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本 ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784152082473
感想・レビュー・書評
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アルコール中毒で亡くなったビリーのことを、いろいろな人が懐かしみながら語るうちに、ビリーの人物像が固まってくるという手法。いい人だったことが、じわ~っと伝わってくる。
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まさに、珠玉の一冊。
翻訳物特有の読みにくさがこれでもかというほど盛り込まれています。なんだか全米図書賞受賞作品はみんな読みずらいきがします…
訳者は鴻巣友季子さんで、私が読んだものでこの人の訳は他にトマス・H・クックの『緋色の記憶』がありますが、それはそんなに読みずらくなかったのでおそらく原文が難しいのでしょう。
むしろすべての情緒を汲み取る素晴らしい訳者さんだと思います。
とはいえ本当にすばらしかった。
それぞれの人生と、生と死、愛と欺瞞、それらが静かに描かれていいます。文中にぽそりと呟かれる人間の本質は、胸をツンとさせます。
最後の最後のちょっとした驚きが、物語の閉幕に小さな花を添えているようで、それもまた憎かったです。
一度は評価★×4をつけたものの、思わずメモッたいくつかのフレーズを読み返すたび、これは★×5じゃないだろうか…と迷い迷い迷い…
そして葛藤の末★×5をつけました。
★×4をつけた理由として、これは静かな物語なのでドキドキわくわくはしないのですね。だから、軽い娯楽的なおもしろさには欠ける…
しかし極上の読書であることは間違いない…!!
ということで評価しなおしました。
少し装丁がシンプルすぎる気がします。原書ぐらい凝ってもいいかと…