ビースト

  • 早川書房 (2006年7月14日発売)
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本 ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784152087454

感想・レビュー・書評

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  • 比喩表現かとちょっと期待したのだが、そのまんまだった(笑)。いや、やはり隠喩か……? 主人公は養護施設から里親のもとへ移され、そこももうじき(追い)出されてしまう状況の中、ある厄介なものをどうにかしなければと焦っている。今ならきっと「親ガチャではずれを引いてしまった」とぼやくだろう環境下で悪戦苦闘する主人公に、それは問題発言だよと何人が言えるだろう。展開は少々B級的だが、なんだかんだで人のいい主人公を応援したくなる小説だった。そしてラスト……とても爽やかなのだが、次は大丈夫だよねと、一瞬ドキリとしてしまったのは内緒だ。

  • アルコール依存症のホームレスの父親。精神疾患の母親。
    そんな両親を持ったスティーヴンは17歳で里親の元で暮らしている。
    そんなスティーヴンには秘密があった…。
    悲惨な家庭環境。
    ビーストを飼うことで精神の均衡を保っていたが、だんだん飼う事が困難になり。
    どきどきしたわ。
    どんな人生だろうと生きていく…という感じ。

    詳しい感想はこちらで↓
    https://ameblo.jp/harayou1223/entry-12877307118.html

  • 主人公はスティーヴン17才。
    父親はアルコール依存症でホームレス、母親は精神の病気という家庭環境の為、三年前から里子としてレナルズ家で暮らしている。色々と悪い事もしてきた。高校は中退し、働いている。だから、疑われることも多く、人を信用出来ない。
    スティーブンには内緒でかっているペットがいた。4年前に父親が気まぐれでくれた「ビースト(後にワニということがわかるが…)」いまでは大きさも4倍以上。公園のおりの中でこっそり飼っている。給料は全部餌だいにしていた。
    もう、飼っていられないと思い、殺すしかないと考え始めた頃、夜中に餌の豚を解体しているところをレナルズの人達に見つかってしまう。
    話は次々に展開していく。
    次から次へと問題が起こり重なりあいながら、周りの人との関係、スティーヴンの心の動きの変化を描いている。
    最後は、ビーストとも決着がつき何かを乗り越えてスッキリした感じに成長している。

    家庭環境に問題があり、スティーヴンの生活環境も荒れている。盗み、ドラッグ、大人に対する不信感…。だが、ワニをこっそり育てたり、汚い犬を助けたり、父親や母親を嫌いにはなれなかったり…。大嫌いなレナルズ家の娘のピンチを助けたりとスティーヴンの心には優しさが残っていることがわかる。

    わたしは読んでいて、もうちょっと人を信じればいいのに。また、問題発生か!!。と思いながら読んだが、それが面白く、最後が生きてくるのだろうと思う。

    帯に「狂暴な動物に立ち向かう少年の危険な冒険」「ぼくはこのおそろしいペットを殺さなければならない。」と書いてあったので、サスペンス冒険ファンタジーだと思って買ってしまった。ある意味冒険だが、求めていたものとは違っていた。

  • 主人公スティーブンは、父親がアル中、母親が精神病のため里子に出されていた。
    彼には、可愛くないペットがいる。好きで飼っている訳ではないが捨てるに捨てれず育てていた。
    里子であるのとこのペットのせいで悪いことばかりに巻き込まれる。

    物語は、緊張感が最後まで続くため次はどうなるのか気になって仕方が無い。
    物語にも引き込まれるが、孤独なスティーブンの気持ちに引き込まれた感じがする。

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