Self‐Reference ENGINE (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 320
レビュー : 50
  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152088215

作品紹介・あらすじ

進化しすぎた人工知性体が自然と一体化したとき、僕と彼女の時空をめぐる冒険ははじまった。Jコレクション創刊5周年記念作品。

感想・レビュー・書評

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  •  わかりやすくたとえるなら、excelを使ってるとたまにうっかりやってしまう、循環参照のエラー。たとえばA1セルに=SUM(A1:A10)って入れちゃったら出てくるエラーだ。表計算ソフトだと循環参照はエラーメッセージが出て修正を余儀なくされるが、小説では可能だ。それが「すべての可能な文字列」である限り、どんな矛盾も矛盾せず存在できるのだ。(←そう、こんな感じで存在できるわけだ)

     とか言って、話の内容はなんとなくしか分からなかったけどな!!!
     SFを持て余したSFマニアの遊び。
     なんかそんな感じだったよ。
     フロイトwwwww八丁堀wwwww
     だいたいそんな感じだったよ。
     まあ、とりあえずこれを読めたからどんな小説も臆せず読めるんじゃないだろうか、という妙な自信がついた。(笑)

     この世界にあまたある物語は、無限に分裂してしまった時空とよく似ている。
     ただ、それは、わたしたちが、自由に旅することのできる無限の時空だ。
     次はどこへ行こうか。
     どこへ連れて行かれるだろうか。
     この黄色いきっぷを握って。

     いつかまた会おうなー、Self-Reference Engine。

  • 危険、近づくな。黄色い表紙はそういうことじゃないかね?

    平沢進「白虎野の娘」が好きだ。流れるような言葉の連なりに、気持ち良く口ずさめる。歌詞からストーリーを読み取ろうとしても、意味をなさない。たとえばサビ。「ああ マントルが饒舌に火を吹き上げて 捨てられた野に立つ人を祝うよ。」私が気付いていないだけで、何か深い意味があるのかもしれない。だが、そんな分析を抜きにしても、耳にすると心地よい。本書を読んでいて、その感覚を思い出した。

    プロローグ、エピローグを含む22の短編から成り立っている。一言でいえば「訳わからん」。貶してるのではなく、特徴。
    なんとなく掴めたのは、以下の3つの事柄くらい。
    1.イベントが起こり、時間がバラバラになってしまったこと。昨日の次が今日とは限らず、今日の次は明後日かもしれない。
    2.コンピュータが発達し巨大知性体となっていること。人間に理解できない階悌で演算していること。時空間を一つにするべく努力を続けていること
    3.巨大知性体を遥かに超える超越知性体がいること
    伏線が回収されるだとか、最終的に一つの歴史となるだとか、そういったことはない。終盤に近付くにつれ、リアルに訳が分からない状態になってしまった。とりあえず、真理は「四十二」やグノーシス派、輝くトラペゾヘドロンなど、ちょっとした知識があるとニヤリとできることが多くなると思う。

    比較的、理解できる範囲までにストーリーが整っているのは、やはり人間が多く出てくる話。具体的には「Ground256」や「Freud」。「Freud」が一番好きかも。初めの一文がなんと「祖母の家を解体してみたところ、床下から大量のフロイトが出てきた。」比喩でも何でもなく「フロイトという性のフロイトであって、名をジグムント。」が出てくるのだ。シュールだ不条理だなんて感想が思い浮かぶ間もなく、ニヤニヤしっぱなし。

    読み易いとは言えないし、読みにくいともまた違う。そもそも理解しようなどとは思ってはいけないのかもしれない。脳を引っ掻き回されるような感じ。流れる文章に、酔っぱらえ。

    ちなみに文庫版には短編が2つ加えられ、解説もついているそう。どんな解説なんだろう。気になる。

  • バラバラの話のようで地続きではあるような短編集、と思ったらわりとしっかりつながっているらしい。
    理解しきれないような難解なところもあるが、「床下から大量のフロイトが」のようにぶっ飛んだ話もあって、そういうのは分からないなりに楽しめた。
    まだ魅力をつかみきれていないが、いくつか読むうちにハマりそう。

  • 好:「A to Z Theory」「Ground 256」「Freud」「Sacra」

  • 「全国ビブリオバトル2015 徳島・香川地区決戦」
    (12月5日/徳島大学常三島キャンパス けやきホール1階 地域連携小ホール)
    (チャンプ本)

    http://opac.lib.tokushima-u.ac.jp/mylimedio/search/search.do?materialid=215003787

  • 巨大知性体にまったく知性を感じられなかった。純文学寄りとの評価を見たがわたしにはライトノベルに感じられた。話の筋に真新しいものを感じることがなかった。あたかもデカルト座標上に言語の系が固まって浮遊しており予め割り当てられた対称や限界に当たる言葉らしきものを巧みに操る想像性は特筆に値する。

  •  人間が彼らの絶滅の理由を知ることができないとされる理由は単純だ。ありえそうな滅亡の理由を思いつく先から、その理由で滅びたわけではないと過去を改変するような時空構造として、彼らは絶滅したのだと考えられている。証拠がどんどん後出しされる推理小説には終わりようがない。はじめから終わってしまっていない限り。
    (P.262)

  • SFは少しの不思議であってほしい。
    世界観についていけず、物語が入ってこない。
    想像の枠を超えている。

  • 本作は文学なのかもしれないし、SFなのかもしれません。文学じゃないのかもしれないし、SFじゃないのかもしれません。それとも文学と同時にSFであるのかも分かりません。実はミステリだったということは、とてもありそうにありません。

  • ひと言でいうと、面白かったような気がする。
    正直よく分からなかったので評価も満足にできない。時間と存在についての様々な物語が、数学的タームという修飾を多用して書かれているように思う。それらの修飾を平易な言葉に置き換えたならどうなるのだろうかとふと考える。たぶん、つまらない物語になり果ててしまいそうだ。

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著者プロフィール

円城塔(えんじょう とう)
1972年、北海道生まれ。東北大学理学部卒。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。複数の大学で研究員を務める。34歳の時、研究を続けることが困難となり、2007年にSEとして一般企業に就職。2008年に退職、専業作家となる。
デビューのきっかけは、研究のさなかに書いていた「Self-Reference ENGINE」。各所で認められデビュー作となった。2007年『オブ・ザ・ベースボール』で第104回文學界新人賞、2010年「烏有此譚」で第32回野間文芸新人賞、2012年『道化師の蝶』で第146回芥川賞、同年『屍者の帝国』(伊藤計劃との共著)で第31回日本SF大賞特別賞、第44回星雲賞日本長編部門をそれぞれ受賞。他にも2012年に咲くやこの花賞(文芸その他部門)、2017年「文字渦」で第43回川端康成文学賞をそれぞれ受賞している。
その他代表作に『これはペンです』『エピローグ』などがある。「新潮」2016年5月掲載号で川端康成文学賞を受賞した短編小説、『文字渦』が2018年7月に発売された。

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