ミステリ・オペラ―宿命城殺人事件 (ハヤカワ・ミステリワールド)

著者 :
  • 早川書房
3.23
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本棚登録 : 149
レビュー : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (682ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152083449

感想・レビュー・書評

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  • 10年ほどまえの年間ミステリーランキングのNo1をとったという本『ミステリ・オペラ』を読了。上下組で682ページの大作なので正月から取り組み昨日まで読み終わるのにかかってしまった。現代と戦時中の二つの時代を物語は行き来する複雑な作りに加え、物語の大きな構成要素になっているオペラ『魔笛』に関する博識などなど大変な本なのだが、さすがに評価が高い本だけあり難しさはありながらも決して飽きさせずぐいぐい引っ張って行ってくれる。知らないところに凄い本があるものだ。読むのが大変な大作だが読む価値ありです。

  • 「虚無への供物」の系譜に連なる小説にして、総決算を思わせるほどの大作。
    探偵小説でしか語れないものを語ったひとつの物語。
    語られているもののスケールも壮大だが、平成元年と昭和13年を舞台にこれでもかと詰め込まれた謎・探偵小説的ガジェットのてんこもり、謎に見合うだけの推理と、破格のミステリでもある。
    この作品で描かれていたものに対して、真っ正面から感想を言うのは手に余る感。
    しかしながら最後の真相、そして最後の見立てには深く感動していた。
    物語から得た深い感動が、探偵小説だからこそ産み出せるものであり、このことが、自分にはとても心に刻まれた体験だった。

    オペラ三部作とのことだけど、本作でここまでやった後に、はたしてどんなことを語りうるのか。気になるので次作以降も読みたい。

  • 大作だが、複雑かつ特殊な舞台設定の把握をしつつ
    膨大なボリュームのテキストを読み込んでいく
    労力に見合ったカタルシスや読感が得られるかというと
    時間と労力に見合っていないと言わざるをえない。

  • すごい。壮大なスケールの話で、様々な謎がでてきて解かれてとにかくおもしろい。

  • ヒラヒラとイリュージョン。

  • 豪華絢爛。その一言に尽きる。
    見立て殺人、密室、暗号などなどあらゆる要素を詰め込んだ一冊。
    オペラシリーズは全部で三作あり、全てミステリーではあるのだが、私はこれが一番「探偵小説」を推している作品だと思う。
    外伝的に、軽く読めるような検閲図書館シリーズをもっと読みたい。まあ、この人を出すとどうしても重厚なものになってしまうのだろうけれども……。

  • 読むのに時間がかかってしまった。舞台設定が複雑で読んでいて混乱してしまった。広げられた大風呂敷が最後にたたまれていくのはすごかった。

  • とにかく本格推理のあらゆるがジェットを投入しながらも、手際よく風呂敷をたたんだ。見事。

  • 期待が大きすぎただけに、もう一息~だった。
    南京大虐殺を題材とした小説、宿命城殺人事件。そこでの殺人事件と現代とを行ったり来たりさせ、少しずつ謎を解いていく。
    ただ、色んな文献を持ってきすぎだし、長い&メモをとらないと頭の中に入ってこない。オリジナリティーが感じられず、どこからか持ってきたものの集合体、というイメージ。
    時間のある時に再読すれば、印象変わるかな?

  • 時空を超えて探偵小説というものは読まれるべきであり、
    それは平行世界も殺人事件もエラリー・クイーンも収斂してしまう。
    そういう魔力を持ち――誰もがその引力から逃れられない。
    読者は檻の中でひたすら快楽を感じ続けるだけだ。
    ただ人を殺すのは簡単だがそれを物語化するのは困難を極める。
    だから作者は思潮を練り双眸をきらめかせ史料を検見するのだ。
    ようやく完成し上梓された一冊がミステリとして評価され、
    アトモスフェアや装丁、その他仔細まで凝るのである。
    ゆえにその全体像(holism)を闊歩せねば正しい価値は見出せない。
    奢侈や小手先だけの技術だけでは如何せん飛翔しない。
    ミステリ・探偵小説の類の小説というのはその特徴から、
    「オペラ」この言葉がすべてを象徴しているのではないか。
    作品としてゲシュタルト的に構築されているため、
    要素々々には分割することはできない。
    あくまで「オペラ」のように総体で判断・基準とする。
    その支流は平成の現代でも受け継がれ、
    これからの世に瀰漫・流行していくのだろう。
    それは昭和だけでなく明治大正の作家も望んだことなのだろう。

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著者プロフィール

山田正紀(やまだ・まさき)
1974年、『神狩り』(早川書房)でデビュー、同作は第6回星雲賞日本短編部門を受賞した。『最後の敵』(徳間書店)で第3回日本SF大賞を受賞、『ミステリ・オペラ』(早川書房)で第2回本格ミステリ大賞と第55回日本推理作家協会賞を受賞。「神獣聖戦シリーズ」「五感推理シリーズ」など、多数の著作がある。

「2019年 『大江戸ミッション・インポッシブル 幽霊船を奪え』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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