第一部の前に差し込んである、ある司祭の残した文章の意味が深く分かって涙が出ました。

    ※このハードカバーは現在アマゾンでは手配ができないみたいですが、ハヤカワ文庫SFで分冊されているようです。でも表紙の絵がラノベちっくで軽い風味なのが残念…。

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