ハイドゥナン (下) (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 76
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (457ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152086563

感想・レビュー・書評

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  • この世でなく次の世であいましょう。

  • どうしても「日本沈没」との比較で語ることになってしまうが、シミュレーション小説の側面を強く持っていた「日本沈没」に対して、本作はよりSF的アイデアを前面に押し出している。ただ、そのアイデアへのアプローチ方法は多分に小松左京的でもあるのだ。
    「日本沈没」は、当時最先端の学説であったプレートテクトニクス理論を大胆に取り入れて日本が沈むメカニズムを説明した。そのくだりはまるで研究論文のようだと言われたものだが、本作では実際の科学理論に加えてSF的なアイデアも大量に持ち込んだ。それでいて考証は小松左京ばりに科学的で緻密を極めるという離れ技を見せているのだ。聞けば著者は科学雑誌の編集者や記者をやっていたという、根っから科学畑の人なのである。ヒロインの特殊能力もロジックがしっかりしているので、もしかしたらと思わせてくれる。「ラストはやっぱりそこに戻るのか・・・」とは思うが、2000枚を超える超大作、良くも悪しくもSFの醍醐味を充分に堪能させてくれるのは間違いない。

  • スケールがデカ過ぎるけど、すんなり読める。

  • ●最初の一章が済んだあたりから高速読解決定。なので、読み落とした部分はけっこうあると思います。 ●話はとりわけ破綻してる風でもないし、アイデアも大きめだし、別に何が悪いわけでもないんでしょうが、あえて言うならキャラが暗い。(←あっ言った。)
    いまどきそんな後ろ向きヒロインてどうなんだ。(←あっまた言った。)
    こう言う地異転変+オカルト破滅系大型SFと言えば、柴田よしきの『炎都』を連想するんですが、あれはヒロインがヘルメットかぶって走り回るような話だったような気がする。
    おなじく沖縄舞台でむちゃくちゃSFをかました『レキオス』は、超絶エロティカセブンな天才変態科学者オルレンショー博士が亀甲縛りでラ・ペルラに勝つ話だったような気がする。(←その比較に意味があるのか?) 
    そう言うキャラ達が大活躍する作品にくらべると、どうにもアホウな体質の私は、暗め重めでお笑い度が限りなく0%なキャラ立ちに物足りなさを感じてしまうのでした。
    言い方を変えれば、昨今の荒唐無稽な軽い乗りの作品とは一線を画すスケールの大きい重厚な大型SFだと言うことですね。
    ●伝統的国産大型SF作品。お好みで。

  • 2006/06

  • 最近地震が多いのでどきどきしながら読んだのでした

  • もちろん(上)も読んだ。長すぎ。(makon)

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著者プロフィール

ふじさき・しんご 1962年、東京都生まれ。米メリーランド大学海洋・河口部環境科学専攻修士課程修了。科学雑誌『ニュートン』編集室に約10年間在籍。英科学誌『ニューサイエンティスト』に寄稿していたこともある。1999年に『クリスタルサイレンス』(朝日ソノラマ)で作家デビュー。早川書房「ベストSF1999」国内篇1位となる。現在はフリーランス。ノンフィクション作品には生命の起源に関連した『辺境生物探訪記』(共著・光文社新書)のほか『深海のパイロット』(同前)、『日本列島は沈没するか?』(共著・早川書房)がある。小説には『ハイドゥナン』(早川書房)、『鯨の王』(文藝春秋)など多数。



「2019年 『我々は生命を創れるのか 合成生物学が生みだしつつあるもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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