ロミオとロミオは永遠に (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 1085
感想 : 181
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  • Amazon.co.jp ・本 (485ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152084378

作品紹介・あらすじ

日本人だけが地球に居残り、膨大な化学物質や産業廃棄物の処理に従事する近未来。それを指導するエリートへの近道は、「大東京学園」の卒業総代になることであった。しかし、苛酷な入学試験レースをくぐりぬけたアキラとシゲルを待ち受けていたのは、前世紀サブカルチャーの歪んだ遺物と、閉ざされた未来への絶望が支配するキャンパスだった。やがて、学園からの脱走に命を燃やす「新宿」クラスと接触したアキラは、学園のさらなる秘密を目の当たりにする…。ノスタルジーの作家・恩田陸が、郷愁と狂騒の20世紀に捧げるオマージュ。

感想・レビュー・書評

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  • 2002年作品
    恩田さんとはほぼ同年代なので、ほとんどの作品が手に取るようにわかってしまうのは悲しいところ。1960年~の話題やネタのメガ盛りでお腹いっぱいになった。
    なんとか着地できて安心しました。
    意味不明に思える組み合わせがロジカルなのか?まったくわからず。
    未来物は将来できそうな技術の資料を読まないと単なる昔ばなし(=過去に戻るオチで終わる)、まあしゃないとしよう。違った意味で読破に時間を要した作品です。

  •  すごく面白かったです!SFってあんまり好きじゃないけど、恩田さんのだったからか、すんなり読めちゃいました。
    読んでて、ハンターXハンターを思い出してました。
    スピード感があって、次はどうなるの!?って常に気になってて、読み終わったら、読んで良かった〜と心から思う、そんな作品でした。

    そして、厳しい環境の中だけど、アキラとシゲルがずっと信頼し合ってて、最後まで一緒にいるっていうのが凄く感動しました。

  • この先この作品を超える本と出会える気がしない。
    表紙が擦り切れるまで読み返したくなる

  • 20世紀のサブカルへのリスペクトがめちゃくちゃ感じられる。地球の未来を舞台にした不思議な設定だけれど、後書きにもあるとおり、泥臭さと疾走感は大脱走。
    楽しめる作品。錆びた太陽もくすっと笑える登場人物と突拍子もない設定だったなあ、と蜜蜂と遠雷のあとの振り幅にさすが!と思ったのを思い出した。

  • 作家デビュー10周年記念作品。

    Cover Direction & Design / 岩郷 重力+WONDER WORKZ。
    Cover Illustration / おがわ さとし
    初出 / 『SFマガジン』1999年3月号~2000年6月号、大幅加筆訂正

  • 数年ぶりの再読のおかげで前より元ネタがいろいろ分かって楽しかった。選手宣誓の文言は日本国憲法前文かな?
    最終的にしっかり過去にタイムスリップしたのか、それともメモリーズの中に入ってしまったのか…(?)。今まではずっと前者だと思ってたけど、普通に考えたら後者の可能性のほうが高いのかしら。
    「ショーシャンクの空に」という刑務所の映画と平行して読んでいると、大東京学園と刑務所に共通点が多すぎることに気づいてしまった。行き過ぎた管理はろくなことにならない……。

  • 一気読み。じゃないと逆によみきれなかったかも。
    色々忙しなかったけど最後救いがあってよかった。
    アキラいい子・・

  • 序盤からクライマックスまで息をもつかせぬジャンプ漫画ばりのテンポがあって長編ながら一気読みできました。キャラクターも個性的でそれぞれドラマがあって、でも最後のオチが人によっては納得できないのかもしれないので星はマイナス1です。コミカライズに向いている作品だと思うので、描ききれなかった分までいつか読んでみたいと思いました。

  • やたら荒廃してしまって旧地球に取り残され後処理させられてる日本で大東京学園に入学し卒業総代となると生涯の安定を得られる。アキラは兄のオサムが伝説的脱走をしたことに興味と疑問がある。仲良くなった美貌と稀代の身体能力を持つシゲルは姉がいて、卒業総代になれば彼女が救えるらしい。23区の名があてがわれたクラスの中脱走を試みる者が落とされる新宿に落ちたアキラは仲間と脱走を試みる‥‥

    いやー面白かったです。随所に散りばめられているサブカル小ネタがどこまで解るかがポイントでしょうか。サブカルを排除した世界だから尚のこと。中央フリーウェイとか力道山なんて若い子知らんぞ笑
    軽い筆致でスピード感溢れる読書。二段組の長さなどまるで気にならず全力で駆け抜けます。爽快。ラストの整合性は疑問が残るが、読んでる最中とても楽しかったので気にしない。
    シゲルが持つアキラへの友情が健気で萌ゆる。
    十二章題が「太陽は夜も輝く」でドキッとし、更にその中のアタミの「蓮の花だって、泥の中から綺麗な花を咲かす」という発言に冨樫のインタビューでの発言を思い出しました。両方、恩田さんの方が早いのすが、偶然の符合にワクワクしました。深読みすぎかな^_^;

  • 面白かった。昭和の流行っていたものが、いろいろ出てきて懐かしい。昭和時代が長い年月だったというのもあるけれども、戦争からバブル時期まで、ほんとにいろいろあったんだよね。戦後70年の節目なので、最近は戦争のことばかり話題になるけれど、こういうのもあっていいよね。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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