ハイドゥナン (上) (ハヤカワSFシリーズJコレクション)

  • 早川書房 (2005年7月21日発売)
3.52
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本棚登録 : 105
感想 : 10
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  • 本 ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152086556

感想・レビュー・書評

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  • SF?フアンタジー?ごちゃまぜ近未来小説。<BR>
    地殻変動。南西諸島沈没。与那国の神。ハイドゥナン。学者による状況説明なんかが難しかったけどがんばって読みまシタ。結構面白かった〜♪<BR>
    ワタシのスキな「しんかい」が出てますヨ。
    JAMSTEC(海洋研究開発機構)がJESTA(地球科学技術局)になってる…。

  • ハイドゥナン 上・下

    舞台は近未来の与那国島。地殻変動によって沖縄を含む南西諸島が沈み、それに伴う粉塵による気候寒冷化が迫っている状況の中、巫女を通じてそれを阻止しようとする科学者達の奮闘のお話しです。多くのSFにありがちな、「人が描けていない」という典型例のようなSFです。かといって、SF的なガジェットの描写やアイデアが優れているわけでもないので、SFファンも物足りないと思います。
    しかしながら、アイデア的には面白いものもいくつかありました。
    * 電気をエネルギー源として生きるマグマ菌が、電気エネルギーを得るためにプレートテクトニクスをコントロールすることによって地殻変動を起こすというアイデア
    * ラブロックのガイア理論は一神教がベースなため地球を一つの意志を持った存在と考えたのに対して、東洋の八百万の神様の考え方に基づいて、有機物・無機物を問わない情報ネットワーク=神が偏在しているというアイデア
    逆にどうもなーというアイデアとしては。
    * 石の中に電位差として記録されている石の記憶を読む、量子コンピュータを使ったストーンリーダー
    → 何か大きな物理変動がなければ、電位差があったとしてもそれが固定されることがないはず。特定の映像がそこから読めるなんていうことはどう考えてもおかしい
    * 神様がヒロインに、沖縄を救えというメッセージをたびたび送ってくる
    → 神=情報ネットワークであるならば、特定の情報の形態を維持することには何の意味もないはず。それなのに何で沖縄を救わなくちゃいけないの?
    書評の中で、「これって小松左京『日本沈没』じゃなくて、荒俣宏『帝都物語』じゃん」っていう意見があり、◎納得。
    帝都物語であれば、ちゃんと敵役(今回は中国だったけど)をちゃんと敵役らしく描かなきゃねえ。

    竹蔵

  • 共感覚と超能力と神秘現象のリンク。

  • レビューは下巻です。m(__)m

  • ハイドゥナン(南渡難):与那国島=渡難のさらに南にあるとされた理想郷。独特のアニミズム的自然観を柱に合理的かつロマンたっぷりに展開し、神の正体にまで迫るものすごく壮大な近未来SF。天変地異・琉球沈没の危機に科学者チームと東大生と巫女さんが挑む。「蛍女」という先行作品と話がつながってますが単独でも楽しめます。

  • 2006/06

  • 琉球ものに弱い私 なんでだろ

  • ハイドゥナン(南与那国)を目指してサバニで大海に漕ぎ出した夫婦の悲劇から幕を開け、2030年代の与那国島を中心舞台として展開する災害スペクタクル。

    「日本沈没」をきっかけに小松左京を読みまくった世代としてはちょっと懐かしいシチュエーションかも。災害のスケールはあそこまで無茶苦茶ではないけど、背後に展開する世界観はかなりスケールでかいです。読みはじめたら面白くて上下巻2日で読破。

    沖縄の民俗もよく調べてあるし、尖閣諸島をめぐる問題などリアリティのある素材も取り入れてるし(しかしこんな未来まで問題引きずってドンパチやってるのかと思うと……凹)、いろんな要素詰め込みすぎでちょっとまとめ切れなかった感じもあるけど、あっぱれ、と言っていいかも。

    5つ星にできなかった理由は、超私的です。あそこ沈めちゃったのが気に食わない。それだけ。

  • 近未来科学小説。冒険小説でもある。理論や人物描写もしっかりしていて大人にもお勧め。

  • 南西諸島の沈没は人類全滅に繋がっていくのか。「地球の生物は過去、悪徳の横行などで神の逆鱗に触れ、洪水や火山噴火によって三回滅ぼされている。…我々は現在、第四の世界に生きているが、次の絶滅に向けた準備はすでに始まっている」と云うことなのか。学者たちは、その科学の力の上に岳志、柚の力を借りる。果たして、人類の未来は…

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著者プロフィール

ふじさき・しんご 1962年、東京都生まれ。米メリーランド大学海洋・河口部環境科学専攻修士課程修了。科学雑誌『ニュートン』編集室に約10年間在籍。英科学誌『ニューサイエンティスト』に寄稿していたこともある。1999年に『クリスタルサイレンス』(朝日ソノラマ)で作家デビュー。早川書房「ベストSF1999」国内篇1位となる。現在はフリーランス。ノンフィクション作品には生命の起源に関連した『辺境生物探訪記』(共著・光文社新書)のほか『深海のパイロット』(同前)、『日本列島は沈没するか?』(共著・早川書房)がある。小説には『ハイドゥナン』(早川書房)、『鯨の王』(文藝春秋)など多数。



「2019年 『我々は生命を創れるのか 合成生物学が生みだしつつあるもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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