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Amazon.co.jp ・本 (128ページ) / ISBN・EAN: 9784152081704
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
日常のささやかな瞬間を切り取り、心に響く感情を描いたエッセイ集は、読者に郷愁と心地よさをもたらします。著者は、何気ない日常の中に潜む小さな幸せや、懐かしい記憶を優しく語りかけ、読者をその世界へと誘いま...
感想・レビュー・書評
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何気ない日常を切り取ったアンソロジー
まずは唇の上をあの金色の泡と、その泡で増幅された爽快感が通り過ぎ、やがて苦みで濾過された幸福がゆっくりと口のなかに広がる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『夜も更けてくると、小さな憂愁がめばえる。テレビがしだいにつまらなくなり、そして消す。やがて気持ちは余所へと向かう。ときには幼年期までさかのぼり、成績の心配や空想の恋物語で胸をいっぱいにして、ゆったりと歩いた散歩の淡い記憶がよみがえってくる。何かが通り過ぎたと感じる』―『日曜の夜』
例えばそれはニコルソン・ベイカーの「中二階」から感じるものにも似ている。うっかり見過ごしてしまいそうな日常の一コマがもたらす、ほんの些細な心情の揺れ。それを虫眼鏡で覗き込み目を凝らして見つめる。見過ごしてしまいそうな小さなことに気付くことの大切さ。誰しも覚えのあるあの小さな幸福感にこの本を手に取った多くの人は気付いたのだ。
もちろんベイカーとは異なり、観察し発見した仔細を脚注で逐一説明するようなことはフランスのエスプリがする筈もない。すべては、郷愁や、ニュアンスの中に再び溶け込んでしまうように、淡く語られるだけ。頻出する商品名も、その音に馴れない者には珍しい言葉として響くが、フランスの読者にはすっかりお馴染みの音に過ぎず、例えば「サザエさん」という名詞が多くの日本人にとって日曜日の夕刻のメランコリックな気持ちを呼び起こすように、一人ひとりの原風景にも通じる映像を喚起するのだろう。そこに必要以上に語られるべき詳細の入り込む余地はない。
その記憶を呼び覚ます言葉の心地よさは、もちろん翻訳で全てが伝わる訳ではないだろうが、不思議なことに著者フィリップ・ドレルムの言葉は日本人である自分の郷愁をも喚起する。淡く儚いメレンゲのようなエッセイ集。 -
フランス人のエッセイ!って感じです
ただ、愛とか人生についてごちゃごちゃ語るんじゃなくて
日常で見つけた小さなな気づきを著者フィリップさんの文章で
つむいであって、不思議な心地よさがあります
あとがきの『この本は日曜日とバカンスの匂いがする。』がこの本を端的に表してると思います
『歩道のクロワッサン』
早朝の空気感の描写とまだ温かさの残るクロワッサンから感じられる小さな幸せ
『これならほとんど外で食事できるじゃないか』
仮定で語ることでにわかにたちのぼるワクワク感
ただし、「できたはずなのに…」はとたんに悲しい大人のせりふ
『バナナスプリット』
このお話で初めてバナナスプリットという食べ物を知った。
大人がジャンボパフェを頼む時の葛藤をこうもおしゃれに表現するとは!と驚いた
『秋のセーター』
ようは衣替えの話しますがなんですが、「なんといっても新しいセーター、それは生命の終わりが始まりかけている時に、新しい火を選ぶこと」って…
ひっくり返っても自分の中にはない言葉選び
『浜辺の読書』
日本人あまり浜辺で本読まないけど、パリ・プラージュとかで寝っ転がって本読んでるフランス人いますね
「あのころころ変わる姿勢、様々な試み(中略)それが浜辺での読書だ。そこには肉体で読んでいるという感覚がある。」
山小屋の談話室で漫画読んでる時に感じることを言語化してもらった気分
『二つの自転車』
フランス語には自転車を表す単語が二つあります
vélo と bicyclette
バイクとチャリ(もしくは自転車)の違いみたいなもの?もっと情緒ある違いなのかな。でもフランス人によるvélo と bicyclette のお話は興味深い -
松浦弥太郎さんのエッセイで紹介されていた作家の本を読んでみました。とても心地よい雰囲気の流れるエッセイでした。
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タイトルにひかれて図書館で借りた本。
ひとつひとつの題名がものすごく好き。
ものの感じ方が丁寧で簡単な言葉でもって、お洒落にあらわされてる。あぁ、選んで言葉を使ってるな、と思った。わかるようでわからないような。たまに、ふとしたフレーズが頭に残る。「ポルトはのむものではなく、なめるものだ」とかとか。
ひとつひとつのは数ページで終わる小さく短いものだが、ゆっくりじっくり言葉を味わいながら、静かな時間のなかで読むのがおすすめ。
原語で読めたらもっと素敵なんだろうと思う。
いつかまた読み返したい。
そのときまでにフランスという国に行ってみたい。 -
2012年10月25日読了。フランスで大ベストセラーという、日常のなんでもない風景の楽しみを3~4ページほどの文章で描写したエッセイ集。表題作や「エンドウの莢むきを手伝う」「歩道のクロワッサン」などタイトルからしてありふれているようなありふれていないような感じ、そこはかとないおフランスなムードに落ち着くような落ち着かないような不思議な感覚が漂う・・・。個人的には、浜辺で寝転がって本を読む話に共感できる、フランス人も日本人もまあ考えることは大概同じだな。ただ表題のビールの話には、若干納得できないこともあり・・・まあ何をどう感じるかは個人の問題だからな。本の紹介に清少納言が引き合いに出されているのも面白い。文体は村上春樹的な直訳調でいい感じだが、原文のフランス語で読んだらもっと楽しいのかもね。(読めないけど)
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いいエッセイを書くなあ。
各エッセイの最後の2、3行は、とりわけ気が利いていてしゃれている。さらっとしていて、甘すぎず、妙に優しい余韻が残る。ずっとそこに浸っていたくなる。きらきらとした言葉の宝石はきらめきを失わないままわたしの心にじんわり足跡を残す。読んでいて本当に気持ちがよい。
それにしても、フランスの本ってなんてロマンチックなタイトルが多いのでしょう。パスカルが生まれ棲んだ国なのだと感心する。本当の意味での「思索家」が生きているんだろうな。フランス文学の棚の前なら、小一時間突っ立っててもわたしはちっとも退屈しないだろう。
(20110609)
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