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本 ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784152088185
感想・レビュー・書評
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生物や無生物に擬態できる生命体<変わり子>は、自分がいつどこで誕生したのかを忘れてしまう程の時間を深海でサメ等に擬態して過ごしてきました。
この生命体は食物連鎖の頂点を追い、遂に人類に辿り着きます。
動物的な本能による殺人を多々犯しますが、自己の生存を第一に考える純粋な生命体の<変わり子>。
長い時間を様々な人間として生き、学び、自分が何なのかを考えるようになっていきます。
そんな中、海底から超常的な質量を持つ物体が発見され、<変わり子>とは別の擬態する生命体<カメレオン>の存在も明らかになり…。
壮大な世界観ですがとんとん拍子に物語が進む、読みやすいSF小説です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
数世紀もの間ホオジロザメやシャチの姿で大洋を泳いでいた異星人(?)が、1932年に人間の姿に<チェンジリング>したことに始まる壮大なSF怪奇小説です。一方、人類の戦争の歴史と共に何千年も生き続けてきた悪者異星人<カメレオン>が登場し、太平洋の深海に百万年以上も海底にあったと推測される謎の物体をめぐってのサスペンスフルな物語の展開には、目が離せない面白さを秘めています。どんな人間にも変身できることから、DNA鑑定による世界の首脳たちの存在の真偽が論議され、世界中が騒然となるのが2021年であります。
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ハヤカワの「海外SFノヴェルズ」シリーズ
久々の海外SF 一応 ネビュラ賞受賞作です
太平洋の深海で発見された謎の人工物をめぐる物語
そこに二種類の異星人が絡んでくるというお話
結末は、ハリウッド映画的大団円でしたとさ
これはこれでありかなぁ・・・ -
SF。
2006年ネビュラ賞、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞。
自在に姿形を変える異星生命体。深海から発見された謎の人工物。
序盤の、異星生命体が人間と関わりを持ち始めた頃の描写が特に面白い。
中盤は、ややトーンダウン。
終盤は、異星生命体もかなり人間らしく成長し、ラブロマンスっぽく。
SF的に、それほど強烈なインパクトはないが、読みやすくエンターテイメントとして楽しめた。☆3.5。 -
メロドラマなら「ああ、なみだなみだのすれ違い」でいいのだが、『ゴジラ対キングコング』だったら、松島に上陸したゴジラは南下し、千葉に上陸したキングコングは北上し、通り1本の違い、ほんの1時間の誤差で出会い損ねたりすることはない。怪獣たちは必ず出会うことになっているので、わくわくしながら「激突」を待つわけだ。本書もそんな感じ。だが本書のモンスターたちは時間を縦断しながら接近してくるのである。
〈変わり子〉(チェンジリングだから、普通は「取り替え子」と訳されるのだが)は太古に地球に漂着した異星生物。自由にその姿を変えることができ、数万年を海棲哺乳類に擬態して生きてきたが、1931年から人間になりすます。かたや、〈カメレオン〉もまた数万年前から地球に暮らす別種の異星生物で、同様に姿形を変えることができ、ずっと人間に擬態してきた。
両者が相まみえる地点は、どうやら本書表紙イラストの葉巻型の金属物体。〈変わり子〉が乗ってきた宇宙船と思しいのだが、2019年に遙か海底から引きあげられ、サモアで調査がなされている。
時間をくだってじりじりと接近する両者。
何にでも擬態をとることができ、人間に化けている異星生物という設定はまるで『寄生獣』をネタにしているかのようだ。
クライマックスは両者の「激突」なのだけれど、これは『寄生獣』のアクションほどにスペクタクルなものではない。長年にわたって人間に擬態してきたため、〈変わり子〉も〈カメレオン〉もそれぞれ別の意味で人間的となっている。そのあたりの人間性が著者のテーマみたい。それはそれで面白いのだけれど、読者の認識を大きく揺るがすような話になっているわけではなく、それだったら『寄生獣』のインパクトのほうが遙かに強いと思ってしまった。 -
終盤に急速に失速するまでは面白かった。
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何にでも姿を変える事が出来る異星人が人間になりすまし活動する、しかも二人。でも種族は違う。普段、そんなにSF物を読む事は多くないのですがこの物語は、人間に化けて生活し人間の観察を続ける様子がスパイ小説を読んでいるような味わいがあって、SFということをあまり意識しなかったです。ストーリーよりも、いろいろな時代での人間に化けて生きる姿が面白く感じられました。
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視点がおもしろい、しかし途中が説明調になってくると退屈なところ。また設定が安易過ぎてB級のSF映画のようになってしまって残念
ジョー・ホールドマンの作品





