昏き目の暗殺者

制作 : Margaret Atwood  鴻巣 友季子 
  • 早川書房
3.82
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本棚登録 : 129
レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (678ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152083876

作品紹介・あらすじ

1945年、妹のローラは車ごと橋から転落して死んだ-あれは本当に事故だったのだろうか?いま、年老いた姉のアイリスは、孤独のなか自分の来し方とともに思い返す。それに、ローラの死後出版され、彼女を伝説の作家にまつりあげることになったSF小説『昏き目の暗殺者』に描かれた恋人たちは誰がモデルなのだろうか?わたしたちチェイス家は代々、釦工業で財をなす、ポート・タイコンデローガの町いちばんの名家だった。だが、労働運動の激化で家業が傾き、わたしは父のライバルに台頭してきたリチャード・グリフェンのもとに嫁ぐことになった。無垢そのもので世事に疎い妹ローラには、家運を背負ってのわたしの決心など理解しようもなかった。やがて、娘をもうけたわたしの前に、すべてを突き崩す事実が立ちふさがる…。ある一族の波瀾の歴史を、孤独と追憶の迷宮のなかに描く、近代・現代文学の総決算。稀代の物語作家が類稀な想像力と圧倒的表現力で紡ぐブッカー賞、ハメット賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 2000年ブッカー賞&2001年ハメット賞
    アトウッドお得意の重層構造がすばらしい

  • お話の内容自体は面白いはずなのだけれど、とにかくダラダラと長い。

  • 最初は良い結末なのかなと思った。なんだかアイリスは幸せそうだったから。
    しかし、考えれば段々そうでもない気がしてきた。アイリスの語った真実を誰が信じれるのだろう。筆跡や文体で証明できるのかもしれないが、世間におけるローラの存在の大きさ、表彰式まで出てしまったアイリスが老いた今さらなにを語っても届かないのでは、と思えた。サブリナの人物像はよくわからないが、世間的にはアイリスの残した文章は晩節を汚すとしか思われず、嫌悪感から拒絶されるのではないだろうか。
    リチャードも娘エイミーも世間もローラに魅入られていた。誰にもみてもらえていないアイリスの寂しさを強く感じた。
    振り返れば、ローラには他に男がいると語り夫リチャードを傷つけるって、何て切ない行動なのだろう。

  • 2000年ブッカー賞、2001年ハメット賞受賞作。

  • 長かった。

    あまり面白さを感じず途中で読むのを止めてしまった。
    でも目につくところに置いてあると気になって(存在感のある本なので。厚みとか)ついつい手にとって開いてしまう。
    それで結局最後まで読み切ってしまった。
    魔力!

    とても怨念じみたものを感じる。
    舌を抜かれて声を上げられない者の怨念…。

  • すばらしく豊かな物語。600ページを越える厚みが気にならない、ブッカー賞受賞作だが、ミステリー小説のようにもっと読みたい知りたい、と先へ先へと引き寄せられる。
    過去と現在、小説in小説、多数の登場人物と、複数の視点から重層的に語られるが、話が進むにつれそれらが絡み合い、時にパズルのピースがかちりとはまるように確かな接点が生じ、謎が解け、或いは新たな謎を産む。物語る老女は台風の目なのだが飄々としてむしろ没個性、周囲のテキストが悲劇を語り濃厚なテイストを帯びる。
    アトウッドは侍女の物語などでフェミの気が強いイメージがあって敬遠していたが、さにあらず。日本の小説家でこのように物語る底力を持つ人を知らない。

  • 重層構造に圧倒された。

  • 謎が解けたのは最後。私の人生も、そうなのかもしれない。

  • ミステリとしては半分読んだあたりでオチがわかってしまい、SFっぽい挿話は妙にチープ(訳者後書きによるとこれは狙ってやっていることらしいが)。『侍女の物語』の線を期待して読み始めたので、そこは期待外れ。

    意地悪ばあさんの主人公にうんざりせずに最後まで読み通せたのは、アトウッドの筆力のおかげだけれど、基本ストーリーの主要登場人物がどれも残念な人たちであり、しかも残念さに独自性がない。この本の複雑な構成に見合ってない。ごく普通の、正直な相互フィードバックが適切なタイミングであれば、みんなもっと幸せになれたんじゃないのって思う。「お金がありすぎると人生を間違えやすいなあ」というつまらない感想になってしまった。

