黒い犬 (Hayakawa novels)

制作 : Ian McEwan  宮脇 孝雄 
  • 早川書房
3.36
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本棚登録 : 59
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152082909

感想・レビュー・書評

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  • どうやら黒い犬というメタファーの意味を理解していないことには中々難しい作品ではあるらしいということだけは分かりました。
    その上での負け犬的感想だが、材料が小説に昇華仕切れていない感じがする。結局夫婦の不和とも必然とも言える相違にどう絡ませたかったのか?終結部が冒頭にリンクしてないと思いますな。
    ただ色々読者に考えることを強いる作品であることは事実、読んで損はないのでは。

  • アマゾンのレビューはあまり良くなくて、期待していなかったのだが、やはりマキューアン、良かった。
    愛し合う二人が少しずつ、けれども決定的にすれ違って行く様子は『初夜』を思わせる。『初夜』はまさにそこに焦点を当てている作品だが、こちらはベルリンの壁崩壊や、戦中の非道な行為を描くことで現代ヨーロッパの不安や憂鬱も描いているため(その象徴が「黒い犬」)やや焦点がぼけてしまった感はあるかな、という気がした。
    しかし蜻蛉を採ったことで起こる諍い(p98~)や「神がいるいないの問題を科学で解決しようとしても彼女には伝わらないし、世界の価値を精神的な面からとらえようとしても彼には伝わらない」(p160)など、どこの男女にもありそうなシーンは印象的で、心に残った。

  • 神秘主義者と合理主義者の夫婦というのが、マキューアンの作品をそのまま表しているようで面白いなと思いました。

  • 神秘的な愛と理論的な愛。
    この双方の間を歴史的な背景と供に綴る回想録。

    読みやすい文章でありながら話はとても深く、読み手の生き方や今までの経験によってこの本の価値が大幅に変わると思います。

    主人公であるジェレミーは不遇な少年時代を過ごす。
    そして大人になり良き妻と子供にも恵まれ幸せな家庭を持つ。

    この話の回想録は妻の両親であるバーナードとジューンである。
    幼い頃から両親がいないジェレミーは義両親であるこの2人を特別な意味で接していた。
    しかしこの夫婦は仲が良くなかった。
    それは何故か?
    それがこの話の主な軸となる大部分である。
    冒頭であった神秘的と理論的。
    幼少期の家族への憧れと一方的な願い…入り交じる感情と落胆。
    主人公は何故そこまでしてこの真実を突き止めようとするのか。
    様々な感情と人物たちの心の動き、そして愛が冷める瞬間の描写まで考え深い作品だと感じる。

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