- Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152087331
感想・レビュー・書評
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うろの中を覗き込むようなショートショート。
斧の話がバランス的に一番読みやすかった。
何も知らずに読み始めて、
アイデアの書き付けみたいなテンポに首をひねって、
編集者が習作の類を集めたものと聞いて腑に落ちた。
そういうのはその人のファンになったら
掘り出してでも読むのがいいかなーと思う。
カバーのスケッチブックの形は習作集の感じを出してるのかな
ところで本の話をしたこともない知人が
この本をくれた意味がすごく分からない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
短編集。
翻訳物だけど、文章がいい。内容は、よく分からないものもあった。 -
ショートショート集。どれも素敵。お気に入りは「北部行きの列車」
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短編集と言うよりもショートショートと言うべきか。
玉石混交の短い話が25話。
孤独、皮肉、空虚…と何だか寂しい気配が濃厚に漂う話ばかり。
国内の動乱、国を捨てること、異言語での生活と言った作者の人生の辛さとか苦しみとか…昇華されなかった澱みたいなものが文字になってひっそりと生息しているような感じ。
『わが妹リーヌ、わが兄ラノエ』の昏い兄妹愛、父を思う『わたしの父』が心に残った。 -
(再読)
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【粗筋・概要】
アゴタ・クリストフの習作や書き付け25編の掌編を収録した短編集。
【感想】
『文盲』もそうだけれど、本作もあっという間に読み終わってしまった。物足りない。
詩的や幻想的、意味不明な掌編などはいまいちであったけれど、皮肉な内容の「田園」「ホームディナー」、悲しい「わたしの父」は好き。
私のような著者のファン向けの本だな。 -
<収録作品>
「斧」La hache, 「北部行きの列車」Un train pour le Nord, 「我が家」Chez moi, 「運河」Le canal, 「ある労働者の死」La mort d'un ourvrier, 「もう食べたいと思わない」Je ne mange plus, 「先生方」Les professeurs, 「作家」L'écrivain, 「子供」L'enfant, 「家」La maison, 「わが妹リーヌ、わが兄ラノエ」Ma sœur Line, mon frère Lanoé, 「どちらでもいい」C'est égal, 「郵便受け」La boîte aux lettres, 「間違い電話」Les faux numéros, 「田園」La campagne, 「街路」Les rues, 「運命の輪」La grande roue, 「夜盗」Le cambrioleur, 「母親」La mère, 「ホームディナー」L'invitation, 「復習」La vengeance, 「ある町のこと」D'une ville, 「製品の売れ行き」Le Produit, 「私は思う」Je pense, 「わたしの父」Mon père
<ひとことコメント>
25篇の短篇集です。訳者あとがきによれば、「1970年代から1990年代前半頃までの(中略)習作のたぐいを編集者が発掘し、一冊に収録した」そうです。さらにこの訳者あとがきでは、いくつかの短編と今までの作品の関連が指摘されているので、また『悪童日記』から読み返したくなります。
原題“C'est égal” ※文庫あり -
『この常軌を逸した、自然の掟に反する愛から治癒することはないだろう、決してないだろう!』―街路
間違い電話、田園、街路、運命の輪、ホームディナー
好きです。
ショートショートで、あれだけの完成度はすごいです。
確かに健康な文学ではないかもしれませんが、愛に飢えているからこそ、途方に暮れてるかんじに寄り添いたくなります。