セメント・ガーデン (Hayakawa novels)

制作 : Ian McEwan  宮脇 孝雄 
  • 早川書房
3.51
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本棚登録 : 134
レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (183ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152082671

感想・レビュー・書評

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  • 10/12 読了。

  • 「おい、とにかくお前は風呂に入れ」
    と終始主人公に対して思っていた・・・。

  • 再読。初読ではもっとおぞましくグロテスクな印象だった。が、もしかしてこれは両親を失った兄弟姉妹の、生きるための健気でひたむきな物語なのではなかろうか? 勿論扱うモチーフは近親相姦・死体遺棄‥とインモラルな行為のオンパレードなのだからそれなりの退廃は伴う。しかし長男ジャックの視点で語られる物語は他者の目を殆ど介入させない。この閉じた世界がまるで全うであるような錯覚を読者にも引き起こす。彼らは何の後ろめたさもなく禁忌を破る。必然の行為として。この世界が瓦解する時、長女の最後の言葉にいちばんの狂気を感じた。

  • まずこんな作家だったけ?という思いが先に来るが、何しろ一年以上読んでいなかったのだからそれはそうなる。近親相姦が本書のテーマだけれど、直接的に見えてくるものは、デレクの発言に嫌悪感を示すジェリーの言葉からもわかるように、権威的なものから逃れて完璧な自由を得たときに、人が直面する混沌と危険だ。彼らはその後どこへ向かい、何を見つけようとするのだろうか。読後感はあまりよくない。

  • いつか読もうと思っていたイアン・マキューアン。タイトルから手にしたこの小説が、奇しくも彼の長編第一作だった。入門にちょうどよかったか。

    彼のどの作品だったかを、友人が「非常に不愉快な小説」と断じつつ賛辞を述べていたことが印象的だったが、本書も非常に不愉快かつ魅力的な本だった。

    父と母を相次いで亡くし、世間から離れた広大な家に住む4人が大人の目のない子どもだけの世界を造る。うだるような暑さ、荒んでいく家、赤ん坊に退行していく弟、退廃的な姉と弟の関係…。母の遺体を埋めたセメントにヒビが入るのと同じくして、臭気が漂い子どもたちの世界も膿みはじめる。

    ああ、疲れた。マキューアン、時間をおいてまた読むと思う。

  • 桜庭一樹さんの読書日記で紹介されていたマキューアンの長編小説。

    死体処理や近親相姦などのちょっとショッキングな内容も含まれていた(死体処理に関してはもっとショッキングなものを読んでいるから全然大丈夫だったけれども)が、子供たちの楽園の誕生と喪失を上手く描いているというか、シンプルながらも結構生々しい感じで描いているのがいい。こういう生々しさこそ小説には必要なことだと思う。フィクションであっても。

  • 病死した母親の身体をセメントで覆い隠し、自分たちだけの閉じた世界で暮らす子どもたち。暑い夏、雑草の生いしげる庭、取り壊された近隣の家々。語り手の少年の口調からは後悔も高揚も感じられず、うだるような暑さだけがけだるい空間を支配する。
    割れたセメントの内部からやがて腐臭が漂い出すように、外部から隔絶されたこの停滞した日々が、永遠に続くわけではないことはわかっていただろう。崩壊の予感はじわじわといや増し、すべてが終わりを告げるその直前、少年の姉の発する言葉。歪つな楽園はそこでようやく完成する。

  • 死んだ母親をコンクリートに埋めて暮らすきょうだいの、一夏の物語。思っていたより気持ち悪くはないが、当たり前のように異常。

  • 「マキューアン初の長編」らしいけどそんなに長くない
    とろとろの濃密な時間をさらりと読む感じ
    あれみたいだあれ

    映画『誰も知らない』
    原因は違えど、子供達だけの生活しかも夏
    でも、この作品のモデルになった実際の話より、マキューアンの小説のほうが先なんだ
    へ〜え
    そしてあの映画よりこの小説のほうがなんだかリアルに感じる

    兄弟がバラバラになると仄めかしてあくる日死んじゃった母親を
    父親が遺したセメントで埋める
    夏休みに入り
    街の外れにある彼らの住む大きな屋敷は間もなく
    世間の流れからも外れて時間も固まってしまったようになる

    解放感と閉塞感が同時進行している感じ
    私の好きな、マキューアン独特のものの表現がまだ影を潜めている感じだけれど
    それでも面白く、一気に読みました

    行き着いた先はとっても乾燥していて以外と清潔かもしれない
    長女が外界の男友達に放つ「凡人」というセリフが読み手にも放たれたようで
    何が正しいんだかようわからんくなる


    それにしてもこの作品
    なんとシャルロットゲンズブール主演で映画化されておる
    しかも邦題の副題が『ルナティック・ラブ/禁断の姉弟』となっている
    デパートの迷子のアナウンスかなんかで読んでもらいたいタイトルです

  • 近親相姦。
    コクトーの「恐るべき子供たち」を思いだしました。最も、こっちの方が現代エグイ版だけど。。
    マキューアンは変態だーー面白いから読んでしまうけども。

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