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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784152088390
みんなの感想まとめ
多様な短編が収められたこの作品は、ファンタジーの枠を超えた独自の世界観を持っています。特に、表題作や「妖精のハンドバッグ」などは、奇妙で詩的な要素が織り交ぜられ、読者を非日常へと誘います。作中の言葉は...
感想・レビュー・書評
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“切実さ”こそが物差しなんだ。
楽しい日常や円満な夫婦関係にゾンビや幽霊が出現したら?多分、平和な生活を取り戻すために必死に戦う。それって結局、ファンタジーという名の“普通のお話”。ですよね?
でももっと切実な“何か”を抱え込んでしまった人にとっては?
切実であればあるほど、ぶっ飛んだ世界を描くことができる。奇妙なシチュエーションをものともしない。だって登場人物にとってはそれどころじゃないから。
なんだかかえって人間らしい“リアリティー”を描いている気がしてくるかもしれない。
ケリー・リンクは、“奇妙さ”を単純な舞台設定や小道具として登場させたり、精神世界の安直なメタファーに使ったりしない。訳がわからないものは真剣にわからない。でも“痛み”はありありと感じられる。
『妖精のハンドバッグ』が好きだ。
祖母のゾフィアが持っているハンドバッグには、ゾフィアいわく災害を逃れるために国がまるまる一個、山、森、川、海も、住人も獣も神さまもみんなで避難のために移り住んでいるという。もちろん単なるおばあちゃんのホラ話では終わらない。
読んでいると女の子の一人語りというスタイルも含めて、ミランダ・ジュライの『水泳チーム』を急に思い出す。この不器用で、泣かないようにぎりぎり自分を保っている感じ。泣いたら楽になるって分かっていても強がる感じ。そんな精神状態で必死になって語るのはなんともヘンテコな物語。
おばあちゃんから継承したのは大事なハンドバッグなのか、世界一の嘘つきの称号なのか。
切ない。
『いくつかのゾンビ不測事態対応策』で男と女の子の間で繰り広げられる会話もいい。
他人の家のパーティに紛れ込んだ男は、“ゴージャスなオッパイの女の子”と奇妙で重なり合うことのない会話を繰り広げるけれども、ベッドインはしない。女の子の抱える哀しみは男には癒せないし、世界から置いてきぼりにされつつある男が抱え込んでいる“欠落”は、“現実”では埋められない。美術館からピカソを選ぶことなく、“誰も描かなかった絵”を盗み出したと語る男が求めるものは、本人にだってわからないだろう。ゾンビ襲来による破滅と、破滅がもたらす救済を待つだけだ。
『しばしの沈黙』の冴えない中年男たちもまた切羽詰まっている。
表題作におけるジェレミー少年が思春期をどう潜り抜けるかかも大変だが、中年の危機はどん詰まりだ。
逆回転をモチーフに、お話の中のお話でお話しが語られる三重に複雑な入れ子構造になっている。
死んだときから生まれた時へ逆行していくのは、可能性に満ちた時代に戻っていくことなのか?
それとも全ての結末の記憶を抱えて生きていく重荷なのか?
真夜中の3時に別居中の妻を救おうと電話をかけるエドに希望は感じられない。過去に戻ってやりなおすこともできない。
でも、夜明けまで、まだ時間はある。待つことはできる。
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ファンタジーというのは懐の広い言葉だと思う。
想像していたファンタジー路線ではなくて、安部公房のようなマジック・リアリズム路線な気がする。
冒頭2作読んで、ちょっとくじける。
間に他の本を挟みながら、他のは読めるかもしれない、1作目はまぁまぁ読めたし(「妖精のハンドバッグ」解説読んだらヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞の3冠作品だった)とよたよた読む。
オチというオチは感じられない不思議話。
せめて設定が気になった表題作までたどり着きたいと思っている所ですが、何故か表題作は後ろから2番目です。
追記)ようやく読了!
