壁抜け男 (異色作家短篇集 17)

  • 早川書房
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152087867

感想・レビュー・書評

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  • そういうことはできないでしょう、と思うような設定をさらっと書いてそういう状況での人間を描いています。
    「カード」「よい絵」は面白い。
    「七里の靴」はメルヘン的要素がありながら、少年の貧しさと憧れの七里の靴にしんみりさせられる物語。

  • 壁抜け男なんていうタイトルからはややイメージが異なるような、概ね至って文学。
    異能力者ではあるけど、なんか能力の使い方が地味、ではなくて、筆致が地味なのか。分裂できるから好きな人を見つける度に分裂して不倫してたら6万人になっちゃったー、っていや意外とすごいし。
    他にも不思議な設定ながらも驚くほどエンターテイメント性が低くて文学してる話が盛り沢山で、なんかいやむしろギャップで読むの疲れるぞ、これ。

  • ずっと気になっていた「壁抜け男」。とにかくすごいインパクトです。どうなるのか期待しながら読み進めたその先は・・・思いがけず寂しいラストが待っていました。表題作以外では「カード」「よい絵」「サビーヌたち」が特に印象的でしたが、他の収録作も含めてみんなラストに違った余韻を運んできてくれるのです。そのため奇妙な味ばかりの短編集でもいろいろな種類のお話を読んだように楽しむことができました。また時を経て読み返してみたい本です。収録は他に「パリ横断」「パリのぶどう酒」「七里のくつ」

  • どの話も発想が面白かった。

    壁抜け男、よい絵、サビーヌたち、七里の靴が好きだな。

    アントワーヌの、親たちが他の病人たちの枕元でおしゃべりをしているのを聞くと、人生というものがものすごく豊かな、ほとんど嘘のように豊かなものであるように思われた。
    一節は少し切ない気分になった。

    怪しい商人が安く靴を譲ってくれて良かった良かった。

  • 異色作家マルセル・エイメの短編集。

    ラストが悲しい「壁抜け男」が読みたかったのだが、他の作品「カード」「サビーヌたち」も秀逸であった。

  • 2013/1/21購入

  • 印象に残る短編集でした。ごく普通の人たちに、不思議なことが起こります。彼らの人生は可笑しくて哀しいのですが、見守る作者のまなざしは、温かいと感じました。

  • なんとも奇抜な発想をする作家である。ストリーはいずれもパリの街を舞台にしたもの。日常的にどこにでもありそうな、あるいはなんとなく想像したくなるような、そんなハラハラ面白話のオンパレードである。壁抜けはいいなあ。

  • ある日突然自分に壁抜け能力が備わったら、あなたはどうする? 平凡な中年男
    のどたばたを描く表題作をはじめ、奇想天外かつ痛快無比な物語を紡ぐ心やさ
    しきファンタジストの傑作七篇を収録する

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