虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 811
レビュー : 162
  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152088314

感想・レビュー・書評

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  • 対テロ対策のために個人のIDのトレースが強化された近未来の管理社会で、虐殺が横行する発展途上国の首謀者を暗殺することが仕事の米軍兵士の物語。ハイテク兵器の数々や個人認証のための機器、良心や痛覚など戦闘の障害となる感覚のコントロール法、民間軍事請負企業など、ディテイルを綿密に積み上げて近未来世界を構築している。発達した脳医学から見た死とは何かという考察と主人公のトラウマとの交錯した描写や人間と国家の存在意義などについて繊細な会話がストーリーの間をつなぎ、謎の男、ジョン・ポールを軸に物語が大きく展開する。

  • 濃密な(いささか過ぎる)描写と緻密な思考の結晶。書き下ろしのデビュー作としては作者はこの作品に心血注ぎすぎたのではないかとさえ勘ぐりたくなる稀有な作品には違いない。素直に凄いと思うが、好きか嫌いかでいうと、あまり好みではない部類。

  • 伊藤 計劃(いとう けいかく)氏の処女作、小松左京賞最終候補作品とのこと。
    ことばに強く興味をもつアメリカ情報軍シェパード大尉が、言語をあやつるポールが世界各地で引き起こす大量殺戮を追う。
    文章の作り方が上手くて、引き込まれた。
    この作品から、わずか2年後、34才でガンで早逝されている。もったいないですね。

  • 何年か前に飲み会で会った人と本の話をしていたときに勧められていたのを思い出して、借りてみた。
    でも残念ながら私の好みではありませんでした。気持ち悪くて斜め読み。

    関係ないけど、今まで自分は翻訳物が苦手だと思ってたけど、日本人が主人公じゃないのとか、舞台が日本じゃないのが苦手なのかも。
    それってなんか嫌だなあ。だからって無理に好きになるのも変だけども。。

  • 図書館
    屍者の帝国が気になるのでまずは他の作品を読んでみようかと。
    なかなか後味悪いオチですね。
    ハーモニーも読んでみよう...

  • デビュー作でこのクオリティとスケールはすごいね。同じ年とは思えない。心から敬服する。
    一ページ目から血の匂いや、脂肪や髪の毛の燃える臭いがして嫌悪感を覚えたけど、あまり気にならなくなった。毒されたのだろうか。
    互いに虐殺させる理由は納得できるものではないけど、時代によっては仕方ないのかもしれない、人間の器官として組み込まれてるのかもしれないと思ってしまった。けど、人間の命ってそんなに軽いもんじゃないよね。世界中でそんな現象起こるはずない。人間の良識を信じる。

  • 随分と時間がかかってしまった…。けれどもなかなかおもしろかったと思う。SFではあるけれどもどこかリアルに迫っている部分もあると思うし、残虐なものは残虐であるという事を冷静に描写しているとも感じる。生々しくはあるけど、戦争はそういうものなのだということフィクションながら教えてくれる1冊だと思う。

  • 「人は見たいものしか見ない」との言葉にドキリとした。世界で起こっていること、知りたいことを自宅で簡単に調べることができるような気がする世の中で、なんでも知っているような錯覚に陥っている危険性に気付かされた。線引きの難しいシビアなテーマ(生と死の境目など)と独特の世界観が秀逸。余談だが、「ケビンベーコンゲーム」は面白いネタ。日本映画界だと誰になるだろう。西田敏行さんあたりかな?
    実は…『屍者の帝国』を読んでがっかりしていたところ、この小説を友人に勧められて、半信半疑(ごめん)で読んだのだが、がっかりせずに済んでよかった。

  • 簡単に言うと、女に甘えたかった男が、結局それが適わなかったので偉そうな建前言いつつ「こんな世界、自分以外みんな死んじゃえ~っ☆」てなったお話でした。

  • 緻密な作品。重厚という訳では無いが、輻輳する展開が面白いのだか、引き込まれる自分自身が、ちょっと怖い気がしました。
    惜しい人を亡くしてしまったものです。他の作品を読んでみたくなりました。

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著者プロフィール

1974年東京都生れ。武蔵野美術大学卒。2007年、『虐殺器官』でデビュー。『ハーモニー』発表直後の09年、34歳の若さで死去。没後、同作で日本SF大賞、フィリップ・K・ディック記念賞特別賞を受賞。

「2014年 『屍者の帝国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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