表題作もネビュラ賞・ローカス賞・英国SF協会賞受賞作のせいか、一応読めましたが、やっぱり何かがはっきり明らかになったりはしないので、難しいな~
装画 / 塩田 雅紀
本文カット / シェリー・ジャクスン
装幀 / 岩郷 重力+WONDER WORKZ。
原題 / "MAGIC FOR BEGINNERS"(2005) -
ふむ
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「妖精のハンドバッグ」は、ランボーの母音の詩を思い出すような詩情があってよかった。訳の細部に工夫が見られる。「石の動物」にはタカシマヤの日本の着物が出てきたり。「猫の皮」では「魔女の復讐」という語が固有名のように使われる。けっこう作者は日本に造詣が深い印象をもった。
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[ 内容 ]
電話ボックスを相続した少年は、その番号に何度もかけてみる。
誰も出るはずのない電話だが、あるとき彼が愛するTVドラマの主人公が出て、助けを求めてきた――異色の青春小説たる表題作ほか、国をまるごと収めたハンドバッグの遍歴を少女が語る「妖精のハンドバッグ」、なにかに憑かれた家を買った家族の騒動を描く「石の動物」など、アメリカ文学の新潮流をかたどる女性作家による瑞々しくも不思議な感触を残す全九篇。
[ 目次 ]
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ] -
世界がねじれている。でもそれは前景として、世界の一部としてそこにあるだけ。ねじれそのものが真っ向から取り上げられることは少なくて、ねじれた世界の表面を滑るようにして、キラキラした物語が綴られる。だからこその、細部の息遣いのリアルさ。・・・っていうのはちょっとまとめすぎかしら。
なんかね、ツイストドーナツのようだな、と。全体のファンタジー性が。ねじってある意味なんて無い様に思えるんだけど、実はその分まぶしてある砂糖の乗りもよくてうまい具合になじんでたり。(ツイストドーナツのツイスト性について、なんて初めて考えたよ。。。)
まあ、とにかく美味しいです。 -
2013/9/19購入
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『SFが読みたい! 2008年版』を読んで気になっていたので手に取った。総合評価だと良し、だけど結構好きな短篇とそうでもない短篇が半々ぐらい。SFというよりもファンタジーっぽさが強い。奇想あふれる短篇集であるのは確か。
表題作の「マジック・フォー・ビギナーズ」が一番面白かった。読んでいる間クスッときたりほろっときたりで。長編ファンタジーのプロローグみたいな短篇。めちゃくちゃ好きでこの話だけ何度も読み返している。
その次に良かったのは、「妖精のハンドバッグ」。この短篇集のなかで最もまともなファンタジーじゃないかと思う。何がまともなのかは個人差があるかもしれないけど。
あと面白かったのは「いくつかのゾンビ不測事態対応策」。ゾンビについてはどうでもいいけど、幻想的な雰囲気が好ましい。ゾンビについてはどうでもいい。
「石の動物」は読んでいる間静かに混乱している感じで、長い悪夢を見ているようだった。なんとなく不気味な印象がするだけで、内容についてはよくわからない。かといって再読する気は起きず。 -
「マジックフォービギナーズ」読んだ http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/310068.html … 柴田元幸訳。SFや幻想物に分類されているけど、奇想天外な展開も冒険や旅も架空の生物も出てこない(ちょっと出てくる)。平凡な人々の平凡な日常に紛れ込む違和感にフォーカスした短編集(つづく
「ゾンビ不測事態対応策」とか、普通の話を書いてから最後に固有名詞のいくつかを、その状況では有り得ない物体や事象へ入れ替えて仕上げたような(なんでゾンビ?笑)。他人の話を聞くときにたまに感じる違和感を突き詰めたらこういう短編集ができるかな。最初のバッグの話がとてもいい(おわり -
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これファンタジーなのかな?ホラーっぽい。短編だと結局こういう感じになってしまうのか…?個人的好みだけど、ファンタジーはしっかり世界を作り上げてある長編でないと面白くないかも。ファンタジーとしては好きではない作品。柴田元幸さんの翻訳なので期待していたが、翻訳もえ?と思う箇所が多々あってがっかりな一冊だった。作者は男性かと思っていたのだが、女性であるのを知って、ようやくこのシュールさを納得できた。
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すみません、この作品は理解できませんでした。
何とか読み終えましたが、頭がこんがらがって・・・ -
昨日こんな夢を見た…なんていう、誰かの話を聞いてるような。幻のような世界なのに、奇妙な現実感。
アメリカンな感じで、どこか実験的で、読んでるときは、いまいちかな・・と思ったり。
でも、読み終わると、悪くないのかも。なんとも説明できない本…。
買う前に立ち読みすることをおすすめします。 -
日常の風景の中に透明な交換膜があって、そこから不可思議な作用が出入りしている様子を記録したら、この短篇集になった。みたいな。表題作『マジック・フォー・ビギナーズ』はまっこと傑作!劇中のTV番組『図書館』はぜひ見てみたい。
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読了:2009/11/22 図書館
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短編集どこでも評判がいいみたいだけど、あまりにシュールでついていけなかった。起承転結の承で終わるような展開といい、世界観といい、、、こういうのを楽しめる人が文化度が高いんだろうなぁと思いつつ断念。
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関係ない登場人物像を細かく書いてあるので、
慣れるまで読むのに苦労しました。
表題作「マジック・フォー・ビギナーズ」が
いちばんおもしろかったです。 -
いきなり作品世界に放り込まれて、キョロキョロして終わったような・・・。『スペシャリストの帽子』の方が、まだとっつきやすかったかも。20代の頃に読んだら、きっとはまっただろうなと思う。「ザ・ホルトラク」がよかった。
――Magic for Biginners by Kelly Link -
まいった、まいった。全九編からなる短篇集。英国SF協会賞受賞作なのはうなずける。場面の展開がころころと移り変わるので、だんだん頭がこんがらがってくる。ゾンビは出てくるわ、タイムマシンはでてくるわで、ちょっとスリラーっぽいのも魅力。個人的には最後の短篇『しばしの沈黙』がよかったです。『こんなに酔っ払ってなかったら、絶対信じないと思う。どうして酔っ払っていると、何事もいつもより悲しくて、いつもより笑えて、いつもよりずっと本当なのかな?』
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はっきり言って、訳わかりませんでした。只、非常に魅力的な感じがします。なんでコンビ二に、ゾンビが来るんでしょう。なんで大砲と結婚するんだ?うさぎは何を意味してるんでしょう。読んでてイライラしますが、お風呂の中で、ふと内容を思い出したりすると、笑えます。
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