檻のなかの子 憎悪にとらわれた少年の物語

  • 早川書房 (1997年10月1日発売)
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本 ・本 (496ページ) / ISBN・EAN: 9784152081094

感想・レビュー・書評

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  • こちらも20年以上前に読んだ。という記録。

    もう一度読み返したい。
    そして自分の子供達にもお勧めしたい。

  • 小学生のときにトリイヘイデンの本に出会った。
    読書感想文の本として選んだわけだが、大凡12歳が読書感想文の題材とすべき内容ではなかった。
    この物語が真実であるなんて、頭の中では分かっていながらも認識できていなかったのではないか?と今の自分なら感じる。
    当時は読み進めていくのが恐く、自分と同世代の子どもがこんな悲惨な目に遭っているなんて嘘であってほしいと願いながらページをめくっていった。
    檻の中で心を閉ざす少年に向き合うヘイデンの姿も粘り強く、その使命感の強さに子どもながらに憧れを抱いたのは今でも忘れられない。
    今までの人生の中なでこれだけ自分の感性を揺さぶられたことはないといえる。
    事実は小説より奇なり。

  • 昔に読んだ「シーラという子」「タイガーという子」を思い出し購入。
    毎回、こんな世界もあるんだ…と心痛み、何とかハッピーエンドになれと願いながら読む。
    五里霧中、試行錯誤、紆余曲折、七転八起。
    今回は明るい未来がありそうな終わり方で良かった。

  • 口をきかず、暴力的になり、世の中のすべてを恐れていた少年ケビンとの長い道のり。

  • トリイの作品の中では珍しく、ある程度成長した男の子が主人公の話。その子が常に何かに異常に怯えているのは、トリイと話しているうちに自分の怒りに対して怯えているのだということが分かってくる。怒りを解放していくたびに、男の子の人格にも変化が見える。うろ覚えだけど。
    主人公の過去が壮絶過ぎて、読んでいて辛かった。虐待はいけない。とくに、男性が力を誇示するための虐待というのは途方もなく醜い。

    これを読んでいて思うのは、書いていてなんだけどやっぱりトリイの作品に魅力があるのは大人しくて聡明な、それでいて生命力に溢れた小さな女の子が主人公だからこそなのかなあとも思う。トリイの作品は選択制無言症が主なテーマになっているけれど、その無言の中にかくされた豊かな生命活動、そういった物語がすごく魅力的なのだ。皆んな壮絶な虐待を受けているのに関わらず。

  • 『タイガーと呼ばれた子』と時期がかぶってるんだね。つまり、この話の裏で、シーラとのできごともあったということね。
    登場人物もエピソードもちょっとかぶるので、逆に混乱したりしたけど。

    「シーラ〜」「タイガー〜」『よその子』「ヴィーナス〜」と比べると、あまりのめりこめなかったというか、吸い寄せられなかったけど、
    ささいなことで動揺して見捨てられたんだ!と落ちる彼と、
    それに対して一貫した態度のトリイのやりとりは、ここでも健在。
    読んでる私も希望を分けてもらえてる感じです。

  • 同んなじことを繰り返すのに読んでいてやきもきした。でも、これが実際なんだろうな。

  • トリイの粘り強さは、どこから来るのだろう。

  • 「シーラという子」から2さつめ。今度は16歳という「児童」の枠を外れた少年との心の交流を描いています。シーラ〜と変わらず、著者の等身大で人間くさい書き方がまた素敵です。このシリーズは、児童虐待よりも、こどもに寄り添うことの中での出来事にスポットを当てているので、読みやすくて好きなのですが、いやぁこれは…なんかすごかった。こんなふうに扱われてる子たちがたくさんいるんだなぁと思うと…月並みだが胸がつまる。ノンフィクションなんで明確な救いみたいなものはないんですが、例え一生添うわけでなくとも「今」誰かを救うことが大事なんだと思わされる。これ読んだら「中途半端な優しさは逆に無責任で残酷だ」とかヌルイこと言えないよ。なにを投げ出してもいま全力で助けなくちゃと思うこと、それこそが大事なんだと思いました。他のも読む機会があるかなー。

  • 8年間、だれとも口をきかず、日中ずっと児童養護施設の机の下でおびえている15歳の恐怖症の少年ケヴィン。

    辛抱強く一緒に机の下に入って
    なんとか彼の心が開くように接するトリイ。
    この教育は本当にすごいと思う。
    トリイは「恐ろしい」とか失敗したことも書く美談じゃないところがいい。
    そのぶん、本当に怖い。

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