虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 811
レビュー : 162
  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152088314

感想・レビュー・書評

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  • 一気に読んでしまいました。「虐殺は人類の本能なのか?」と言うテーマは、後に出た高野和明「ジェノサイド」と共通していますが、結論は全く逆。読み比べるといろいろと興味深いです。かなりミリタリー要素が強い内容なので、慣れないと読むのが辛いかも知れません。しかしそれでもなお、この読ませる力は凄いです。「ハーモニー」が早く読みたい。

  • この題材と設定で、この読みやすさと説得力。なるほどすごい。そこはあくまでも現実と地続きの世界で、各国の描写やラストの淡々とした絶望にやるせなさを感じる。人は見たいものしか見ない。ほんとにね。著者の新作が読めないことがとても残念。

  • 暗殺や虐殺などの死にまつわる陰惨な事柄を扱っているが、主人公の内面を探る思索がそれを感じさせない。また、SFの世界観を紡ぐ言葉が丁寧に選ばれているので、仮想の世界がリアルに思い描ける。
    自分の行為に対する許しが欲しい。というのはひとえに安心が得たいという事だろうか?物語の中核を通る文脈はこれに尽きると思う。
    虐殺器官→目や心臓の様に人間に元から備わっているものとしてジョン・ポールがみつけた。それを追うシェパード大尉。ルツィアとの関係。最後まで終わりが見えないミステリー。

    「僕は記録が欲しくてたまらなかった。自分の想像に根拠が欲しかったからじゃない。自分が想像すら出来ていない事を認めるのが怖かったからだ。」「見つめられる事の安堵は、息苦しさの表側に過ぎない。」

  • 映画を観た後に再読しようと思っていたので、手に取った。原作のラストが好きだったから、映画もそのままでやって欲しかった。

  • 伊藤計劃を知ったのは小島秀夫がきっかけなのですが、なるほど。確かに仲が良さそうな内容です。メタルギアソリッド2が好きな方は、きっと虐殺器官が好きで、メタルギアソリッド4が好きで、そしてハーモニーが好き、かもしれません。
    刺激的な単語を使用した題名ながら、淡々と語られる世界観とその印象に、題名に覚えるような刺激的な内容は序盤にはありません。むしろ1人称ながら、それほど強い感情を抱かず、一線を引いたような描写は、感情を失いつつある世界とよくなじんでいます。エスキモーは雪の名詞を20通り持つ、ケビン・ベーコン・ゲームなどの雑学が、時おりとってつけたように混ざるのが気になりますが、殺人という1つのテーマが最後まで描かれており、筋の通った作品でした。

  • 近未来の米軍暗殺部隊が主人公のSF。
    ザックリとした印象では、パイナップルアーミーとスプリガンを足して2で割ったような内容でした。
    両方とも好みなのでもちろん非常に面白く読みました。

    情景を思い浮かべやすい描写でしたので、脳内アニメ化(サイコパスの絵柄で)余裕でした。アニメ化が予定されるのもわかりますね。

    アイデアが初めに出来てストーリーを組んだのか、ラスボスの行動原理はちょっと飛躍し過ぎてる印象もありましたが、エンタメなので問題無しです。

  • 救われないけどハッピーエンドなラスト

  • アニメ化されるということと、夭折の伝説的作家として有名だったので、ようやく読んでみました。この人の頭の中身どうなってんだろ、というくらい濃い内容でした。SF、ミステリ、ホラー、軍事小説、そして青春と恋愛小説、色んなものがミックスされて知的な文法で編まれていました。
    トレーサビリティの問題とかは、911以後というより311以後を予見しているような内容でした。安全のための履歴、でも人は自分の都合のいい履歴でしか物を見ていない、とか。
    未来の世界が見えている作家さんだったのだなぁ、と圧倒されるデビュー作でした。

  • 映画化ということで読んでみた。
    私が読んだことのない感じの本だったのでなかなか読みすすめることは出来なかったが、心理描写が細かいとおもった。
    一度読むだけでは理解できなかったのでまた間を開けて読みたい。
    それは映画を見たあとの方がよりわかりやすいのかな?と思ってみたり。

  • タイトルからもっとグロくて内臓の描写とかあるようなものなのかと正直不安な気持ちでチャレンジしたのですが、全くイメージと異なる内容でした。むしろ理知的な内容でした。主人公もマッチョな戦士タイプを想像していたのでやはりイメージを良い意味で裏切られて好感度高かったです。
    未来には現実として起こりうる気がして、恐ろしいです。

著者プロフィール

1974年東京都生れ。武蔵野美術大学卒。2007年、『虐殺器官』でデビュー。『ハーモニー』発表直後の09年、34歳の若さで死去。没後、同作で日本SF大賞、フィリップ・K・ディック記念賞特別賞を受賞。

「2014年 『屍者の帝国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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