永遠の森―博物館惑星

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 168
レビュー : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152082916

作品紹介・あらすじ

地球の衛星軌道上に浮かぶ巨大博物館-"アフロディーテ"。そこには、全世界のありとあらゆる美術品、動植物が収められている。音楽・舞台・文芸担当の"ミューズ"、絵画・工芸担当の"アテナ"、そして、動・植物担当の"デメテル"-女神の名を冠した各専門部署では、データベース・コンピュータに頭脳を直接接続させた学芸員たちが、収蔵品の分析鑑定・分類保存をとおして、"美"の追究に勤しんでいた。そんな部門間の調停をつかさどるのが、総合管轄部署の"アポロン"。日々搬入されてくる物品にからむ、さまざまな問題に対処するなかで、学芸員の田代孝弘は、芸術にかかわる人びとの想いに触れていく…。至高の美とはなにか。美しさを感じる人間の感情とは。-星雲賞受賞の俊英が叙情性ゆたかに描く、美をめぐる九つの物語。

感想・レビュー・書評

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  •  凄かった。よくもここまで創りこめたものだ。
     まず、世界観の作りこみがさすが物語の描き手という感じ。地球の衛星軌道上に浮かぶ巨大な博物館。全体像はSFでファンタジーだけど些細なリアルを丁寧に積み重ねているからディティールがすごく魅力的で、本当に存在するんじゃないかと思えてくる。登場人物たちも、どういう人なのか、何を考えてこの場所でそういう生き方をしているのか、どう変わってゆくのか、きちんと描かれている。キャラクター1人1人が自分の人生を生きているのが鮮やかにわかる。
     美術とSFという全く別のフィールドのものをしっかり縒り合せて描いてある。それにミステリの要素もあるし、人間の感情の機微もプラスのベクトルとマイナスのベクトルが過不足なく表現してあると思う。
     図書館から借りた資料なので、文庫を手元において読み返したい。

  • ものすごく抽象的に見えて、その実ストレートな恋愛モノ。
    感情や記憶、人の心と想い。
    それがすべて保存でき、いつでも引き出せるとしたら?
    美術品とそれに対する人々の想いがやさしい物語でした。

  • ムネーモシュネーシステム(だったかな)に憧れる(でも手術はなあ……)。

  • 宇宙に浮かんだ博物館の惑星で、多忙を極める学芸員の活躍を描いた9つの物語。「美とは何か」を追求する芸術論に、ラブストーリーがオーバーラップしている。何度読み返してもとても美しい一冊。最近、文庫版も出たようですね。

  • 2019/6/24(月曜日)

  • SFファンタジー。
    惑星そのものを博物館としている世界でデータベースネットワークに直接頭脳を繋げている学芸員で調停管理職を主人公とした連作短編集。
    美しいとは何か、からくる難問は様々でそれを解決するために奔走する話。

    個人的には超当たりで好きな世界観。

  • ほっこり系の話の連なり。たまにはこういう話で和むのもいいね。
    「美」はそこにずっとあるけど、見つけ出すのは人の「心」なんだなあと思う。

  • こういう世界を作れるのはすごいと思う。終わりに向けての流れ、最後の話は好きだけど、推進力は低い。ゆったり世界に浸りながら読む本かな。

  • 何となく手に取った本が面白いと、何とも言えない嬉しさがある。
    舞台は遠い未来の総合博物館、そこで働く学芸員の物語、
    攻殻機動隊の世界観を一気に平和にして、美術、芸術に焦点を絞り、技術は進歩しても扱う人次第みたいな話。

  • 物事は複雑そうで、単純。結局行き着いた先は、当たり前の感情。じわりじわりと、何かが胸に湧く。きれいな情景。

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著者プロフィール

1963年生まれ。SF作家。2015年、『放課後のプレアデス みなとの宇宙』のノベライズを上梓。他の著作に『おまかせハウスの人々』『プリズムの瞳』など。本作がはじめてのビジュアルブックとなる。

「2016年 『GEAR [ギア] Another Day 五色の輪舞』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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