  • 英語の教科書に出てきて興味があって読み始めたのですが、

    途中で挫折してしまいました。

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著者プロフィール

Margaret Atwood 1939年カナダのオタワに生まれる。オンタリオ北部やケベックで少女時代の大半を過ごし、トロント大学に入学、ノースロップ・フライのもとで英文学を学ぶ。その後、ケンブリッジ、ラドクリフ大学で英文学修士号を取得。さらにハーバード大学大学院で学んだ後に、カナダ各地の大学で教鞭を執る。処女詩集『サークル・ゲーム』でカナダ総督文学賞を受賞。詩、長編、短篇小説から評論、児童書まで幅広く活動する。詩集『スザナ・ムーディーの日記から』(1970)、小説『食べられる女』(1969)、『浮かびあがる』(1972)、『侍女の物語』(1985)『Alias Grace』(1996)などで世界各国の文学賞に輝く。最新作『The Blind Assassin』(2000)でブッカー賞を受賞。評論集『サバイバル』(1972)ではカナダ文学とは何かを正面から問いかけた。邦訳書に『キャッツ・アイ』(マーガレット アトウッド 著、松田雅子、松田寿一、柴田千秋訳、開文社出版、2016年)、『負債と報い――豊かさの影』(マーガレット・アトウッド著、佐藤アヤ子訳、岩波書店、2012年)『死者との交渉―作家と著作』(マーガレット アトウッド著、中島恵子訳、英光社、2011年)『オリクスとクレイク』(マーガレット・アトウッド著、畔柳和代訳、早川書房、2010年)『またの名をグレイス 上・下』(マーガレット・アトウッド著、佐藤アヤ子訳、岩波書店、2008年)『ペネロピアド(THE MYTHS)』(マーガレット・アトウッド著、鴻巣友季子訳、角川書店、2005年)『良い骨たち+簡單な殺人』(マーガレット・アトウッド著、中島恵子訳、北星堂書店、2005年)『カンバセーション アトウッドの文学作法』(マーガレット・アトウッド著、加藤裕佳子訳、松籟社、2005年)『ほんとうの物語』(マーガレット・アトウッド著、内田能嗣 訳、多湖正紀・山本紀美子 共著、大阪教育図書、2005年)『昏き目の暗殺者』(マーガレット・アトウッド著、鴻巣友季子訳、早川書房、2002年)『闇の殺人ゲーム』(マーガレット・アトウッド著、中島恵子訳、北星堂書店、2002年)『寝盗る女 上・下』(マーガレット・アトウッド著、佐藤アヤ子・中島裕美 共訳、彩流社、2001年)『マーガレット・アトウッド短編集』(マーガレット・アトウッド著、Alan Turney編、久慈美貴 注釈、ロングマン・ジャパン、1998年)『食べられる女』(マーガレット・アトウッド著、大浦暁生訳、新潮社、1996年)『サバィバル』(マーガレット・アトウッド 著、加藤裕佳子訳、御茶の水書房、1995年)『Sudden fiction (2)』(「ハッピー・エンド」 Happy Endings 収録。ロバート・シャパード 著、ジェームズ・トーマス 訳、柴田元幸 著、文芸春秋(文春文庫)、1994)『ファミリー・ポートレイト—記憶の扉をひらく一枚の写真』(「偉大なる叔母たち」 Great Aunts収録。キャロリン アンソニー (Carolyn Anthony)編、松岡和子・前沢浩子訳、早川書房、1994年)『浮かびあがる』(マーガレット・アトウッド 著、大島かおり訳、新水社、1993年) 『青ひげの卵』(マーガレット・アトウッド 著、小川芳範訳、筑摩書房、1993年)『スザナ・ムーディーの日記』(マーガレット・アトウッド著、平林美都子 他訳、国文社、1992年)『侍女の物語』(マーガレット・アトウッド著、斎藤英治訳、新潮社、1990年→ハヤカワepi文庫(早川書房)2001年)『ダンシング・ガールズ マーガレット・アトウッド短編集』(マーガレット・アトウッド著、岸本佐知子訳、白水社、1989年)『描かれた女性たち 現代女性作家の短篇小説集(SWITCH LIBRARY)』(「急流を下る」 The Whirlpool Rapids収録。マーガレット・アトウッド・アリス マンロー・アン ビーティ 他著、岸本佐知子 他訳、Switch編集部編、スイッチ・コーポレーション書籍、1989年)などがある。

「2001年 『寝盗る女 (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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