わたしのなかのあなた (ハヤカワ・ノヴェルズ)

  • 早川書房
3.94
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本棚登録 : 290
感想 : 75
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  • Amazon.co.jp ・本 (630ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152087638

作品紹介・あらすじ

アナ・フィッツジェラルドは13歳。白血病を患う姉ケイトのドナーとなるべく、遺伝子操作によってデザイナー・ベイビーとして生まれてきた。それ以来彼女は、臍帯血の提供にはじまって、輸血や骨髄移植など姉の治療のためにさまざまな犠牲を強いられてきた。ケイトの病状は一進一退を繰り返し、両親はついに残された最後の手段である腎臓移植を決意する。だが、アナはこれを拒み、弁護士を雇い両親を相手取って訴訟を起こす。「もうこれ以上、姉の犠牲にはなりたくない。自分の体に対する権利は自分で守りたいの」と。突然の娘の反乱に戸惑う両親。しかし、アナの決意は変わらない。はたして前代未聞の裁判の行方は?そしてケイトとアナの姉妹の運命は…!?全米の紅涙を絞った感動と衝撃のベストセラー、ついに日本上陸。

感想・レビュー・書評

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  • 普段翻訳された本はあまり読まないし、やはり翻訳されたなー感がある部分もあるけどこれは読んでよかった。原作で読み直そうかな

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  • 4-15-208763-3 630p 2006・9・30 初版

  • 【配置場所】特集コーナー【請求記号】933.7||P
    【資料ID】91091606

  • 親をあやす子ども。本来、子どもが母から離れることに強い抵抗を示すことを分離不安というが、その逆の場合にも当てはまるのではないか。
    人類があまりに躊躇なくアンタッチャブル(不可侵)な領域に足を踏み入れる時代となった。医療の進歩が供給、親子の分離不安が需要となって、医療と福祉のマーケットは肥大している。映画と同じような状況がすでに高齢者介護では当たり前となっている。援助者はなぜ、離れることの不安にフォーカスしないのか。働きかけるべき相手は、父親であるはずだ。映画の中でも、親子分離を力強く手伝ったのは父であった。

  • 久々の翻訳本。

    読み応え十分。

    あらすじを読んで、ノンフィクションかと思って手に取ったけどフィクションでした。
    でも、読み進めてみたら期待以上のリアリティで、ドキドキしながら先を読みました。

    アナのそばに寄り添ってあげたくなったり、
    母として自分がサラと同じ立場に置かれたら、と考てみたり。

    個人的な読みどころは、お兄ちゃんのジェシー。
    実は繊細で優しく、傷ついているけれど家族を想っている、その心の揺れに、この著者の描写のうまさを感じました。

    他の作品も読みたい。

  • 相葉くんがやっていたラストホープを見終わって、つまりあれってこれだよなー…と思ったので読みました(ドラマもおもしろかったですよ!)

    すごく誠実で真摯で、登場人物がみんな自分を消耗させながら正解のない問いに向き合っているのが読んでいて辛かった。多くの回想を交えながらゆっくり進んだ物語は、それでもなんとかして答えを出してくれる。

    「姉のドナーとなるため生まれてきた妹のからだを所有し管理し使用する権利は誰が持っているのか。」

    …なんて、こんな単純な問いに集約されるようなことでないのも本を読めばわかります。それでもこの問いは、考えたことがなければ相当ショッキングなものです。本で、「自分のからだを自分で思うようにコントロールできなくなること」について語られるシーンがありますが、骨折や入院すらしたことのないわたしはそういうことを考えたことが今までなかった。

    さて、本は「えええええ!」という展開を迎えますが、正直なところ別の結末でも読んでみたい話です。筆者の心理描写はとても細やかで、言葉遣いも美しいから。この物語で起こらなかったことが起きていたら、そのときこころはどういう風に動いたのか、この物語の言葉で読んでみたかった。

  • あれはない。あれはないよ。

  • 姉のドナーになるために生まれてきた少女が親を訴える話。映画を先に観てたけど、映画と原作じゃ、結末が違うんだね……。泣いた。

  • とても真摯な、愛の話でした。これは読めてよかった。
    白血病の姉と、ドナーの適合者であることがわかった上で生まれてきた妹と、そこで霞んでしまった兄と、母と、父と。裁判に関わる、血の通う人々と。
    自分の存在意義と、家族というもののかけがえのなさ(私は、家族であれば無条件にかけがえがない、と思うほど楽観主義ではありません。でも、この作品の家族は、家族という関係が持ち得るかけがえのなさを各自でしっかりと紡ぎ出している)との葛藤。
    それぞれが真摯な愛をもって、でもそれが必ず幸せですばらしい結果を生むわけではないという現実。
    難病ものにありがちな安易なお涙頂戴ではなく、自分とは何者か、自分の足で立つとはどういうことか、読者に問いを叩きつけることから逃げない展開に、非常に心惹かれました。
    終盤に明かされる事実に、それまで展開の上で実は傍観者的な位置にいたある人物によって読む方にとどめの問いを投げつけられた気がします。
    そして、そうした内容の積み重ねの上であったので、最後の展開も、アリだ、と納得できます。
    (いや、だって、普通ならあの「オチ」は、ふざけんな、ですよ。)

    全体を通して、お父さんがかっこいいなー。ていうかかっこよすぎるなー。理想すぎる。いやお父さんのかっこよさがなきゃ成立しないんですけど。

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