双生児 (プラチナ・ファンタジイ)

  • 早川書房
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本棚登録 : 243
感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (510ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152088154

感想・レビュー・書評

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  • 以前、借りて読んでいたのを電子書籍版を購入し再読。途中の中断期間が長く、ただでさえ注意して読まねばならないタイプの本なのに、かなり記憶も曖昧な形で読み進めたが、以前、集中して読んだ時もやはり意識は混乱した覚えがあり、結局どうなのというツッコミも意味ないタイプのプリーストの小説。ただこの実存性が曖昧になる、今、私が生きているかもしれないこの世界はリアル?と、ふと不安に思ってしまうような、そんな疑いを持ってしまうほど、プリーストの作り出す世界は何か確固たるものがあり、どちらの世界も本当に、パラレルに存在している気がしてくる。
    嘘を嘘と思わせない、現実を侵食してくるような背中のざわめき感がプリーストを読む醍醐味。

  • 最後まで読ませる腕前に感服です。
    悲しいかな、解説読んで真のおもしろさがわかりました(^_^;)
    再読したいが、ボリュームに敗ける・・・

  • ベルリンオリンピックのボート競技で銅メダルを獲得した双子.主にその後第二次大戦が勃発.片方は爆撃機のパイロットになりもう片方は兵役拒否者となる.後者の日記で物語が進行する部分が多いが,その中で平和会議が物憂されルドルフ・ヘスとチャーチルの間で和平合意がなされ大戦は終結する.簡単に言えばパラレルワールド者だが.読んでいてどこまでが現実かわからず.プリースト独特の不安感に浸ることができる.

  • 500 ページ弱を一気読みさせる面白さだが、
    好みは「奇術師」のほうかな。
    大森望さんによる巻末解説は、
    本作を理解する上で大いに助けとなるし、
    作品の完成度に驚くのは確かである。

    2002 年 英国SF協会賞受賞作品。
    2003 年 アーサー・C・クラーク賞受賞作品。

  • 面白く、少々疲れました。史実にのっとてもフィクションとノンフィクションの間がわからず、理想かパラレルワールドか。時間も交錯し繰り返される現象。立体的な小説、という感じがしすごいです。

  • [ 内容 ]
    1999年英国、著名な歴史ノンフィクション作家スチュワート・グラットンのもとに、第二次世界大戦中に活躍した空軍大尉J・L・ソウヤーの回顧録のコピーが持ちこまれる。
    グラットンは、次作の題材として、第二次大戦中の英国首相ウィンストン・チャーチルの回顧録のなかで記されている疑義―英空軍爆撃機操縦士でありながら、同時に良心的兵役拒否者であるソウヤーなる人物(いったい、そんなことが可能なのか?)―に興味をもっており、雑誌に情報提供を求める広告を出していた。
    ソウヤーの回顧録を提供した女性アンジェラ・チッパートン(旧姓ソウヤー)は、自分の父親は第二次大戦中、爆撃機操縦士を務めていたと言う。
    果たして、彼女の父親はほんとうにグラットンの探しているソウヤーなのだろうか?作家の棲む現実から幕を開けた物語は、ジャックとジョーという同じイニシャル(J)をもった二人の男を語り手に、分岐したそれぞれの歴史の迷宮をひたすら彷徨していく…。
    稀代の物語の魔術師プリーストが、SF、ミステリにおける技巧を縦横無尽に駆使して書き上げた“もっとも完成された小説”。
    英国SF協会賞/アーサー・C・クラーク賞受賞作。

    [ 目次 ]


    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 奇術師ほどの新鮮な楽しみはなかったが、やはりプリースト。よく練られている上によく作り込まれている。改変ものになるのかな。やはりしてやられた。

  • 史実の部分がどこまでか。読み応えあり。

  • 第二次世界大戦前から後、ある双子の兄弟の物語。行きつ戻りつ平行する世界。
    最初の1頁目にちゃんとヒントがあるのに勘違いして読み進め、どうしてこの小説がアーサー・C・クラーク賞を受賞したのかいぶかしんでいた、大間抜けな私。
    ただ、同じ歴史改変ものでいえば、広瀬正『エロス』のほうが格段に面白いと思う。

  • 第二次世界大戦で良心的兵役拒否者でありながら現役の爆撃機操縦者だった人物がいたというチャーチル首相の記述に興味を抱いた主人公はノンフィクション作家。これが双子だったからというだけならそれまでだが、プリーストがそれだけで終わらせるはずがない!?幻想なのか、ねじれた関係の中にちらっと見えるのはあり得た未来なのか、双子の人生の不思議。

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