ラー (SFシリーズ)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 104
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152085719

作品紹介・あらすじ

ピラミッドの謎に魅せられ、その生涯を"タイムマシン"の開発に費やした現代人ジェディは、紀元前2624年への時間跳躍に成功する。だが、クフ王の治世下にあるエジプトで彼が目にしたのは、建造途上にあるはずのピラミッドが発掘されている現場だった。なぜかジェディを崇拝する監督官のメトフェルもまた、その秘密については固く口を閉ざす。ピラミッドとは何か?その目的とは?-帰還期限が迫るなか煩悶するジェディは、ついにクフ王その人への謁見の機会を得るが…古代エジプト哲学とSF的奇想を融合させた、『アイオーン』の著者による新境地。

感想・レビュー・書評

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  • 時間ものと聞いていたので、だいぶ前から気になっていたのだけど、ようやく読了。SFとしてというより歴史物としてはまぁまぁ面白かったかな。SFなのはタイムマシンで行ったってところくらいでタイムパラドックス的な話もほとんどなかったのが残念。

  • 「三四郎はそれから門を出た」で三浦しをんが紹介していた書。

    ピラミッドの謎を解くために、タイムマシンでクフ王の時代の古代エジプトにタイムスリップしたジェディだが、そこには既に砂に埋もれたピラミッドが存在していて…。特別な力を持つ神官〈ホルスに従う者たち〉の末裔にしてピラミッド建設工事(砂の撤去と表面仕上げのみを行う工事)の現場監督メトフェルらから太陽神ラーの現身と勘違いされたジェディは、セド祭に巻き込まれるうち、現代への帰還のチャンスを逃してしまう。そしてラストで判明するピラミッドの謎。

    古代エジプトの独特の世界観を押さえたトーンで淡々と描いた、味わいのあるSF小説。淡々としているためか、読むペースがなかなか上がらなかった。

  • ピラミッドに魅せられ古代エジプトにタイムスリップしたジュディが目撃したのは、ピラミッドの建設現場ではなく発掘現場だった……。
    物語としては起伏に乏しく少し地味目な印象ながらも、活き活きと描かれた古代エジプトの風景や生活が魅力的。ヒエログリフを駆使した宗教問答なんて愉しくてしょうがない。学者として、宗教者として、それぞれの立場で”真理”を問い続ける二人の主人公の姿勢も感動的。

  • 001.初、並、カバスレ、帯付。
    2011.11.6.伊勢BF。

  • エジプトの神々や文化に触れたくて読んだ本。

  • 文章中に、日本語以外の言語(象形文字)が出てきます。
    だんだん、なんとなく読めるようになってくるマジック。
    難しかったけど、その難解さに何かハマる感じ。

  • タイムマシンでピラミッドの現場を見に行ったら逆にピラミッドを遺跡として発掘していたよ、という壮大な粗筋が銘打たれていたわりに重要なのはそこではないっていうのが如何にもこの人っぽいなあと思った。本当の技術や精巧な機械を持っていたのは過去の人たちというパラドックスも同様に。
    ピラミッドや古代エジプトに関する知識が世界不思議発見で見たぐらいの微量なものしかなかったから一つ一つの言葉に難儀して読むのに時間はかかったけど、アイオーンのときに比べたらそこまでの「読み終わったー!」感はなかったかな。マニアックすぎて書かれてることの半分も風景描写できなかったから、そこがちょっとねー。円卓の騎士や錬金術類は中学のとき行き過ぎってほど読み漁ってたんだけど。

  • 長年の憧れだったピラミッドの謎を解くため、自作タイムマシンに乗ってクフ王の時代へタイムトリップした男、ジェディ。
    彼をラー神の化身と間違えた青年メトフェルと出会い、古代エジプトの生活、ピラミッドの謎に迫る。クフ王が建設したとされるピラミッドだったが、その時代においてもピラミッドはすでに遺跡として存在していた。
    いつ、誰が、なんのために、どうやってピラミッドを造り上げたのか?
    トンデモ本的な要素もある、「霊」「魂」「肉体」という独特の考え方をダイナミックに扱った正統派SFだ。

  • 古代エジプトに行くためにタイムマシンまで作った主人公が、クフ王の時代に飛んでピラミッド建設の謎を追う話。
    高野さんの小説は、情景描写がとても好き。キラキラ輝くピラミッドや、星が落ちてきそうな夜空、古代エジプトの建物や街がありありと想像できて、読んだあとは本当に旅をしてきたような気分になります。

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著者プロフィール

1966年茨城県生まれ。茨城大学卒業。
お茶の水女子大学人文科学研究科修士課程修了。
1995年、第6回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作『ムジカ・マキーナ』でデビュー。著書に『アイオーン』、『赤い星』など。編書に『時間はだれも待ってくれない 21世紀東欧SF・ファンタスチカ傑作集』(東京創元社)がある。2012年、『カラマーゾフの妹』で第58回江戸川乱歩賞を受賞。ほかの著書に『翼竜館の宝石商人』などがある。

「2022年 『大天使はミモザの香り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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