霊応ゲーム (ハヤカワ・ノヴェルズ)

  • 早川書房
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感想 : 86
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  • Amazon.co.jp ・本 (421ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152082626

感想・レビュー・書評

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  • ぼくにとってこの世で大切な人はきみだけなんだ。
    きみに手出ししようとするやつはだれだって、
    この僕が殺してやるからな


    はじめは純粋だった友情関係がだんだん歪になっていく。
    彼らが行っていた霊応ゲームの詳しい内容には触れられてないため、想像の余地があり真実と恐怖の想像を膨らませられる。
    学校はいつだって小さな世界だけれど、それが全てになり得る。事件が起こるまでの導入部が長いと感じたが、十分に人物関係が描写されているため、その後の事件のあらましと人物の立ち回り方が分かりやすかった。

  • 面白かった!
    少し前の時代のイギリスパブリックスクール、孤高のカリスマと真面目で気弱な秀才、二人の少年が親友になったことから起こる惨劇。
    構成が憎い!
    二少年だけでなく、彼らに愛憎をかき立てられる周囲の少年達、更に教師陣まで緻密に描かれていてぐいぐい読まされる。
    一つの友情に泣かされた…。
    結末も、ここで締めるか!といい意味で呻きたくなる。
    描かれなかったところまで、読み終わった後に引きずって考えてしまうのも上手さだろう。
    ただ、真相は好みが割れるところではあると思う、私はストライクではなかった。
    あと、タイトル…。
    原題のゲームの訳語として元々ある日本語そのままのようなので、仕方ない気もするものの、この言葉でピンと来る??
    私は来ない…もう死語に近いのでは…(私が知らないだけでしたらごめんなさい、でも「霊応」で検索してもほぼこの小説のことしか出て来ない)。
    内容が気になって読んだのだけど、タイトルだけだったら多分素通りだったと思うので、ちょっと惜しい気が。
    本文の訳はとても良かったのだけど。

  • だいたいの筋は想像できたが、悲劇の最終的な理由をそこに持ってきたとは…。いい悪いは別にして、拍子抜けした。素直で利発なのに気の弱いところのあるジョナサンと周囲から孤立しているのと同時に教師にさえ恐れられているリチャード。彼ら二人がふとしたことで仲良くなり…というところまではよくある話で、その後の親密さからこうなっていくのではと想像してたら、見事に外れた。彼ら以外の生徒や教師たちのそれぞれの描写も細かく、ひとりひとり個性が際立っている。ゾッとするけど面白かった。

  • じわじわと怖かった。二人が遺品からゲームボードを見つけなければこんなことにはならなかったのかな、それともそんなものがなくても、やっぱりこういう結末を迎えることになってしまったのかな。

  • 閉鎖的空間での友情が依存に変わりやがて執着へと変わり果ててゆく。物悲しいお話でした。

  • 最近文庫化されてて、それで読んでみた。ところが読みだして思い出した。
    これは以前一度読もうとして挫折した本だった。
    とにかく何も起きない…。確かに少年たちの寄宿生活に少しずつ影が差す様子が丁寧に描かれてはいる。
    しかし、それが長ったるい。やっと話が動き出すのが100ページを過ぎたころ。
    しかも、ウィジャボード(こっくりさんの西洋版?)を使ってもっと話が盛り上がるかと思えば、そこはさらっと流されて、それからの異変だけが描かれていく。
    確かに、なんとなく”負の力”が働いているのは分かるし、そこを曖昧にすることによって恐怖を盛り上げようとしたのだろうが、釈然としない展開で終わった。
    終章近くになると、様々な登場人物に降りかかる災難がテンポ良く描かれて面白いんだけど、迫力不足。
    この内容でこのページ数は長い。人物も描けているかもしれないが、魅力が無いのが残念。

  • 昔のメンタリストの話かと思えば、実はホラー小説。登場人物1人1人が細かく描けていて、長いのに飽きがこなかった。

  • 爽やかさとか、私の好きな温かさとと、どちらかと言うと(どちらかと言わなくても?^^;)逆の位置にある小説なのだと思います。

    そういう小説も、いくつも読んできていますが
    その時に持ちがちになる嫌悪感に近い感情は持たず
    文庫本(ハードカバー)約420ページをかなりのスピードで読み切った程でした。

    イギリスのパブリックスクールの寮生活が中心に描かれていて、
    様々な登場人物の視点から掘り下げられ
    彼らが実際に生きて呼吸しているかの様な見事な描写になっている事が、引き込まれた理由かもしれません。

    彼らの苦悩・時には狂気にも近しい感情。
    そんな中でも、彼らなりの愛情・友情・想い。
    葛藤してる様などが、伝わってくるのです。

    メインの少年2人の些細なきっかけから始まる友情、
    そこからの親密になってゆく様子を微笑ましく読んでいただけに、その結末には胸を締め付けられました。
    どうにかならなかったのだろうか・・・。
    どうにかできなかったのだろうか・・・。

    ジャンルとしては、オカルト・ホラーになる様ですが
    「霊応ゲーム」というタイトルは、いかにもオカルトっぽいけれど、
    (霊応ゲーム(西洋版コックリさんかなぁ・・。))
    最後の最後の終盤と途中に少し触れていますが
    それらの記述は少なく、
    私は逆にその部分に違和感を覚えたくらいで
    オカルトというよりは、事の大小は置いておいて
    実際にありえそうだと思いながら、読み進めました。

    事件が起きてから、何十年も経った後に
    事件関係者がジャーナリストに求められ
    初めて重い口を開いたという形での始まり方ですが
    語っていたのは彼だったのかぁ....と。
    苦しいね・・・。

  • 「霊応ゲーム」P.レドモンド◆閉鎖的な学園、少年たちの不安定な関係、そこに入り込んだ彼は神の子か、それとも悪魔か。話題になっていて期待しすぎたのか、思ったより感動が薄かった。ストーリー云々というより、雰囲気に酔えるかどうかで評価が分かれそう。BLっぽいけれどそれほど濃くないです。

  • 図書館で借りた本。
    1954年、イギリス。
    公立の学校から入ってきたジョナサンは、先生からも生徒からもいじめられていた。
    リチャードは、ジョナサンのクラスメイトで、一匹狼だったが、名門の家柄と、優秀な成績、容姿の美しさでみんなから一目置かれていた。
    そんなリチャードとジョナサンが、友達になり、二人はどんどん親密になっていった。ジョナサンのかつての親友であったニコラスは、漠然とした寂しさと、得体の知れない恐怖に気がつき始めていた。

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