貧困の終焉―2025年までに世界を変える

制作 : Jeffrey D. Sachs  鈴木 主税  野中 邦子 
  • 早川書房
3.70
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本棚登録 : 722
レビュー : 70
  • Amazon.co.jp ・本 (534ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152087232

作品紹介・あらすじ

現在、全人類のうち10億人が飢餓・疫病・地理的な孤立のために「貧困の罠」から抜け出せず、1日1ドル未満で生活することを強いられている。そのうち、生きる闘いに破れ、死に追いやられる人は毎日二万人もいる。しかし、人的資源の確保とインフラの整備さえ行なわれれば、自然と促される経済活動によって貧困を過去のものとすることができるのだ。そして、そのために必要な援助額は先進各国のGNPのたかだが1パーセントに満たない。私たちは、人類史上初めて「貧困問題を解決できる可能性を手にした世代」なのである。東欧革命中のポーランド、解体直後のロシアなど、世界各国の歴史的局面で経済政策の顧問を務め、トップの政治家たちに助言を与えてきた国際開発の第一人者が、その豊かな経験を振り返りながら、貧困をなくすための方策を明らかにする力強い希望の書。

感想・レビュー・書評

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  • 著者であるサックスは、途上国の経済成長が遅々としている原因の多様性を示し、先進国ドナーによる従来の援助の量的・質的な不十分さを喝破したうえで、各ドナーが資金援助を増やし「開発の梯子のいちばん下」に足をかける手助けができれば、2025年までに極度の貧困は根絶できると訴える。
    本人の回顧録も含まれていたり、経済学的な計算が簡略化されていたりと学術色は薄いが、貧困削減における大きな論争を巻き起こした著書として一読の意義はある。

  • 使命感に駆られる本。実際に政府と経済を動かしてきた人だけに説得力あり。同時にそう簡単に政府に助言できない自分は何をすべきかと途方に暮れもする。

  • 著者の豊富な経験と経済学の知識が絡み合った開発問題の指南書。貧困問題にかける情熱がひしひしと伝わってくる。先進国は途上国の債務を放棄すべきなど、過激な発言も多い。しかし経済発展のはしごに足をかけさせることが援助の役割であり、そのために先進国は協調してもっと援助額を増やすべきだという意見には納得させられる。

  • アフリカにもっと支援をして貧困をなくせ、という主張
    被支援者一人あたりの支援金額が少ない、というが、被支援者の人口増加率が高い場合、そういう数字の取り方は説得力がないように思う。

  • 国際開発分野で働くきっかけとなった本

  • 世界の経済顧問、ジェフリーサックス教授が贈る、貧困の解決具体策集。中国、インドを含む発展途上国の経済顧問として担当してきた国を経済成長に導いてきた実績と経験から発する具体策はどれも、地に足のついたものだ。それだけに、既得権者は採用しにくいだろうと思われる。

    以下注目点
    ・パナマ運河は、蚊の繁殖地を一掃したことで、工事を完了することができた。
    ・貧困を決定するのは食料の生産性。家族が増えることで、食い扶持が減るのも同じこと。
    ・ハイパーインフレはある日突然終わる。ドイツで実例あり。
    ・ボリビアの再ハイパーインフレを終わらせた外貨備蓄放出に、IMFは文句を付けた。うまくいった作戦に文句を付けるとは、IMFとはどういうところなのか?
    ・IMFの政策は、民間銀行の思惑次第。
    ・コカを断ち切るには、コカ栽培の代替の仕事を準備しなければならない。
    ・人を動かすには、金を見せること。経済の損失、どういう利益が得られるか。
    ・マラリアとエイズの解決も貧困の解決には必要。

  • 図書館

  • [ 内容 ]
    現在、全人類のうち10億人が飢餓・疫病・地理的な孤立のために「貧困の罠」から抜け出せず、1日1ドル未満で生活することを強いられている。
    そのうち、生きる闘いに破れ、死に追いやられる人は毎日二万人もいる。
    しかし、人的資源の確保とインフラの整備さえ行なわれれば、自然と促される経済活動によって貧困を過去のものとすることができるのだ。
    そして、そのために必要な援助額は先進各国のGNPのたかだが1パーセントに満たない。
    私たちは、人類史上初めて「貧困問題を解決できる可能性を手にした世代」なのである。
    東欧革命中のポーランド、解体直後のロシアなど、世界各国の歴史的局面で経済政策の顧問を務め、トップの政治家たちに助言を与えてきた国際開発の第一人者が、その豊かな経験を振り返りながら、貧困をなくすための方策を明らかにする力強い希望の書。

    [ 目次 ]
    地球家族のさまざまな肖像
    経済的な繁栄の広がり
    なぜ繁栄を享受できない国があるのか
    臨床経済学
    ボリビアの高海抜(ハイ・アルチチュード)ハイパーインフレーション
    ポーランドがEUに復帰するまで
    ロシアが普通の国になるための闘い
    五百年の遅れを取り戻す―中国の場合
    インドのマーケット再編成―恐怖を乗り越えた希望の勝利
    声なき死―アフリカと病
    ミレニアム、9・11、そして国連
    貧困をなくすための地に足のついた解決策

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 2004年頃に書かれた本で、今年はちょうど道程の半分に当たるということに興味を持ち、手に取った。時間がなく少し駆け足で読んだのと、データは10年前のものなので、せっかくふんだんに引用されている数字はちゃんと吟味しなかったが、説得力のある(少なくとも持たせようと努力している)本だと思う。警告一辺倒でも楽観論でもなく、状況は変えられるという希望を具体的な事例や提案で裏打ちしようという姿勢に共感、。実際に何か行動したい気持ちになった。だが、ミレニアム目標のサイトを見ると、ゴールを来年に控え達成度は低い。現実は厳しい…

  • 著者のジェフリー・サックス氏が先日(10月2日)、国連大学で講演をしたので、それを聴講するにあたって数年ぶりに再読。前にこの本を読んだのは恐らく5年以上前。NGO職員としてそれなりの年数を重ねてから読むと、また違った発見があったりして面白く読めました。

    中盤の150ページ分ぐらいは著者が貧困削減のために取り組んだ各国でのケーススタディになるので、この分野に関心が強い人でないと面白くないかもしれません。ただ、この本が出た2006年当時と今とでは、例証されている中国やインド、ロシアなどの実情がかなり変わっているのが分かり、たかだか数年でも状況は大きく変化するんだなぁと実感できます。

    貧困撲滅に関し、著者は一貫して楽観的です。楽観的という言葉が悪ければ、希望をまったく捨てていないと言うべきかもしれません。
    世界中から貧困をなくすにあたり、先進国の役割と責任ばかりを強調するのではなく、現時点で貧しい状態にある国の政府や人々にも、一定の責任と義務を負わせるべきだという考え方にも好感が持てます。このへん、アメリカやヨーロッパの中途半端な視点の人だと、昔懐かしい「白人の責任」を持ち出して「貧しい人は何も悪くないから富める国はとにかく支援をしなければならない」となるし、一方で貧しい国(政治的傾向として貧しいという意味では中国なども残念ながら含まれるでしょう)は自国の責任と義務を棚上げにして「先進国は我々が発展するためにあらゆる貢献をすべきだ」となってしまうので、どう転んでも敵を作りやすい理論だとは思いますが、それを言い切ってしまえる度胸と見識は称賛ものです。

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