恥辱

制作 : J.M. Coetzee  鴻巣 友季子 
  • 早川書房
3.65
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本棚登録 : 124
レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152083159

作品紹介・あらすじ

52歳のケープタウン大学教授デヴィッド・ラウリーは、二度の離婚を経験し、以来、欲望に関してはうまく処理してきたつもりだった。だが、ひとりの教え子と関係をもった時から事態はすっかり変わった。胸高鳴る日々も束の間、その学生から告発されて辞任に追い込まれてしまったのだ。仕事も友人も失ったデヴィッドは、娘がきりもりする片田舎の農場へ転がり込む。誰からも見捨てられた彼を受け入れてくれる娘の温かさ、自立した生き方に触れることで恥辱を忘れ、粉砕されたプライドを繕おうとする。だが、ようやく取り戻したかに見えた平穏な日々を突き崩すようなある事件が…。転落し、自分の人生を見つめ直すことになった男の審判の日々を描く。この作品で二度のブッカー賞に輝く不世出の作家が贈る、落ちゆく人生を彷徨う男の物語。

感想・レビュー・書評

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  • わたしには難解な小説だったような読後感。ブッカー賞を2度 ノーベル賞も受賞した作者、初めて読んだけど、やはり文化や環境の違いですんなり理解できないもどかしさが強かった。それでも引き込まれて一息に読了。話は南アフリカを舞台に大学教授職も友人も家族も自らの不始末で失っていく初老の男が安寧を求めた娘の住環境にも馴染むことが叶わず彷徨いが続く。

  • 1999年ブッカー賞

  • 【Entertainment】恥辱 / J.M. クッツェー / 20190112 / (3/735)<290/105281>
    ◆きっかけ
    ・組合図書室で発見。冬休み用一冊に。

    ◆感想
    ・同著者二度めのブッカー賞受賞作品+ノーベル文学賞受賞、という期待感に沿った名作だった。南アをに性、老い、死、家族などの様々なモチーフが内包されており、人種間の軋轢も背景に窺い知る。
    ・小説はオープンエンディングで幕を閉じる。救いも解決も無い物語に不思議な読後感。自らの意思で堕ちて行き、辿り着いた現状を悲嘆せず自分自身を傍観している彼の胸中は読者に委ねられている。
    ・本の帯にある果てしない転落、はまさにその通り、しかし、そこから一歩も引かずに恥辱にまみれながら、淡々と生き抜いていく彼はすごい。

    ◆引用
    ・どの女もひとりひとりが私を豊かにしてくれた。

  • 途中これはどうなるんだろうかと結構のめり込んで読んでいたのに完全に肩透かしを食らわされた感あり。
    主人公と読者の彷徨のシンクロナイズを狙ったんだろうか?そんなことないよなぁ、、、とにかく読者に考え込ませるのではなく、ただ沈黙に陥ってしまう感じかな。
    ところで、日本語訳で娘が父を絶えず「あなた」と呼び続けていたんですけど、これは両者の絶対的距離感を表現するための選択だったんでしょうか?何か違和感を感じなくはなかったけれど、まさかyouをそのまま訳してみましただけみたいなことはないですよね、、、

  • 老いてもこんなに性欲があるものなんですかね。
    主人公よりも、娘の気持ちが全く理解出来なくて苛々。

  • 序盤、主人公教授が気もち悪くて読むのやめようかとおもったけれど、あっけなく転落したから読み進めたんだけれど・・・・。
    読みやすいし面白いから2日くらいで読めたのに、すごく疲れた。
    登場人物全員、理解できる人間が一人もいなかった。
    なんだかどんよりするなぁ。

  • J.M. クッツェーは、南アフリカ出身のノーベル賞作家。
    本書、『恥辱』は、『マイケル・K』に続く二度目のブッカー賞授賞作品。大学教授である52歳の男が、教え子に手を出し、大学を追われたのち、身をよせた娘の農場での出来事を描いてるもの。『恥辱』を読むことで南アフリカの社会的問題が、それほどみえてくるのかと問われると疑問だが、父と娘の親子の繊細且つ微妙な関係や、女性の自立の問題や老いへ向う人生観などクッツェーの投げかけるテーマは多い。

  • この主人公を一目?で好きになれる人はそうそういないのではないでしょうか。こういうタイプの主人公は、日本では去年出版されたイアン・マキューアンの「ソーラー」に似ていますね。
    こっちの方が苦いと思いますが・・
    バイロンのオペラが完成するのか、完成するとしたらどういう風なのか、考えてしまいます。ラストも、決してオチているわけではないのですが、不思議にカタルシスを味わえる最後だと思います。

  • 読後感…身を切り裂かれるような辛い想い。でも読むべき作品。
    それでも人は生きていくのだ!

  • 不思議な話だった。最初はありふれた話なのかと思いきやアフリカに行ってからどんどんずれていってしまう。いままでに味わったことがないような奇妙な感覚に引きずられる。近代個人主義の敗北ともいえるのかもしれない。私たちは土俗的な慣習から自由にはなれないのかもしれない。そして、何が恥辱となるかは個人や文化の問題なのだ。

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