虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 810
レビュー : 162
  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152088314

感想・レビュー・書評

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  • 近未来、テロを先導する謎の男を追う米軍特殊部隊と言うメインプロットは面白い。10年近く前に書かれた作品ながらディテールまで描きこまれた様々な近未来のガジェットも良く出来ている。
    しかし、話が長くて退屈。このプロットをテンポよく進めば面白かっただろうが、ここに特殊部隊ということで生殺与奪を繰り返す主人公の死生観が長々と、それも何か所でも出てきてこの思索描写が冗長。
    特に母親との絡みが繰り返され、挙句”罰してほしい”という心理変化など全く表層的な描写で退屈。

    ガジェットが詳しいのも同様で、筋肉組織を使ったポッドなど面白いのだけど、その”筋肉”の説明が延々とあったり…。
    近未来の世界観が確立しているのは十分わかるから、不要な説明は省いた方がずっと面白くなったと思う。
    この2/3程度の長さで十分。しっかりとした編者がいれば「機龍警察」レベルの傑作になったろうに、残念!
    作者は映画が好きなようで、様々な作品・俳優が会話に登場するがすべて現在の実際の作品。
    (ただし、カラス神父が落ちるのは「オーメン」ではなく「エクソシスト」)
    この作品自体をしっかりとした脚本で映画化したら面白くなるだろうけど。主演はジョエル・キーナマン辺りがいいかな?

  • 言葉が全てを司る。

  • 正直、性に合わない作品。
    読み進めるのに、かなりの努力が必要だった。

    虐殺器官・・という考え方はすごいな。。
    作者は若くして亡くなって、作品は2作しかだされていないようだが、
    その才能は計り知れないものがあったと感じられた。

    読後感もあんまりだったが、あとから、じわじわと考えさせられた。

  • SFといえど、人が人を殺戮することの愚かしさを強く感じる。

  • ルーガルー読んだばっかだったから、かぶったな・・・。
    虐殺器官のがテンポよかった。

  • とりあえずハーモニーよりは読みやすい。発想もユニークで、独特の世界観は面白いのだが、また主人公のモノローグが長すぎる。もうすこし硬派な感じだったら、もっと良かった。

  • エスキモーの雪の言い方。「あれは一種の都市伝説に近いわね。話が伝わるたびに単語の数は増えていった。ボアズが最初にその話に触れたときは、四つだった。ウォーフが書いた論文では七つになって、そのあと雑誌やラジオ、テレビで触れられるたびに、イヌイットが持つと言われる雪を表す語根の数は増えていったの。けれど、実際に調べてみると一ダースもないというのが本当のところ。それだったら、英語だってイヌイットに劣らないくらい雪を表すことばを持っているわ」

    「どこに育ったって、現実は言語に規定されてしまうほどあやふやではない。思考は言語に先行するのよ」

    「アインシュタインは、イメージが浮かぶ」

    「言語が人間の思考を規定しない、というのはわかる。とはいえ、言語が進化の適応によって発生した器官にすぎないとしても、自分自身の器官によって滅びた生物もいるじゃないか。長い牙によって滅びたサーベルタイガーのように」

    「生物の複雑性は、必然的に利他行動をとる傾向にあるの...ゲーム理論の実験で、どんどん複雑化していくあるシュミレーションがあるの。」

    「言葉になんて意味はない。単なる音の集合体だということ。」

    話自体は、SFだし、大したことはないんだけど、この言語に関するやりとりが面白い。

    人間は言語によって性格や人間性が規定されうるのか?
    やっぱり言語によって規定されるって思うんだけどなー、英語喋ってる時と日本語喋ってる時ではやっぱり自分の性格も異なるなぁと思うから。

    でも、虐殺器官ではないけど、戦争へと民を導くためのプロセスってゆーか、そのプロパガンダはあるとは思うんだよね。いつのまにか、軍は、、、って言い方を、我が軍は、、、って変えていくのと同様に。

    あ、そっか。この本が受け入れられているのは、内容それ自体ではなく、そこまで考えられているからなのかな。いずれにせよ、最近、本でもある種のひらめきとか、学びがないものってつまんないなって思えてきちゃう。

  • ●あらすじ●
    9・11以降、激化の一途をたどる“テロとの戦い”は、サラエボが手製の核爆弾によって消滅した日を境に転機を迎えた。先進資本主義諸国は個人情報認証による厳格な管理体制を構築、社会からテロを一掃するが、いっぽう後進諸国では内戦や民族虐殺が凄まじい勢いで増加していた。その背後でつねに囁かれる謎の米国人ジョン・ポールの存在。アメリカ情報軍・特殊検索群i分遣隊のクラヴィス・シェパード大尉は、チェコ、インド、アフリカの地に、その影を追うが...。はたしてジョン・ポールの目的とは?そして大量殺戮を引き起こす“虐殺の器官”とは?

  • 期待して読んだけど、あたしには合わなかった。
    読み進めるのが苦痛でした。
    苦労は買ってでもしろとは思わないので、途中で読むのを断念。

    小松左京賞最終候補とか近未来軍事諜報SFとか
    なるほど・・・・・
    そんな予備知識があれば、手にとらなかったのに。

  • 設定ありきの感が否めない。

著者プロフィール

1974年東京都生れ。武蔵野美術大学卒。2007年、『虐殺器官』でデビュー。『ハーモニー』発表直後の09年、34歳の若さで死去。没後、同作で日本SF大賞、フィリップ・K・ディック記念賞特別賞を受賞。

「2014年 『屍者の帝国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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